日本共産党 奈良県会議員団
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過疎地水資源等対策特別委員会(今井光子)
2008/06/25

土砂災害について

今井光子議員
岩手宮城内陸地震がおきました。今回、土砂崩れによって多くの犠牲者がでまして、道路が寸断され、複数の孤立集落が生まれております。
関西学院大学の災害復興制度研究所の室先所長は地震対策イコール耐震補強と思われがちだが、土砂災害への対応を忘れてはならないといわれております。さらに林業の衰退を原因にあげて、産業として成り立ちにくくなっているうえ、過疎化で林業従事者が減り、山のメンテナンスが行き届いていない、林業は最大の治山事業だと、新聞で語っておられました。この土砂災害に関連しまして3点ほど、お伺いをしたいと思います。

列状間伐は災害につながらないのか


1つは、和歌山県側の国有林が虎刈りのように一列に伐採されているという話を聞きました。現在、吉野では良い木を育てるために、間の木を間伐という方法で間引きをしながら育てているということですが、こうしたやり方が山の崩落の原因につながらないかと、大変心配しております。
また経費を安く切り出すことできますので、これらが市場コストの引き下げにもつながっていくというようなことを聞きました。こうしたやり方に問題はないのか、この点をお聞きします。
住友重美農林部次長答弁
虎刈り状態の間伐は列状間伐ということで、林野庁が推薦している間伐の方法でございますが、木が育つことを目的にして、林の内に光りを入れて、下層植生をはやして崩壊を防ぐというものでございます。奈良県では、こういう列状間伐はやっておりませんが、最近普及を全国でしている状況がございます。
伐採のコストや搬出コストを下げる手法として普及をしかけているところでございます。ただ、列状間伐により災害が発生したという事例は聞いてはおりません。災害との関連はないものと思っております。
和歌山県の国有林が奈良県に出材をして奈良県の価格をさげているのではないかというお尋ねでございましたが、奈良県は優良材を主体に生産をしてまいりました。県内の木材価格は大変、低迷をしているところでございますが、全国のなかではやや上位にあるところでございます。
今回、国有林からの出材が吉野材に与える影響は比較的少ないのではないかと考えておるところでございます。ただ、奈良県も一般材を出荷していきたいということから、生産コストあるいはロットの面で遅れをとっているということで、県では間伐材の搬出促進策として作業路の開設でありますとか、出材助成の支援をしているところでございます。


吉野郡内での地すべりや山腹崩壊など土砂災害危険箇所への対策


次に、この間に地すべりとか昨年は169号の山の崩落がございました。今年の4月18日には川上村の大滝ダムの上流、たきぎという地域の崩落があり、取り付け道路の一部が埋まりました。私は、いずれも崩れた直後に現場にいってみてまいりました。事故のあとで、危険箇所を総点検するということで、前に質問したときには言っておりましたが、その後の復旧や点検はどのような状況になっているのか、その点をお尋ねします。
藤川博司道路管理課長答弁
昨年、発生しました国道169号線の上北山村西原の道路災害をうけまして、県下全線におきまして平成8年度に実施しました道路防災総点検がございますが、この見直しをおこないました。この調査により、431箇所の詳細調査が必要だというような箇所を把握いたしまして、これを19年度に詳細調査をおこないました。その結果、防災対策が必要な要対策箇所が平成8年度調査時点では1509箇所でございましたが、約200箇所増えまして、1705箇所となったところでございます。
今後はこの結果を踏まえまして、要対策箇所の危険度、対策工事の優先度を勘案いたしまして、のり面対策、落石対策を計画的にすすめていくというふうに予定をしてございます。
また、前年にございました国道168号の宇井の地すべり災害、これを契機に南部山間地域の国道168号、169号、309号、425号におきまして航空機によりますレーザーをつかいました詳細な地形測量をおこなったところでございます。この地形図を活用いたしまして沿道の地すべり箇所の抽出、防災対策の検討を引き続き実施していくということにしております。
なお、一番後になりましたが上北山村西原の道路災害につきましては、昨年1月30日に発生をいたしまして、その後、169号防災検討委員会という大学の先生や、土木研究所の先生などによります委員会で検討をしていただき、ボーリング調査、復旧工事を実施いたしました。昨年10月18日に工事が完了しております。全面通行は9月28日から実施して、完全に終わりましたのは10月18日でございます。


