日本共産党 奈良県会議員団
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少子・高齢化社会対策特別委員会(宮本次郎)
2008/02/25

医療体制と医師不足について

宮本次郎委員
 周産期医療体制整備基本構想の問題です。この数カ月だけで3人の方から、県立三室病院で分娩予約を断られたと言われました。1人の方については、どうやら5月ですので、来てくださいということを言われたようですが、2人の方は断られたということです。なぜかなと思っていたのですが、さっきのやり取りでわかったのは、4月以降の分娩は保証できないということだろうなと思いました。そこで、背景に医師不足があるということは重々承知をしておりまして、いただいた資料でも、県立三室病院の産科の医師数は平成17年に3名から2名に減っておりまして、これで分娩数も350から200に減っているということが影響していると思いました。あわせて、県立五條病院の資料もいただきますと、4年前には35名だったのが、今は22名に減っているということです。これは17ほどの指定医療機関ということで、いろんな拠点病院として指定されているのですが、そのうち神経内科など4つの科目で医師がゼロになって閉鎖をしているということもありまして、やはり全県一丸となって医師確保をどうするかということは知恵を絞らないといけないなと思ってます。その点、今回の基本構想でもさまざまな予算をつけられまして、大いに評価はしたいと思っているのですが、ただ、知事が第一義的な課題と位置づけた中でいいますと、例えば不足が指摘された県立医科大学附属病院の後方病床20床の追加整備については設計と耐震調査ということだけで、肝心の整備そのものの予算は平成21年度以降ということで裏付けが見えませんでした。また、ドクターカーも医師やスタッフ確保とあわせて検討という程度にとどまっています。現場の先生方が本当に額に汗して頑張っておられる中で、こうした予算措置が見えないということが、メッセージとして、県民にはもちろん、現場のスタッフの方々にも届いていないと思いますので、もっと踏み込んだ予算措置を行うべきだったのではないかと思っておりますが、その点でどうお考えかお聞かせいただきたいと思ってます。
 また、医師確保という点では、政府が緊急医師確保策を持っておりまして、産科がなくなりそうになったときにアクションプランを描いて、申請をすれば受けられるというものです。ただ、6カ月の派遣ですので、国の制度としては極めて不十分ですけれども、この点について我々日本共産党は、国会議員が現在16名しかいませんので、小さいのですけれども、奈良県のこの事態は重大だということで、秋の国会の中で取り上げました。そうしますと、総務委員会でしたので、厚生労働大臣ではなかったのですが、西川京子副大臣の答弁の中で、奈良県の事態は非常に重く受け止めており、ここには必ずスタッフの配置ができるようにしたいという答弁をはっきりとされているのです。それは、医師、看護師、スタッフをあわせてのことだと思うのですけれども、国の方も、奈良県でなぜ手当てが受けられないのか、5つの病院に派遣したけれども、奈良県は入っていませんでした。そういうことも含めていいますと、奈良県であれだけの事態が起こって、私も全国の会議に行ったら、奈良県は大変やねと言われます。消費税の会議に行っても、奈良県のお産は大丈夫かと言われる状況です。あんた何をやっているのやというようなことを言われているのと同じですが、本当に国のこういった心配がありますので、こうした医師確保に向けた努力をどうされるのかということをお聞かせいただきたいと思っております。
 それからもう1つは、同じ三郷町で、民間の北病院という病院が4月から閉院するということで、これも地域の住民から衝撃の声が上がっております。この病院は24年間、主に介護療養病床を主力とする病院として地域のニーズに応えてこられたのですが、伺ってお聞きすると、どうしても医師、看護師のスタッフ確保に苦労されたということでした。また、国の療養病床削減という方針も受けて、これでは経営が成り立たないということで、断腸の思いでの閉院決定だったということです。ただ、このときに、患者の方の転院だとか、あるいは看護スタッフの再就職ということで努力をされたのですけれども、どうしても医療法人やわらぎ会さんが経営されております老人保健施設などで対応しようと思ったけれども、医療機関と比べて老人保健施設は介護スタッフの労働条件や待遇が非常に厳しく、条件が非常に悪いということで、なかなか、そのままそこに行きますよというようにはいかなかったということもお聞きしています。その点、今後ますますニーズが高まってくる、そういった老人保健施設、あるいは介護施設ですが、こういうところでのスタッフ確保に向けて、労働条件の改善など、主には国の仕事かと思うのですが、県としてどういう対応をされるのかという点についてお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
 
米田健康安全局次長
 周産期の基本構想の関係でお答えを申し上げたいと思います。
 まず、基本構想を策定いたしました。その中で、できるところから来年度の予算に計上していくということで、まずは、県立医科大学のNICUの後方病床20床の増床に向けた予算の審議をお願いしているところでございます。A棟の中で、NICUの後方病床20床を整備するということでございます。そのために、現在の既存の他の病棟も含めて、どういう形でNICUの後方病床をA棟の中で、さらに周産期充実のために確保するかということ、これから県立医科大学と具体的な協議に入っていくわけでございます。したがいまして、平成20年度につきましては、その基本的な設計の費用を予算としてお願いをしたいと考えております。ただ、当然具体の設計内容が決まりましたら、引き続いて平成21年度以降で工事にとりかかっていくという予定をいたしております。また、基本構想の中ではドクターカーについても触れております。きちっとした考え方を前面に打ち出すということは困難でありましたけれども、先ほど健康安全局長から地域医療等対策協議会のお話も申し上げました。また、あわせて周産期に関しましては、周産期医療協議会というものも関係者の方にお願いをして設置する予定をしております。周産期医療につきましては、継続的に時点時点での評価を適正に行い、施策を逐次、継続的に検討していくという予定をいたしております。重ねて申し上げますが、県立医科大学のNICU、後方病床20床につきましては、来年度はとりあえず設計をやり、引き続き整備を進めるということで、ご理解をいただきたいと思います。

