こんにちは。奈良県議会議員団[奈良県議団]です。

[2010.10.25] -[活動日誌議会報告]

【予算委】見通しのない学研高山第2工区開発は中止するべきです

 9月29日におこなわれた9月定例県議会予算審査特別委員会で中野あけみ議員は、日本共産党県議団のかねてからの主張でもあり、多くの生駒市民も新たな負担と開発推進を望んでいない学研高山第2工区開発について、奈良県としてのまちづくりの考え方を示していることに関して、質問し、改めて「こういう経済情勢の中、慎重に対応していただきたいし、私としては見通しのない開発はやはり、やめていただきたい」ときっぱり、知事に迫りました。

 同委員会での中野議員と荒井知事とのやりとりは要旨、次のとおりです。

 

10年9月議会
予算審査特別委員会(総括)

10・9・29 今井光子議員、中野あけみ議員の質問

 


   今の経済情勢、生駒市民の願いを充分に汲み取り、行
  き詰まり、見通しのない学研高山第2工区開発計画は
やめるよう強く、求める

 

 中野あけみ議員  知事さんを見ておりますと、奈良県を何とかしないといけないと思って、いろいろ考えて、先へ先へと構想を出されており、その構想が良いか悪いかは別として、一生懸命に熱心に取り組んでいらっしゃるなということは、いつも、見ていてすごく感じているところです。これは、私の思いです。
 そこで、学研にかかわってお聞きをしますが、県立大学を高山地区に移してと、また最近は、「東アジア大学構想」なるものをだされました。私も、東アジア大学構想ということを聞きまして、「突然、何!」というように思ったわけです。
 県立大学を移すということでは、長年、あの地域で船橋商店街の方や地域の人たちが若い人たちといっしょになってやってこられたといういきさつもあると思います。それで、そこだけのことではないのですが、船橋の県立大学が移るということも具体的にということにはまだまだなっていないのですが、移す先はスポットをあびますし、移した跡の地域のことは忘れ去られていくということもあると思いますので、やはり、どのように対応して、その地域も地域おこしをやっていくか、そこに住んで商売をされている方々も思いも充分に聞いてやっていくということも、ここだけに限らず、どこでもそうですが、そうしたことが必要ではないのかなと思いますので、お考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
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 「東アジア大学構想」の提案を見ますと、東アジア大学の構想をすすめ、あの地域で当該事業におけるコーディネーターの役割を果たし、事業に供する国際交流施設などの管理運営をおこなうことが生駒市高山の地を中心に展開できると。今後、奈良県が東アジア共同体における日本のゲートウエイになることも可能であるというようなことが書かれておりますが、ポスト1300年以降の構想のなかには、あちらこちらで奈良公園のゲートウエイとか何とかのゲートウエイとか、ゲートウエイと言う言葉がたくさん出てきます。冗談ではないのですが、いったいどこが本当のゲートウエイなの?と思ったりもしますが、そこのあたりのお考えをお聞かせいただけたらなと思います。
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 もう1点は、具体的な高山地区の学研開発で当初、住宅開発だけなら、なにも県がでていく必要はないのだということも、かねてからおっしゃっていたと思います。それで今回、改めて県の提案というのがだされたわけですが、結局のところ、住宅開発だけになるのではないのかなと思っております。
 当初から、県と生駒市とUR、この3者の合意ができなければ次のステップには進むことができないということをおっしゃっていましたが、確認したところ、そのとおりだということでした。
 実際には、これから話をされていくということでありますが、もし、(3者の)合意ができないとなれば、県はどういう選択肢をとっていかれるのか。(ここは、)きっぱりと手を引かれるのかとの思いをもっています。
 他府県と比べて、この奈良県は大きな失敗をしていないと評されているというのは、私はやはり、今のところ見通しがない、この学研高山第2工区開発に県として、まだ具体的に足を踏み出していないというところが、奈良県の良かったところだと思っております。
 これらも含めて、知事さんの今のお考えなりをお聞かせいただけたらと思います。

 

 荒井正吾知事答弁  いろいろやっていることが、良いか悪いかは別だがとおっしゃっていただいて、良いのも多少あるというニュアンスもあるのか、悪いところばかりなのか分かりませんが、奈良を良くしたいという動機にもとづいていると、それ以外の動機はないつもりでやっておりますが、智恵が不足したり、動きが悪かったりということはあろうかと思います。それは、よってたかって批評をしていただくことによって回復することができますが、動機が悪いのが一番、たちが悪いと自分では思っておりますので、その点は神聖な気持ちで取り掛かっております。
 とにかく、奈良がよくなれば評判はどうでも良いと、そんなぐらいには思っております。
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 高山第2工区の経緯について簡単に振り返ってみますと、高山第2工区は住宅開発をURがやるということで、県はお願いしますというだけの立場であったかと思います。それが、生駒市長がもう住宅開発ばかりの時代ではないとおっしゃったのが、ある程度、1つの見識かと思ってみておりました。

 ただ、高山第2工区の6割を斑(まだら)にURが買っており、自然が劣化するというのが眼に見えており、どうするのか。生駒市が何とかされるのか、URがする権能がなくなるのでほったらかしになるのではないかという心配をしておりました。

