日本共産党 奈良県会議員団
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中野あけみの一般質問
2008/07/07

安心してお産ができる奈良県となるために

若い女性医師が働きやすい職場環境を充実するために

 奈良県をとりまく医療状況は、医師・看護師不足の点からも大変であり、医師不足は、なんといっても絶対数の不足であります。これまで国は「医者が増えると医療費がふえる」という考え方で、医学部の定員を削減するなど、長年医師養成を抑制してきました。医療施設で働く医師数は、0ECD加盟国30ヶ国中27位という低水準になっています。また病院で働く勤務医に過酷な労働環境をもたらし、過密労働に耐えかねた医師の退職が、さらなる医師不足を招くという悪循環を拡大しています。
 奈良県の状況をみると、医師不足のトップが産科、次に小児科、麻酔科となっています。常勤の麻酔科医が確保できないので、緊急時に支障が出ている病院もあると聞いています。
 このような医師不足への対応として、若い医師、特に将来をになう女性医師となる医学生は三割を占めており、年々女性医師も増えてきている状況を考えると、女性にとって魅力ある職場・環境づくりが大事であります。そのためにも、出産や子育てなど家庭生活と両立できる働く環境整備や職場復帰のサポート体制などの対応が必要と考えられますが、この点どうかお聞きします。
 また、医療事故をめぐっては、この間、医師や病院を相手どった訴訟が急増し、それが、勤務医のストレス増大、リタイア促進の要因となっていることも見逃せません。特にリスクが高い産科の被害者救済の公的基金の無過失補償制度の創設なども必要であると考えます。この問題は、国において検討中と聞いています。県としても国の動向を注視しておいて頂きたいと思います。
竹村潔健康安全局長答弁
 全医師数に占める女性の割合は年々増加しておりまして、特に30歳未満の若手の医師に占める女性の割合は、産婦人科で7割強、小児科で約5割となっております。医師の養成には10年近くかかるなかで、女性医師は生涯を通じて働くことができる環境整備をすることは即効性のある対策として重要なテーマであります。
 県立医科大学付属病院におきましては、女性医師再教育研修をうけいれるなど、一部の取り組みは始まっておりますが、女性が働きやすい多様な勤務形態の導入など具体的な対応策については積極的に検討してすすめてまいりたいと考えております。


看護師確保のために

 看護師についてですが、医大での総合周産期母子医療センターでは、看護師不足のためNICU後方ベッドが10床しかオープンできませんでした。特にセンターでは、高度な医療技術が必要であり、看護師を育てるのに2〜3年はかかると言われています。
 奈良県の第6次看護職員需給見通しによると、昨年は954人不足しています。これに対して看護師学校卒業生は555人、県内就業者数は、57.7%で、仮に100%県内で就業したとしても足らず、奈良県での就業促進をはかることが求められています。
 しかも、この需給見通しは「7対1」導入前の基準を前提にしていることから実態に見合った更なる看護師確保対策が必要であります。また、様々な理由で退職した看護師の再就労を支援するためにも、働く意欲をもっている人たちが職場に復帰できるよう、仕事と家庭生活が両立できるなど、なによりも看護現場の労働条件を改善することが急務です。また、いくつかのところでも取組みが始まっていますが、病院での無料研修講座の実施・充実であり、これらを受けやすくする体制も含めて、更なる再就労支援策を強化していくことが必要であります。看護師にかかわっての対応や方向性など、どうなのかお聞きします。
竹村潔健康安全局長答弁
 看護学校卒業生の県内就業促進や離職者の復職支援は医療の現場で働く看護師を確保するうえで重要なテーマの1つでございます。県では、平成17年度から看護師等養成所運営費補助金の配分におきまして、県内就業率に応じた調整を加えることにより、県内就業への誘導をはかり、復職の支援においては、本年度から長期間、医療現場を離れていた方にたいして病院での実習などにより、看護技術の習得や最新の医療、看護の動向について研修をしていただく看護職員復職応援事業に取り組んでおります。
 看護師確保につきましては、従来より、看護師等就学資金貸し付け事業や無料の就業相談をおこなって、いろいろ事業をおこなってまいりましたが、看護師不足が解消しない現状をふまえ、既存事業の効果も検証しつつ、県として取り組むべき施策について積極的に検討して、実施してまいりたいと思っております。


