県民の懐(ふところ)暖め、県内消費を拡大する県民応援の県予算編成を
共産党県議団が2013年度予算編成にむけ要望書提出
いのちと暮らし応援の167項目
日本共産党奈良県会議員団(山村さちほ団長、5人)と同県委員会の澤田博委員長、谷川和広・青年学生部事務局長は12月25日、荒井正吾知事に「2013年度予算編成にあたっての要望書」を提出、知事と懇談しました。
要望書は、新年度の予算編成がすすめられているこの時期に、毎年おこなっているもので、今回は再生可能エネルギーへの転換を目標をもって取り組むことや、平城宮跡や奈良公園といった世界に誇る奈良らしい歴史文化自然遺産を守り、しっかりと後世に伝えていく取り組みの推進、子ども医療費助成や介護保険制度の利用しやすいものへの転換など重点要望8項目と、個別要求167項目です。
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重点要望8項目は次のとおり。
〈はじめに〉
景気対策、原発ゼロ、TPP参加、消費税増税と社会保障一体改革、東日本大震災の復興など、日本の進路、国民の暮らしにかかわる重要問題が問われた総選挙が、終わりました。
民主党政権に厳しい審判が下り、自民党も、政策が支持されたわけではなく、民意をゆがめる小選挙区制のもとで、4割の得票で8割の議席を占めることとなり、自公政権が復活しました。マスコミ報道で持ち上げられた維新の会も受け皿とはなりえず、多くの国民が、国民中心の新しい政治を求めて、模索を続けているのではないでしょうか。
新政権がすすめようとしている景気対策では、いくら金融緩和しても、庶民の懐(ふところ)が暖まらなければ内需が増えず、景気を良くすることができません。消費税増税は、国民の大きな負担となり、さらに景気を冷え込ませ、国と地方の財政悪化を招く危険があります。
例外なき関税撤廃のTPPへの参加は、日本の農業、医療、金融、公共事業をはじめ様々な分野に打撃を与える心配があります。
さらに自民党は、憲法改定草案を発表しており、超タカ派の安倍総裁は「国防軍」を持つとまで述べ、維新の会が憲法改悪に協力を惜しまないと述べるなど、世界に誇る憲法9条がなくされる危険もすすんでいます。
このような中で、県下でも雇用の悪化、中小企業の経営は困難に直面して、県民の暮らしは深刻です。地方自治体の役割は、住民福祉の増進です。いっそう県民の切実な願いに応えて、暮らし応援、福祉増進の予算とされるよう強く要望いたします。
〈重点要望〉
① 地震列島日本で、原発の立地について、活断層の再調査がされるなか、改めて、危険性が指摘されています。運転停止中の原発をとめたまま、廃炉へすすめ、ただちに原発ゼロへすすめることが、脱原発への一歩です。現在稼働している原発は、関西電力の大飯原発だけです。県として、関西電力へ、稼働ストップを申し入れてください。
同時に、今進めている再生可能エネルギーの推進を、目標値もきめて、実効ある取り組みとしてください。
② 農業、医療、雇用など県民生活に大きな打撃となるTPP交渉参加に反対の意思を表明して、政府に不参加をもとめること。
③ 今このような景気のもとで、消費税増税は、暮らしと営業を直撃します。増税中止を求めてください。税と社会保障の一体改革は、年金給付の繰り延べ、高齢者医療費の窓口負担の増額など、県民負担を強いるものです。社会保障守るための県独自策を強化してください。
④ 台風12号災害復旧に、尽力していただいていますが、引き続き最優先して、住民が主人公の立場で、住み続けられる山村の再生をすすめてください。
⑤ 大深度の地下に建設されるリニア新幹線計画は、高速道路でのトンネル事故が発生するなかで、あらためて安全性が問われています。多くの電力を必要とし、中間駅での、誘客見込み、経済活性効果等、過大ではないのか、今一度検討が必要です。震災復興を最優先すべきときです。
県民合意のできていない不急の公共事業は見直しをすべきです。特に、多大な費用を要し、世界遺産を破壊する恐れのある京奈和自動車道大和北道路の、奈良インターまでの建設や、周辺整備などの開発に過大な投資となるリニア新幹線奈良駅誘致をみなおすこと。行き詰っている県営プール跡地へのホテル誘致や、奈良公園整備として若草山に移動施設設置は、みなおすこと。
⑥ 県民の切実な願いである、子どもの医療費助成制度の拡充、窓口負担なしとすること、介護保険の保険料、利用料の減免制度、国民健康保険料の引き下げを県として実施すること。
⑦ 景気を良くするためにも、中小企業への支援を強め、仕事おこしの観点から、住宅リフォーム助成制度を一般リフォームへも拡充すること。
⑧ 国交省がすすめている「平城宮跡朝堂院広場整備」埋立て・舗装について草原を残してほしいと反対の声が大きく広がっています。また、平城宮跡の国営公園化計画についても、広く県民の意見を聞き、見直してください。
(了)