こんにちは。奈良県議会議員団[奈良県議団]です。

[2018.3.16] -[活動日誌議会報告]

2月定例県議会 太田敦議員の一般質問

2018年2月議会

一般質問(下)

2018・3・6 太田 敦議員の質問

*議会の音声資料から作成したもので公式の会議録ではありません

日本共産党奈良県会議員団

 

 

3、子どもの医療費助成制度について

 

 太田敦議員  子どもの貧困をめぐる状況は依然深刻です。厚生労働省が昨年6月末に公表した国民生活基礎調査で子どもの貧困率(2015年)は13・9%、約7人に1人の子どもが「貧困ライン」を下回っています。一人親世帯の貧困率は50・8%と主要国では最悪の水準です。子どもの貧困が大きな社会問題となる中、全国で広がったのが「子ども食堂」です。ボランティアのスタッフが料理を作り、無料や低価格で提供し、食後に遊んだり、宿題をみてもらうなど、子どもが安心できる居場所として県内でも広がっています。私も大和高田市内で開催している「おひさん食堂」に参加し、子どもを支援する大切さを実感しています。子育て家庭の経済的負担を軽減する措置は子どもの貧困や少子化対策の重要施策となっています。医療の面でも本県をはじめとするすべての都道府県及び市区町村において、乳幼児・児童医療費助成制度が実施されています。児童期までの年代は、病気に罹りやすく、また、アトピー性皮膚炎、小児喘息など長期の療養を要する病気も増加しており、病気の早期発見と早期治療、治療の継続を確保する上で、医療費助成制度は極めて重要な役割を担っています。さらに、厚生労働省が推進する「8020」運動の達成のためには、永久歯が完成する中学校時期までの口腔管理の充実を図るためにも同制度の果たす役割は大きくなっています。このような施策を一層充実させ、子どもを安心して産み、育てることのできる社会の実現をめざすには、県による支援が不可欠です。

 国は、平成30年度から未就学児の医療費の窓口での現物給付について、国民健康保険の国庫負担金の減額調整措置をなくすことを決めました。

 奈良県でも、これに伴って、平成31年8月から未就学児を対象とした現物給付が実現することは、お母さん方からも喜ばれています。しかし、先進的な自治体では、一部負担金も廃止して窓口負担を完全無料化しているところもあり「奈良県でもぜひ」との声が寄せられています。

 また、子どもの医療費助成制度の市町村の取組では、県内の一つの自治体を除いて残り全ての市町村で所得制限が撤廃されていますが、奈良県の基準では所得制限を設けています。

 少子化の進行は、人口構造の高齢化や将来の生産年齢人口の減少にもつながり、子どもの健全な成長への影響のみならず、社会経済や社会保障のあり方にも重大な影響を及ぼすことが懸念されます。県内のほとんどの市町村で所得制限が撤廃されているのも、こうしたことが理由の一つではないでしょうか。

 

 そこで知事に伺います。

 奈良県では、平成31年8月から未就学児を対象に医療費助成の現物給付方式が導入されることとなりますが、窓口での負担を減らすために、さらに小・中学生まで対象を拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、定額一部負担金や所得制限についても廃止し、子どもの医療費の医療機関窓口での支払いを無料化すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 

 荒井正吾知事答弁  未就学児までを対象に、国保の国庫負担金の減額調整措置が廃止されます。そのことをうけまして本年度、市町村とともに導入についての検討をすすめてまいりました。その結果、平成31年8月からの未就学児を対象とした現物給付方式の導入について、助成事業の実施主体である市町村の合意形成がなされました。県としても円滑な導入に向け市町村等のシステム改修に必要な経費を補助する予算を計上させていただいているところでございます。

 また、現物給付方式を小中学生まで拡充すべきとのご意見でございます。

 今回は国保の国庫負担金の減額調整措置が廃止されることにともないまして、未就学児までを対象として見直しをおこなったところでございます。財政状況が厳しい国保の運営にとりまして国庫負担金の確保はきわめて重要であることに変わりはございません。現時点での国保の減額措置の対象となる小中学生まで現物給付方式を導入することは、本県としては想定しておりません。

 次に、定額一部負担金や所得制限も廃止すべきとのご指摘がございました。

 たとえば未就学児の場合、医療保険で2割負担となっているところを、子育て支援や経済的支援の観点からその一部を助成し、負担軽減が図られております。そうした中で定額一部負担金は最低限の負担金として制度化されているものでございます。また、これを廃止した場合に必要となる財源は現行制度の約1.5倍となる年額約18億円とふくらむものと見込まれておりますから、福祉医療制度を将来にわたり持続可能で安定的な制度とする観点からも定額一部負担金は必要と考えております。

 そして、子ども医療費助成における所得制限につきましては、児童手当と同様に夫婦と子ども2人の所帯の場合、年間所得額736万円としております。同じ、福祉医療制度のなかでも一人親家庭等医療費助成は児童扶養手当と同様の所得制限を、また心身障害者医療費助成は老齢福祉年金と同様、同程度の所得制限をもうけております。同様の所得制限をペアで並べて設けられているのが、このようなケースでございます。また、障害児福祉手当等の他の福祉サービスにおいても一定の所得制限が設けられております。