助産師活用を含む、お産の受け入れ体制充実について


 県下の病院での分娩取り扱い数をみると、医大では、平成14年は364件が平成19年は635件と他とくらべても極端に増えています。正常分娩は、地域で支えてもらわないと本来の大学病院の役割がはたせないとも言われています。この背景には、中南和地域での相次ぐ病院の産科休止もあるといえます。やはり地域で安心してお産ができる場を確保していくためにも、助産所や病院内での助産師さんの活用も含めて、整備していくことが求められています。県としてお産の受け入れ体制を、どのように進められているのかお聞きします。
竹村潔健康安全局長答弁
 近年、産科医師等の不足等を反映して、県内におきましても、分娩の取り扱いを休止する医療機関がふえているところでございます。特に中南和では、平成17年以降、5病院が相次いで分娩の取り扱いを休止し、また平成18年の9月から大和高田市立病院でも地域制限をするなど厳しい状況にございます。
 地域で安心してお産ができる体制を確保することは重要な課題と認識しておりまして、県全体のお産の受け入れ体制における院内助産所及び助産師外来の果たす役割や助産師と産科医との連携を含め、体制の充実についての具体的な方策を検討したうえ、県として取り組むべき施策の推進を図ってまいりたいと考えております。


周産期医療センターの整備について


 周産期医療についてですが、5月に総合周産期母子医療センターが、県立医大にオープンし、ようやく一歩前進したといえます。
 県全体での周産期医療を考えますと、地域周産期母子医療センターの整備が大事になってきます。周産期医療体制整備基本構想の中で「他の周産期高度医療機関と連携して、機能を分担しながら医療を提供する」また「総合周産期母子医療センターとは、一定の離隔をとった県内での分散した配置となるとともに、複数の医療機関を認定することが望ましい」としています。
 これら地域周産期母子医療センターの進行状況や見通しはどうなっているのかお聞きします。
 周産期の高度医療提供の体制整備とともに、NICUを退院した患児の対応を充実することは、結果として円滑な周産期医療の提供を図ることになるため、長期入院が必要になる重症心身障害児の受入施設の整備や周産期医療施設との連携、退院後の在宅ケアを充実することが必要であります。
 この対策も講じてこそ、はじめて周産期医療の一貫した対応といえるのではないかと考えますが、この点、どのように考えていかれるのかお聞きします。
竹村潔健康安全局長答弁
 地域周産期母子医療センターにつきましては、昨年度策定しました基本構想にもとづき、県立奈良病院にNICUの後方病床を新たに整備し、センターに認定する予定としております。また、私立奈良病院において、NICUの後方病床6床の整備計画を発表されるなど、それぞれの病院において、周産期医療体制の充実にむけて、ご努力いただいております。
 NICUなどの長期入院患者への対応につきましては後方病床の整備とともに、重症心身障害児施設等の福祉施設や在宅ケアなどの充実、およびそれらの福祉施設と周産期医療施設との連携が重要である、このことはNICUの効率的な運用を可能として、さらにはハイリスク妊婦の受け入れ態勢の充実につながるものと認識しております。
 そのためすでに、NICUなどの長期入院患者や福祉施設の状況を、現在調査しているところであり、在宅ケアの状況なども含め、どのような連携が図れるかについて、検討し、取り組んでいく必要があると考えております。なお、これまで申し上げてきました安心して子どもを産み育てる体制作りにつきましては、すでに地域医療等対策協議会で協議をはじめているところであり、この協議会での議論を踏まえ、県として対応すべきことに取り組んでまいりたいと考えております。