 先端大学の入学式にいったときに生駒市長が横におられて、「ここの場所はとても良い場所だ、高山工区は学研都市の真ん中にある、それを、研究都市の中心地として活用する手はないのか」と(言われて)、その場で思いついて、「大学をもってくるということで開発計画を見直すというアイデアは市長は乗る気がありますか」と問いますと、私は拒否されると思いましたが、生駒市長は「それならいいですよ」とおっしゃったのが発端だった。それまで誰とも相談しないで、先端大学の入学式のお昼弁当を食べる段階でそう言ったわけですが、これが1つの光明となり、うまくいけば良いきっかけになったと思います。学研都市の中の大学というのがスタートの動機であり、今も必要条件だと思っております。
 その課程でURは住宅開発できなくなりました。そうすると、土地区画整理事業で県は相当のリスクを負わなければならない。しかし、大学ができて学研都市の中での奈良県の貢献というのは平城宮跡の文化施設だというは、いかにも寂しいわけでございますが、それでもそのような貢献ができれば、奈良県も京都府、大阪府とともに胸をはれる立場になるのかなという気持ちもあり、プラットフォームとか交流の場になるような「学び舎」というのが基本でございます。
 正直にいって、住宅ができようとできまいと、奈良県としては住宅開発に責任はないわけでございますので、そのことができれば、県の申し越しが成就したと今でも思っております。
 ただ、一体的に開発しないと成り立たないというので、やむを得ず住宅もつくらなくてはならない、土地区画整理事業になるのだろうと思っております。


 県は、そこまで乗り出したわけでございますが、URは非常に犠牲を払ってでも一緒にやりましょうということで、生駒市は、まだわかりません。やはりURと生駒市が積極性がでないとこれはなりたたないと思います。
 合意できなければどうするのかとの単刀直入なご質問でございましたが、合意できなければあきらめるしかないかなというふうに思っています。次の手は、今のところございません。ここまで、おせっかいかもしれませんが、今のような動機で持ち越してきて、相当のリスクを負うというところまでいった。自分でお人好しとまでは言いませんが、おせっかいだったかもしれませんが、それでも出るに及ばずということであれば、地元市が積極性がなければ難しかろうというのが心境でございます。
 これは心境だということだけであり、態度をきめたわけでもございません。
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 東アジア大学は突如、なぜでてきたのかというのは、実は大学構想については、遷都1300年祭のことで官邸に呼ばれたときに、静岡県知事が『これから「東アジア共同体」というものを指向するなら、ヨーロッパ共同体ができたときはヨーロッパ大学ができた、東アジア共同体を指向するのであれば東アジア大学のようなものをつくったらどうか』と、『奈良県ではどうか』と水を向けられたのに、実は学研地区に大学の構想があって、それは東アジア大学と呼んでいただくにふさわしいものだと。その時点で、もうソーシャル大学というものが構想の中にありましたので、なおつけるのは東アジア大学はふさわしいとその場で、発言したのですが、そのとき官房副長官がたいへん良い構想だということで励まされたものですから、多少、頭に乗ってということになるかもしれませんが、東アジア大学構想を奈良県が提唱して、そのことに力を入れると奈良の値打ちがあがるのではないかと思って、取り掛かったものでございます。
 高山第2工区でできれば、それに越したことはないわけでございます。

 ハードというよりも仕組みということであり、それはまだ、高山第2工区でなくても「東アジアの大学構想」にむけていろいろなことに貢献することは可能であろうかと思いますし、文部科学省もこのことは大変、評価をしてくれておりますので、奈良県の貢献の1つのパターンではないかと思っております。
 なお、船橋地域が困るではないかということですが、もとは奈良高校が近くにあったことで、通学路などで栄えたところであり、奈良高校は移転して、残ったのが県立奈良大学で、”お前まで行くのか”と思っておられるかもしれませんが、船橋商店街の振興というものは別途、大宮通りも整備されてくるなかで考えていきたいと思います。県立大学の、あればあった、なければなかったで、考えていかなければいけないと思います。
 

 中野あけみ議員  高山の学研開発については、今の経済情勢でも、生駒市民の皆さんの思いもいろいろあろうかと思います。

 こうしたなかで、あの地域でURが買った土地は、高山の住民の方が畑をしたりして使ってもらってもいいですよとされていた所です。ところが、ある日、金網をはって、囲ってしまって中に入れなくなって、草ボウボウで、不法投棄とかが見られ、地域の住民の皆さんの「それを何とか解決してほしい」という声もあります。それはその問題として、地元の生駒市、URも含めて考えていかないといけない問題です。
 開発ということでは、今、県が提案された文書をみても、まだまだ、土地の公示価格は下落しておりますし、リスク負担もあるのかなと思いますので、やはり、私としては見通しのない開発はやめるべきだと、常々、知事さんにも言っておりますので、このことはよくご存知だと思いますが、そのことを言っておきたいと思います。
 「東アジア大学構想」ということで留学生を呼び、コーディネートしてなどという話がありますが、近くの同志社大学や立命館大学とかでもそれぞれのところで留学生をまねき、交流して、宿泊施設ももってというふうにやっておられます。この高山の学研のところで具体的にやっていけるのかなと考えたとき、やはり、ちょっと無理があるのではないかとの思いをもっております。
 東アジアのことで官邸に呼ばれて、「ぜひ」と言われたと言われましたが、具体的なことについては国においてやっていただいたら(いいものだ)とも思いますので、奈良県として考えた場合、構想として提案をされたときに、提案したこちらの側が、どうなるのかという思いもあるということもありますので、1つ1つ、知事さんの何とかしないといけないという思いと県民の思いをしっかりマッチさせて、良い方向にすすめていっていただきたいなと思っています。
 高山の学研開発については、こういう経済情勢の中、慎重に対応していただきたいし、私としては見通しのない開発はやはり、やめていただきたいという思いをもっているということを申し上げておきたいと思います。
 

 荒井正吾知事  ご意見ということで、答弁をすることはないのですが、やめる場合は、中野議員が言われたからとか共産党が言われたからやめたというふうには私は思いませんので、条件が整わなかったからとか智恵がでなかったから(やめる)とかであって、やめるときは自発的に自己責任でやめるということであり、言われたからやめるというわけにはいかないということだけは言わせていただきたいと思います。

(了)