こんにちは。奈良県議会議員団[奈良県議団]です。

[2022.6.29] -[活動日誌議会報告]

6月奈良県議会 太田敦議員が代表質問

2022年6月定例奈良県議会

太田 敦議員が代表質問

 

 

県域水道一体化事業についてただした部分を全文、紹介します。

 

 県域水道一体化について

 

  太田 敦議員  次に、県域水道一体化について、知事にお伺いします。奈良県が覚書を締結して、27市町村と進めている水道事業を一つに統合して企業団を設立する県域水道一体化計画について、県内から疑問や不安の声が上がっています。また、地域によっては県域水道一体化そのものについて情報を知らない人が多くおられます。県民の意見がどう反映されるのか分からない仕組みになっており、県民的な議論も進んでいるとは言えません。

  奈良市では、「統合による料金引き下げで給水収益が大幅な減収となり、建設改良費に関係する資金残高も減る。にもかかわらず今の案は建設改良費を当初の110億円から160億円に増やす内容となっている。料金が想定を上回る可能性が高い」「建設改良費は市町村の計画をそのまま積み上げ、供給単価は下げるのに、企業団設立2年前からの赤字を企業団が引き受け、赤字解消のための市町村の一般会計からの繰り入れも求めないというのはどうか」「企業団ができた時の建設投資額は今の計画とはまた違うものになる可能性がある」との意見や疑問が上がっています。

  また、奈良市では県域水道一体化で20年間据え置かれ、今後も10年以上値上げは必要ないとの見通しである水道料金が、約3割も値上げになること、水源地や浄水場を廃止すれば、水源からの管路が長くなって、水質悪化や災害時の被害が大きくなると心配されています。

  これまで県が実現を目指す上水道の広域一体化を巡って、市長会が開かれ一体化構想に慎重な姿勢をみせる奈良市や、現計画の覚書締結に加わらなかった大和郡山市も参加し、一体化によるメリットやデメリットについて意見交換を進めていくことを確認しています。

  県が進める県域水道一体化事業について協議する「県広域水道企業団設立準備協議会」が6月6日開かれ、一体化に向けた論点について話し合うための検討部会が9日、開かれています。

  水道法では、地方自治体は、その地域の自然的、社会的諸条件に応じて、水道の計画的整備に関する施策を策定、実施することとされ、国は、地方自治体、水道事業者に必要な技術的・財政的援助を行うように努めなければならないと定めています。 

  住民の命の水を守るのは自治体の責務です。水道事業は、住民に直結して、その地域の地形や自然と調和して進められてきた、とりわけ重要な自治の仕事です。

  そこで、知事にお伺いします。 

  県域水道一体化について、奈良市が参加に慎重な姿勢を示しているとのことですが、奈良市が不参加になった場合も想定して県域水道一体化の議論を進めていくことが必要と考えますがいかがでしょうか。 

  また、県は、「奈良県広域水道企業団設立準備協議会」の中に新たな検討部会を設置して、企業団設立後の意思決定プロセス等について議論を進めようとされています。これについては、奈良市をはじめ、県域水道一体化に参加する市町村がまだ確定していない中で、議論を始めるのは時期尚早ではないか、参加に慎重な市町村の意見が置き去りにされるのではないかと危惧しているところです。

  企業団設立後における経営方針の意思決定プロセス等について議論を進める新たな検討部会を、奈良県広域水道企業団設立準備協議会の中に設置されるとのことですが、その目的についてお聞かせください。

 

 

  荒井正吾知事答弁  県では、人口減少等にともなう水需要の減少や施設老朽化などの課題を解決して基盤強化を図るため、県域水道一体化にむけ、令和3年8月に設置されました事業団設立準備協議会の場で関係市町村と鋭意、検討協議をすすめています。将来の水需要減少や施設老朽化の進行などの課題は奈良市をふくむ全市町村にとって同様の課題でございます。

  先日、植村議員にもお答え申し上げましたが、まず奈良市水道の将来は奈良市及び奈良市議会で熟議の上、自己責任で判断をもらう必要があろうと考えております。一方、奈良県域水道の将来については協議会で議論し、協議会で判断することが必要だと考えております。

  6月6日には奈良市が一体化参加の判断をされる一助となるよう、奈良市提示の論点を議論する検討部会の設置が了承されております。この部会には奈良市長にもはいっていただいていますので、首長レベルで議論していただくことを期待しております。

  県域水道一体化は老朽化が著しい奈良県域の水道施設を国や県の補助金を大量に導入して県団体ですすめるのか、それとも各市町村がそれぞれの水道料金と財源ですすめるのかという選択の問題でございます。本年度は関係団体の長による基本協定の締結をめざしています。それに向け、奈良県域水道の将来についてはしっかりと協議会で議論を深めてまいる所存でございます。

  奈良市では奈良市水道の将来について熟議され、協議会での議論と合わせて、一体化参加についての賢明な判断を自らおこなっていただくことを願っております。 

  県域水道の中での新しい部会の設置についてのご質問でございます。議員、お尋ねの検討部会については去る6月6日に開催された第3回協議会で設置が了承されたものでございます。この部会は県域水道一体化後の企業団における経営方針の意思決定プロセスや一体化後の企業団の運営に関して議論が必要と思われる重要事項について協議会を構成する首長レベルで議論を深めていただくことを目的としております。本年度は関係団体による本基本協定の締結にあわせて、一体化後の基本方針を取りまとめた基本計画の策定をめざしております。この基本計画案を11月めどに策定する予定でございますが、経営方針の意思決定プロセス等についても、基本計画案に反映できるよう議論をすすめる必要があることから、集中的に議論をおこなっていただきたいと考えております。

  部会員の選任等については現在調整中でございますが、早期に立ち上げができるよう準備をすすめております。

 

  太田 敦議員  広域化がスムーズに、一致してすすんでいかない1つの理由として、水道の総合計画が市町村が守ってきたさまざまな資源や資産、そういったことではなく、県水をどれだけ効果的に使ってもらうかということが優先されているのではないか。自治体独自の自治というよりも、県の都合で県水をどれだけ打っていくのか、こういう側面も否定できないと思います。

  計画では現在ある浄水場のうち9箇所を段階的に廃止する。それで廃止する浄水場では調整池や排水池、長水管なども廃止するということでございます。

  例えば葛城市などでは広域水道企業団に参加した場合、自己水浄水場は廃止されるため、廃止後は100%、広域水道企業団の水道水を利用することになると、そうなると水道料金も高い水道料金に統一されることになる、こういったお話などもお聞きをしております。人々が安心して安全な水を安定的に使用することはまさに人権でございます。衛生的な生活を営む権利でございます。地域の住民も参加をして自然や社会的な条件にふさわしい方向へとすすむよう、私達も取り組んでいきたいと思っておりますが、これは意見を述べておきたいと思います。

 

(了)