奈良県の市町村支援によって妊婦健診公費助成をいっそう充実すること


 次に「妊婦健診の公費助成について」ですが、先日、人口推計結果を静岡大学の研究グループが発表しました。これによると奈良県は、2000年に144万1000人だった人口が2050年には、81万9000人になると推計しています。
 合計特殊出生率が43位の奈良県にとって、更なる少子化対策が求められ、その一つとして、妊婦健診の公費助成があります。
 妊婦健診は、母子ともに健康に出産できるように妊娠の週数に応じて必要な検査をうける制度です。しかし、健診を受けないまま出産する「飛び込み出産」が増加し、妊婦や胎児が死亡するという痛ましい事故が全国でも、奈良県でもおこっており、また出産の高齢化にともなうリスクも増大しています。
 こうした中、厚生労働省は昨年1月、「妊婦健診の公費負担は14回が望ましい。」と通知を出しています。今年の実施状況をみますと、全国平均は5.5回となっており、奈良県は、平均3.9回であります。5回以上実施は38都道県80.9%で、逆に4回以下は9府県19.1%となっており、この中に奈良県も入っています。
 「妊婦健診受診に関するアンケート」を、新日本婦人の会が今年の3月から4月にかけて、おこなっています。この会は国連のNG0に登録し活動している女性団体ですが、これを、見ますと「受診しなかったことがある場合の理由について」のトップが、「経済的に大変」があげられています。また「受診で異常が指摘されたことがあるか」については、「ある」と答えた人が3割近くとなっています。回答した女性の多くが妊婦健診を、1人目でも2人目以降でも11回〜15回受けており、きちんと受けると10万円前後かかり、費用負担の重さや、また自治体ごとの無料回数に大きな格差があることが浮き彫りになっています。また、厚生労働省の「望ましい」という「14回程度」の公費負担実現が待たれていることが、このアンケートからも明らかになっています。
 今年の5月、厚生労働省の「公費負担の調査結果」において、今後とも母体や胎児の健康確保を図るために、妊婦健康診査の受診勧奨に向けた取組の推進や経済的負担を軽減するための公費負担の充実が図られるよう都道府県においては、この趣旨について市町村への周知徹底を求めています。
 しかし、財政的にも厳しい市町村もあるなか、奈良県が県独自の妊婦健診公費助成を実現することによって、実施が低いところの底上げにもなると考えます。1日も早く、奈良県のどこにいても妊婦健診最低5回公費助成が受けられるようにすべきと考えますがこの点どうかお聞きします。
竹村潔健康安全局長答弁
 母体や胎児の健康や管理を図る上で定期的な受診が必要であることから、妊婦健診にかかる市町村の公費負担の増加は重要な課題であり、そのため県としましては、市町村においてよりいっそうの公費負担の回数増にむけてとりくまれるよう積極的に働きかけてまいりました。その結果、妊婦健診の公費負担の回数は平成19年度の平均1.7回から、今年度平均3.9回に増え、20市町村が5回の公費負担を実施するところとなりました。特に非課税世帯につきましては、平均4.5回と大幅に増加しております。
 各市町村におかれましては、財政的に厳しいなか、多大な努力をしていただいたものと考えております。県としましては、妊婦健診の公費負担の充実は市町村の責務であると考えております。また、平成19年度から妊婦健診にかかる交付税措置が拡充されていることから、5回以下の市町村に対する県の助成については考えておりません。今後も、実施回数の少ない市町村に引き続き、公費負担回数の増加を働きかけてまいる所存でございます。

中野あけみ議員再質問
 健康安全局長におたずねしますが、厚生労働省が14回が望ましいと言っておりますから、県として14回、国にちゃんとお金をまわせと言うと同時に、やはりこれに近づけるようにすることが大切だと思います。県内どこにおいても、最低5回はうけられるようにすべきであります。県が1回、助成するとしたら、いくらあればできるのか、お聞きをいたします。
竹村潔健康安全局長答弁
 交付税措置されていることで、これを5回にするのは市町村の勤めと思っておりますが、もし、県が全額補助をしますと、1回当たり約5400万円くらいはかかるだろうと試算しております。