 
大西医務課長
 医師確保対策についてお答えさせていただきたいと思います。
 医師全体の数が増加していると言われておりますが、特定の診療科目におきましては、医師の偏在が顕著になってきております。この傾向は本県におきましても同様でございまして、小児科、産婦人科及び麻酔科の医師不足は非常に深刻な状況でございます。小児科医の総数は増加していると言われておりますが、勤務医が不足、減少してきております。産婦人科医につきましては、先ほどの議論にもございましたが、非常に深刻な状況でございます。麻酔科医につきましては増加しておりますものの、医療安全の観点から、手術等において必要が高く、需給が非常に逼迫してきているという状況でございます。また、医師の減少に伴いまして、産婦人科の標榜病院も年々減少いたしております。特にお産を扱っている分娩取扱病院につきましては、県立三室病院も入れて、県内では11病院です。分娩取扱診療所は19となっております。39市町村のうち26の市町村で分娩取扱医療機関がない状況となっております。助産所があるところは除いております。そのような医師の偏在の解消を図るため、国におきましては、おっしゃるとおり、医師確保総合対策、また、新医師総合確保対策、さらに平成19年5月には緊急医師確保対策の策定など緊急臨時的医師派遣システムをはじめとする医師確保対策が打ち出されているところでございますが、第1回目には奈良県も参加できませんでした。半年ということで、その後が非常に考えにくいという状況がございます。ただ、次があれば、また申し入れしたいと考えております。県としましても産科、小児科の特定診療科や、またへき地の状況もおっしゃるとおり非常に厳しくなってきております。それで、医師確保対策としまして、やはり養成が大事だろうということで、昨年12月に緊急に、県立医科大学の定員を5名ふやして奨学資金を貸し与えるという改正条例のご承認をいただきました。その結果、無事5名の方が合格されて、入学手続を終わりました。この5名の方は、8年後になりますが、奈良県の特定診療科またはへき地で6年間×1.5ですから、9年間働いていただくことになっております。さらに、今回お願いいたしておりますが、奈良県立医科大学に限らず、奈良県で働いてもいいよという全国の医学生に対しまして、特に奈良県出身で他府県に行っている医学生に対しまして、在学中及び前期研修、また後期研修にも奨学金を出していきたいと、これも定員5名で、条例提案をさせていただいているところでございます。この2種類の貸付制度により、奈良県で10名程度確保していきたいと考えております。また、自治医科大学におきましても、定員が10名増加になりまして110名になりました。ですから、数年に1回は3名の年ができてきます。これはへき地医療ですが、そういう形で確保を図っているところでございますが、緊急的には県立病院の待遇改善とか、退職された方の参画、産科のときにさせていただいた開業医の参画と、そういう方面を重点的にやっていきたいと考えております。

 
石橋長寿社会課長
 施設のスタッフ確保についてでございますけれども、福祉や介護サービスに従事する方の数といいますと、介護保険制度の創設によりまして急速に増加をいたしておりますけれども、入職率、あるいは離職率というのは非常に高い職種であると考えておりまして、労働需要というのは非常に大きな職種であると認識いたしております。こういったことから、県の社会福祉協議会の福祉人材センターにおきましては、安定的に人材を確保するために福祉就職説明会や、あるいは就職活動のセミナー、あるいは進路のガイダンス等の取り組みを行いまして、福祉職場に対する知識と理解を深めて就職活動の促進につながるように取り組んでいただいているところでございます。また、福祉介護に関する仕事が選ばれる職業ということになるためには、労働環境の整備が必要であると考えておりまして、国に対しまして、介護職員の給与水準の確保でありますとか、経営実態を踏まえた適切な介護報酬の設定などについて要望いたしておるところでございます。また、昨年11月には、近畿ブロック知事会において介護人材の確保、あるいは養成に向けた事業者の取り組みを促進するために労働時間の短縮でありますとか、キャリアアップの仕組みの構築などについても共同提言を行ったところでございます。

 
宮本次郎委員
 丁寧にありがとうございました。時間がないので、最後に要望だけしておきたいのですが、政府・厚生労働省がせっかく奈良県に配置をしようとおっしゃっているわけです、大臣、副大臣が。そういうこともありますので、県立三室病院の産科を是非とも残すために緊急医師確保策に必ず応募できるように手だてを考えていただきたいなと思っております。国があれだけ医師偏在というのですから、医師があり余っているところがあるのでしょうね、国が言うのですから。私どもはそうは思ってないですよ。絶対数が足りないと思っていますけれども、どうも国の方は認めない。そういうことでしたら、きちっと送ってくれというのが筋だと思うのです。また、委員長にお願いですが、他府県の例を言いますと、こういう少子高齢化委員会をつくって、例えば秋田県は妊婦健診、大概10回以上をやっていますけれども、県として7回確保するということをやっています。あるいは、東京でも23の特別区のうち20区で妊婦健診を10回以上やっており、多くのところでこういう委員会も、議会も一丸となって声を上げているということが大きいと思うのです。そういう点でいいますと、自由民主党や民主党などの国会議員の先生がたくさんいらっしゃる中で、本当に奈良県の産科の問題、あれだけ全国で注目をされているわけですから、そういう点でも我々としてもできることというのはあるのではないかなと思っております。こういう意見、要望を述べさせていただいて終わりたいと思います。ありがとうございました。