日本共産党 奈良県会議員団
このページは旧ホームページです。 最新の情報は新しい日本共産党奈良県議会議員団ホームページをご覧ください。
代表質問・中野あけみ
2007/12/06

安心して出産できる奈良県を!周産期医療体制の整備について

中野あけみ議員 
 奈良県では、周産期医療体制の不備や、お産する施設が7割の自治体でないなど、周産期医療や産科医療で医療崩壊が進んでいます。また、深刻な医師、看護師不足が背景にあります。
 昨年に続いて今年8月にも、救急受け入れ困難のため、大阪に救急搬送中に妊婦さんが死産されるという悲しい事態が起こりました。
 また、南和地域には産科医は1名で、多くの妊婦さんが和歌山県で診察や出産をしています。こうした事態を生み出した奈良県の周産期医療の崩壊は、主として奈良県政の責任でもあります。
子ども子育て応援プランで、厚労省は、総合周産期母子医療センターを平成19年までに設置するよう指導していますが、奈良県にはありません。センターのない県は、4県のみで、1日も早くこれらの整備が、望まれています。
 県は、平成18年3月に発表された奈良県周産期医療対策ワーキンググループによる「奈良県の周産期医療充実に向けての提言」を基本に、周産期医療体制整備を進めてこられました。
 「提言」では、県立医科大学付属病院に総合周産期母子医療センターを、県立奈良病院に地域周産期医療センターが提案されています。また、NICUは43床・後方病床は76床、母体のMFICUは9床・後方病床は18床が必要だと「提言」されています。ところが、現状では県全体でNICUは40床で3床不足。後方病床は0床で76床不足としています。県は、県立医科大学付属病院にNICUが21床あるとしていますが、実質12床で残りは後方病床として使われています。そのため06年度も、ハイリスク妊婦の25%が県外へ搬送されています。総合周産期母子医療センターの設置と「提言」の数値目標にもとづく増床は待ったなしの課題です。
 9月議会でのわが党の代表質問に対し、知事は、本格的な総合母子周産期医療センターは、今年度中に基本構想を策定するとしながらも設置場所は、民間病院、県立病院を含めて検討すると答えています。今年度策定が進められている周産期医療体制整備基本構想は、奈良県周産期医療対策ワーキンググループの「提言」に基づいて、病床数など数値目標も含めてどのように進められているのか、現在までの検討状況について伺います。
 「提言」では、搬送システムについて、周産期医療の重要な役割としてドクターカーの整備は重要である。ハイリスク新生児やハイリスク妊婦の搬送に対応できるシステムを構築する必要があるとしています。
 わが党の6月議会代表質問に対して、知事はドクターカーについて「その整備を検討する必要がある」と答弁されていますが、その後、どのように検討されてきたのかお聞きします。
 また、妊婦健康診査を未受診のままで周産期を迎えることは、妊婦自身にも、生まれてくる子どもにもリスクが高く、異常分娩が約70%あったことや受診妊婦よりも未熟児の出生割合が高いことなどが明らかになっています。
 県は受診したことのない妊婦の対策として、妊娠判定について、非課税世帯を対象に公費補助を行うことが必要として来年度からの実施を検討されています。しかし、それと同時にその後の妊婦健康診査にどうつなげていくのかこの事が大事ではないでしょうか。厚生労働省は通達で、妊婦健康診査の回数について14回の健診の公的負担が望ましいとした上で、財政厳しい折、この公費負担が困難な場合、5回程度の公費負担を実施することが原則と考えられるとして、今年度から、妊婦健診の充実のため5回受診できる地方交付税措置をしています。しかし奈良県は平均1.72回、全国45位という状況です。新日本婦人の会奈良県本部が行ったアンケート調査でも、妊婦健診費用は平均10万円となっており、経済的負担が重いという答えが返ってきています。中には、第2・3子では毎月健診に行かないなど、公的援助を望む声が圧倒的に寄せられています。
 知事はこの妊婦健康診査への公費助成の状況が、他府県に比べかなり低位にあることについてどのようにとらえているのか伺います。また、厚生労働省は、14回の公費負担が望ましいとしていますが、県独自の市町村への助成制度を創設するなどして、市町村が改善できるよう取組むべきと考えますが、所見を伺いします。