 こうした福祉医療制度の中での均衡とともに、他の福祉制度との均衡を図る観点から、子ども医療費助成における所得制限は必要と考えております。

  

4、県立高校再編問題について

 

 

 太田敦議員  最後に高校再編問題について質問します。

 県教育委員会は10月に臨時の会合を開き、県立高校の統廃合を含めた学校・学科の見直しを開始しました。2004年から2008年に県立高校を10校減らす再編成が行われて以来、約10年ぶりのものです。

パネルをご覧ください。県教育委員会は県内を3つのブロック(北部・中部西部・南部東部)に分けた地域協議会を2回(11月と1月)開催し、中学校長や保護者の意見を聴取。3月9日に基本方針を定め、パブリックコメントなど手続きを経た後、6月には編成計画をまとめる方針です。

 教育振興大綱に定められた「生徒数の減少に伴う県立高校の適正配置」「時代や社会の変化に対応した特色ある学校づくり」に基づくものと見られますが、あまりにも急速な具体化です。

 教育長は会合で「普通科から大学進学という志向が主流だったが、語学など実学を求める傾向に変わり始めている」と話し、いっそうの「専門化」「特色化」をすすめる姿勢です。しかし実学志向の背景には、高騰する大学学費の問題があります。多くの保護者は子どもたちに豊かな教育を保障したいと願っており、納得のいく進路を選択できるような高校のあり方が求められます。

 10校が削減された10年前の統廃合時は「行ける学校から行きたい学校へ」のスローガンが掲げられ、普通科の定数削減と同時に専門コースの学校が増やされました。同時に、入試制度改革も行われ、自校作問入試や面接重視入試など「特色選抜」が導入されました。しかし、学校数の削減が選択肢を奪うこととなり、「特色選抜」入試も一部の学校が高競争率となる結果を招き数年で見直しを余儀なくされました。

 2月25日、県教育委員会が新たな高校再編方針を打ち出した問題で学習シンポジウムが開かれ、私も参加しました。そこでも元教員や保護者、県立高校の卒業生から「高校の「専門化」「特色化」は多様な選択肢を示すものとはならなかった」「行ける学校の選択肢が狭くなり、多くの子どもが苦しんだ」などの意見が相次ぎました。

 これまでに県立高校の普通科は定員の70.2%に減らされており、約3割の生徒は15歳の春に専門性の選択を迫られます。時代の変化、グローバル化、IT化の中で、高等教育のねらいを「特色化」として実学教育中心に再編する動きも強まっています。本来は豊かな一般教育を保障した上に専門教育がなされるべきで、専門コース選択の若年齢化は子どもに大きな影響を与えます。今日、高校教育は後期中等教育と言われるようにほぼ全入のような実態です。また、18歳選挙権となるもとで高校教育こそ主権者教育の完成をめざすものであり、社会の一員としての豊かな人間形成を育む時です。今こそ自らの「生き方」を考える力を身につけるための「普通科」が必要であり、今以上の削減はすべきでないと考えます。

 また、現在7人に1人とされる「子どもの貧困」が大きな社会問題となる中、経済的負担が軽い公立高校の役割は極めて重要です。生徒数の減少を問題とするのなら、63%前後で推移する県立高校の収容率を70%以上に引き上げ、小中学校で実施されている35人学級を高等学校でも実施するなど、豊かな教育条件を実現することが大切です。

 そして、今回定められる計画はほとんど県民には知らされておりません。今後10年間の基本方針となるものです。拙速な具体化は避けるべきです。県立高校のあり方については県民全体の問題として考える必要があります。

 そこで教育長に質問します。

 拙速なスケジュールで進められる県立高校の新たな適正化計画は見直すべきだと考えますがいかがでしょうか。

 

 吉田教育長答弁  県立高校の適正化を見直すべきと考えるが、どうかとのお尋ねでございます。県立高等学校の今回の適正化は再編計画終了後の本県計画を検証し、課題を改善しようとすることから、教育委員会内部で平成26年度から議論をスタートをさせました。

 その課題といたしましては、1つ目に再編計画が中長期的な生徒数減少に対応できていたのかどうか、2つめには南部東部に設置している高校で定員割れが続いている事、3つめには本年度の耐震集中期間後にも補強改築公舎が残っていること、4つめにはトイレの洋式化、教室のIT化が遅れている事などがあげられます。これらの課題は喫緊の課題であり、また、それぞれを個別に解決出来る課題ではないため、県教育委員会では臨時会で適正化の推進方針を検討することといたしました。

 もちろん、これまでからも再編計画後の課題に対応してまいりました。平成27年度には県立二階堂高等学校の普通科を総合学科であるキャリアデザイン科に教育内容を大きく再編成をし、生徒全員が福祉体験をすることや、専門学校との連携によるダブルスクールを導入することなどを実施をいたしております。一人一人の生徒が自らの将来像を主体的に描き、約30名の卒業生が福祉関係にすすむなど実学教育の推進による成果が出ていると思っております。