詳細な土砂災害マップを公開し、県民ととともにとりくむ災害対策推進を


3点目は、和歌山県では、県のホームページに土砂災害マップというものがございます。和歌山県の県土整備部、河川、下水道局、砂防課が所管をいたしまして、土石流や地すべり、がけ崩れなどの土砂災害危険箇所、林野庁が定めております山地災害の危険箇所、法定指定区域の状況というようなものが、グーグルの航空写真の上に公開をされており、クリックをいたしますとその地域が拡大をされ、どの地域が危険地域だということが一目で分かるような仕組みになっております。
このようにされました目的は土砂災害から県民の財産、命を守るために日ごろの備えと早めの避難ができるように、土砂災害の情報を知らせることで、安心安全の県土づくりに役立てようということでございます。
奈良県でもぜひ、情報をこうした形で公開していただいて、一目でわかるようなマップをつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
仲谷邦博土木部次長答弁
ホームページでも閲覧できます分かり易い土砂災害マップの作成についてでございますが、土砂災害の危険性のあります場所につきましては、平成16年度に会議ベースですべての箇所につきまして図面を作成して県庁の砂防課、あるいは出先の土木事務所で閲覧が可能でございます。
現在、このデータをもとにホームページでも閲覧可能なデータの整理につとめているところであり、早期完成にむけて努力してまいりたいと考えております。


今井光子議員
国有林の事業が2006年5月の行革推進法で解体分割独立行政法人化の方向が決められております。今年の3月には緑化資源機構が廃止されました。国有林の快活関連法が来年、国会に提案をされ、2010年の4月から新体制に移行されようということで、今年から来年にむけて大変、重要な時期を、林の関係では迎えているのではないかと思っております。奈良県は国有林が森林の5%程度と聞いておりますが、国の施策がどのようになるかは、奈良県にも大きな影響を与えていくものだと思っております。
経済性を優先して、これまでやってこなかったような手法を用いるということは、私は大変、危険性をともなうことではないかと感じております。7割が森林で占めているというのが奈良県でございますので、国土を守るという点からも、やはりよく見きわめていただいて、県として国に対して言うべきことはきちっと言っていただきたいと思います。この点、もう一度、ご回答をいただきたいと思います。
地すべりの関係では危険箇所が200箇所ほどふえたということで、うかがいました。全部の対策をするのは途方も無いような時間とお金がかかるように思いますが、私が最初に言いました「林業が最大の治山事業だ」ということで言われております。私も専門家でないのでよく分かりませんが、植林をする場合、挿し木をすると元の根がないために20メートル程度の木でも2メートル分くらいしか根がはっていないというようなことが、調べたら載っておりました。山の表面だけが、それによって倒れてしまうというようなことで、本当に山を守るには種から木を育てていくというのが山の保水力にもつながり、しっかりするというようなことが示されておりました。そういうことから考えましても危険箇所には、急傾斜やがけ崩れがおこりやすい場所にはそうした挿し木の植林はしないとか、植えるなら種からという土砂崩れ防止研究所というところが示しております。そうしたことも含めた災害対策も考えていただきたいと思います。
防災対策のホームページは今、準備をしていただいているということですので、ぜひ、よろしくお願いをしたいと思います。
住友重美農林部次長答弁
国有林の再編の計画があるなかで伐採計画がすすめられているのではないかというお話でございます。奈良県では森林面積の5%、1万3000fが国有林でございます。そのほとんどが戦後、植えられた、また間伐を対象とする保育林郡ですので、大きな伐採計画は聞いておりません。
今後、大きく伐採をするという計画が県に情報が入りましたら、市町村もまじえて、協議をしてまいりたいと思っております。
苗木の話でございますが、奈良県の場合は吉野林業を主体に実生苗で植林をしております。挿し木苗はあまりございません。そういう意味では強いのではないかなと思います。すぎ檜をきった後、広葉樹と混植するとか、根の深い樹木を植えるとかということも踏まえて災害の防止をふまえた植林の指導をしてまいりたいと思っております。