荒井正吾知事答弁 
 周産期医療体制の基本構想についてのご質問でございます。基本構想は本県の周産期医療体制の自立を図るため、総合周産期母子医療センターの整備を含め、周産期医療実施病院間の連携など幅広く検討することとしております。
 検討にあたっては周産期医療関係者の意見を聞く必要があることなどから、すでに2回、関係の会議を開催しております。議員がご指摘になりましたワーキンググループでございますが、平成18年3月に提言をいただいております。NICU新生児集中治療管理室、MFICUの病床数についても提言に含まれております。これらの提言につきましては、その後の産婦人科医療の状況の変化や先の妊婦搬送事案調査委員会において、県内のNICUの病床数を単純に人口比で比較すれば近隣府県とそん色ないが、後方病床がないためNICUが満床になることが多いという実態上の指摘があり、改めて県としての具体的な整備の方針を、この基本方針の検討のなかで議論しているところでございます。
 検討会議では、総合周産期母子医療センターに必要な機能や周産期医療実施病院間の役割分担についても意見をいただいているところであり、引き続き検討をすすめ、今年度中に基本構想を策定し、周産期医療体制の整備充実を図っていきたいと思います。
 ドクターカーの整備のその後の状況についてご質問がございました。周産期医療における新生児搬送用のドクターカーの有効性については認識しております。その運用のためには、医師やスタッフが必要になりますが、その医師の確保が基本的な課題でございます。なかなか医師が確保できない状況にある実情でございます。
 平成20年5月の総合周産期母子医療センターの稼動にあわせまして、設置予定の周産期医療協議会で周産期医療体制を検討協議することをしておりますが、そのなかで、ドクターカーを含めた搬送体制全般についても検討をしていきたいと考えております。
 妊婦健康診査の公費助成の状況についてのご質問がございました。県内の妊婦健診については市町村が公費負担をおこなっておりますが、県内の平均回数は1.7回で、全国平均2.8回と比べて低い状況にございます。今年度から妊婦健診の実施のための地方交付税拡充措置がなされておりまして、市町村においてもよりいっそうの公費負担の回数増にむけてとりくまれるよう、回数増の要請をおこなってまいりました。
 36市町村のうち30市町村が来年度にむけ、回数増を検討されているところでございます。公費負担のなかで県の単独負担への言及がございましたが、まず、回数増の実績をあげることが必要だと考えております。これとは別に新年度予算にむけまして、これまで自己負担でございました初回の妊娠判定の受診料を公費負担とすることや、思春期保健対策の充実等も検討しております。各種方法を利用した受診奨励とともに、未受診妊婦の解消のための工法も含めた総合的な対策に取り組んでいきたいと考えております。