 今回の適正化におきましては、この例のように社会と繋がる実学教育や地域と繋がる教育の推進を図りつつ、2020年から実施をされる新学習指導要領も踏まえながら、高校教育の質向上を図ってまいりたいと思っております。

 また、グローバル人材の育成をめざした新しい学校づくりをおこなうなど、高校教育の再編成を図りながら、時代の要請に応じたこれからの高校教育を創造したいとも考えております。

 今後は3月8日に開催する臨時教育会におきまして「県立高等学校適正化推進方針―高等学校教育の資質向上と再編成のために」(案)をとりまとめ、翌9日の文教くらし委員会で報告をさしていただきます。さらに、この方針案をパブリックコメントに付して県民の皆様から広くご意見をいただいたうえで、方針を確定し、6月には具体的な学校の再編等も含めた適正化の実施計画案を取りまとめてまいります。

 

 太田敦議員再質問  私は、先のシンポジウムで元中学校や高等学校の先生から、10年前の10校削減の時に、特色化で行きたい学校にいけますよと言ったけれども、選択の幅がいっきに狭くなっただけで、多くの子どもたちが苦しんだ、こういったことをどう受け止めるのか。また、ある先生からは子どもたちが本当に行きたい学校に行けたのか、このことを県としてきちんと調べてくれているのか。

 そして、卒業生からは高校にはそれぞれ伝統的な校風があり、統廃合されればそれがなくなってしまうなどの意見が寄せられました。

 県は今、基本計画をすすめておられますけれども、その論点整理のなかで触れられている部分はありますけれども、基本的には特色化や専門化、これが進められる方向にあるのではないかなと思います。

 改めて教育委員会として、こうした意見や思いを、どのように受け止めていらっしゃるのか。そして、この声をどういうふうに反映しようと思っているのか、その点についてお伺いしたいと思います。

 

 吉田教育長答弁  前回の再編計画でございますけれども、2つの学校を統合しながら、特色化をすすめていく、それから魅力と活力ある学校もすすめていく、3本の柱があったと思いますが、魅力活力という点では、今、欠けているんじゃないかという思いをもっております。

 さらに、普通科高校がいける学校から行きたい学校になっているのか。普通科高校であるがゆえに、行ける学校にしか選択できないのではないのか、そういった思いももっております。

 子どもたちの、とにかく今、大事にしなくてはならないのはAIがこれほど進展していくなかで、やはり子どもたちが何が好きなのか、何に関心があるのか、何に興味をもっているのか、そんな価値観というものを大事にしていくべきではないかと思っております。

 普通科教育が好きであるというような声は、子ども達からあまり聞いたことがありません。やはり、ある教科が好きである、文学が好き、理数科が好きである。何々に関心がある。そういった価値観というものを大事にできるように、学校を魅力化することによって、子どもたちにいろんな幅の広い選択が可能になるんじゃないかと考えております。

 

 太田敦議員  私は15歳、中学校3年生で将来を見据えた専門化や特色化というのはやはり、決めるというのは難しい部分もあるのではないかと申し上げておきたいと思います。

 もう1つ、これまで10校の高校が削減されました。廃校になってから校舎の活用が図られずに遊休施設となっている学校も存在します。高田市にある高田東高校もその1つであります。高田東高校は、これまでにも宮本県議から高等養護学校の分校として活用できないか。また私も、昨年の12月で水害が発生している地域があるから遊水地として活用できないかなどの提案をおこなってまいりました。

 もともと、地域にとって高校というのは賑わいや活力になっていた施設が廃校になって、公舎がそのままに放置されるという状態が当たり前になっているのは、決して良いとは私は思いません。

 このことから、高校の再編計画は学校関係者の問題ではなく、地域の問題でもあると思います。

 先ほども示しましたこのパネルでございますが、高校名が出されない中でのパブリックコメントということは、これは学校関係者だけではなく、地域全体、県民全体の問題であると言っても過言ではないと思います。このスケジュールはあまりにも拙速ではないかと私は考えますが、教育長のお考えを再度、伺います。

 

 吉田教育長答弁  教育の世界では「不易と流行」という言葉がございます。不易はやはり時代が変わっても大切にしなければならない、流行は時代が進展するとともに変えていかなければならないもの。現状を維持するということは、ある意味では私は後退につながるのではないかという思いをもっております。この不易と流行という部分を大事にしながら適正化を推進してまいりたいと思います。

 

 太田敦議員  まず、この高校の再編計画というのは、子どもの健全な発達、どういう成長を県として保障していくのかということが、まず大前提で議論を進めなければならないとい思っております。今回の再編計画というのは、県のすすめる合理化の中ですすめられているのではないか、こういう受け止めが少なからずありますので、その点を指摘しておきたいと思います。

 (了)