中野あけみ議員再質問 
 周産期の医療体制整備につきましては、ワーキンググループが具体的な数値をだしており、先ほども後方病床が必要というようなことをおっしゃっていたわけですけれども、奈良県妊婦救急搬送の調査委員会の報告の資料を見ますと、平成21年で全県のNICU40床で後方病床が16床、母体はMFICUは6床で後方病床は12床ということになっております。実際に後方病床が大幅に足りないということになっております。
 これでは、今のままの状態が続くのではないかと思いますし、やはり、基本整備構想のなかで具体的な数値目標をかかげて、それをどう実現させていくのかという姿勢が大事だと思いますので、ここのところもう一度、聞かせていただきたいと思います。
 ドクターカーについては、滋賀県の大津の日赤病院に総合周産期医療センターの視察にいってまいりました。新生児と母体搬送かでき、車の振動が新生児に与える影響が大きいということで、振動を与えないように工夫されておりまして、3000万円くらいでできるとおっしゃっておりました。出動要請から30分以内で処置にあたれるようにしていると報告をされていました。今度の調査報告書を見ますと、ドクターヘリについては搬送体制の充実ということで書かれておりましたけれども、ドクターカーについてはまったく触れられていないわけです。知事としてもドクターカーは大事だとお述べになりましたけれども、大事だというのならば、ここのところにきっちりと位置づけるということが大事ではないかと思います。もう一度お答えいただきたいと思います。
妊婦健診のことですが、秋田県が10回ということで、お聞きをいたしますと、少子化がすすみ、何とかしないといけないということで、県議会に少子化対策の特別委員会を立ち上げ、そこで議論を積み重ね、平成13年に報告をまとめて、妊婦の健診の無料化がされたと、これをうけて県の責任で最低でも7回受けられるそういう財政措置をとり実施、そういうなかで県内の2市が上乗せをして、厚生労働省が行っているように、13回なり14回の妊婦の健診無料化が実現をしたということです。
 そういうことを考えますと秋田県は、一人の女性が一生の間に子どもを産む合計特殊出生率、奈良県は43位ですが、秋田県は23位にまであがってきている。県の姿勢が数字の差に表れているのではないかと思いますので、この点、お聞かせください。
医師確保では、国でも奈良県のことについて責任を感じているというふうに、日本共産党の国会議員の質問にたいして、答えておりますから医大の増員5名とおっしゃっても、実際に一人前になるまでに8年かかる。今の時期をどうするかということが大事でありますので、国にも要請をしながら、積極的な対応をすすめていくことが必要ではなかろうかと思います。

荒井正吾知事答弁 
 今度の調査でよくわかりましたが、後方病床にいくべき新生児の方が、いろいろな障害とかの事情で、NICUに滞留というか留まっておられる事情があります。占有されているということです。これは他の地域でもたくさん、あるようでございます。先日、厚生労働大臣と会いましたが、各知事が同じようなことをおっしゃっていました。
 埼玉県の知事は最大500日以上、NICUに留まっておられる新生児がおられると、後方病床で、障害をもたれたかたをさらに福祉の療養病床を準備するという一連のシステムが必要だということがよくわかってまいりました。NICUだけではなしに、NICUが後方病床がわりに使われるということが、より大きな問題だということがわかってまいりました。
 県立奈良などに後方病床の整備についての予算をお願いしたり、後方病床の整備については早急な整備をすすめていきたいと考えております。
 ドクターカーにつきましては、調査報告書に書いてないということですが、この前の報告書は広域搬送の課題をとらえてヘリコプターということをとりあげた経緯がございます。その事案についての調査報告書でございますので、全体の報告書ではございません。ドクターカーにつきましては、車の整備よりも医者がおられないと、とにかく夜中、どこにも診察していただく医者がいないという日が奈良では何日かあるという実情でございますので、ドクターカーにまわるまでもなく、診察してくれる医院がないということはより深刻な現状であろうかと思います。
 秋田県の妊婦健診が10回とたいへん、立派なことだと思います。少子化対策の一環ということでございます。奈良の少子化対策も、この前、上川大臣とお会いしたとき奈良の少子化対策ぜひやってくださいということで、出生率が低いということで。10回にすれば子どもが増えるということではないかもしれませんが、いろいろな努力を重ねないといけないと。ならの出産適齢期の方が就職がないという事情があるのか、外へ言っておられるという事情もございます。お子さんが作られたらならは育てやすいので、奈良にもどってこられるという事情も多少わかっております。奈良の事情に適した少子化対策をしていきたいと思いますし、同時に未受診妊婦の解消というのも大きな課題だと思っております。
 医師増員についての国との責任分担は重要なことですが、やはり医者が流動化して、厳しい職域であります産婦人科をさけて、他へいかれる、あるいは開業にまわられるというのは全国的な傾向で、奈良の医者は頑張っていただいて、少ない72人というなかでよく頑張っていただいているという印象をうけております。そのような限られた医療資源をどれだけ、いいシステムにするかということは県の大きな責任があろうかと思っております。