日本共産党 奈良県会議員団
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山村さちほ議員の代表質問
2008/09/30

平城遷都1300年祭と国営公園について

山村さちほ議員
このたび事業協会が1300年祭の主会場とする平城宮跡の会場計画の概要を発表しました。この機会にあ
らためて、1300年祭計画のそのものを抜本的に見直すことを求めます。
 まず第1に、全体計画は100億円もの莫大な費用をかける計画です。すでに、この費用の計画以外に、人件費は19年度末までで15億500万円もかかっています。事業協会は、県職員からの派遣もあわせると66人の体制です。1年間の仮設の建物や会場の整備に30億円もかけるというのは、あまりにも過大な投資であり、県財政も厳しく、これだけ県民生活の困難が増大しているもとで、とうてい県民合意はえられません。
第2には、2010年までに、渋滞対策や会場周辺の交通対策をすすめるとしてきましたが、現在工事中の308号大宮道路の高架事業や西大寺駅からの平城宮跡までの歩道整備、第2阪奈道路から自動車を誘導する駐車場・中町パークアンドライド計画など、どれも開会までに間に合わないことが明らかになっています。
 このような状況で、200万人〜250万人もの人を呼びこむ計画は、周辺の住民や来場者にも大きな負担となります。
 第3に、どのような理念のもとで、この祭りが開催されるのかという点です。
 知事はわが党の質問に対して、過去の奈良時代を祝うのではなく、国家が1300年続いてきたことをお祝いしたいと述べておられますが、先日いただいた事業協会の資料では遷都1300年記念事業では国の始まりを祝いと述べています。9月11日に「国会の推進議員連盟」が「遷都1300年祭の閣議了解にむけた決議」を行っていますが、この決議でも、平城遷都を「国家としての基礎が確立」したとして、天皇制の「国のはじまり」をお祝いする意味がこめられておりと述べています。これは、歴史上、平城京がどういう時代であったか科学的な検討をぬきにした特定の歴史観を国民に押しつけるものです。
 また、1300年祭の中核事業として新たに「東アジア未来会議奈良2010」を位置づけることとされました。「アジアおよび世界の各国・地域との交流の歴史を古代までさかのぼって振り返ることは大事なことです。同時に、古代だけではなく、絶対主義的天皇制のもとで侵略戦争をおこなった近現代も含め、歴史的事実、真実に基づくことが大切です。新のアジアと日本の友好の発展をすすめるには、第2次世界大戦で近隣諸国を侵略し、多大な惨禍をもたらしたわが国の反省を明確にして、主権在民を基礎とした日本国憲法の9条を守る立場を基本にしたものでなくてはならないと考えます。
 今、アジア地域では東アジア共同体の中心となっている東南アジア諸国連合、アセアンの活動が大きく前進をしています。そのアセアンが中心となって東南アジア友好協力条約は25カ国が調印し、世界人口の57%を超えるまでに発展をしていますが、最大の特徴は、武力による威嚇、行使の放棄や紛争の平和的手段による解決、戦争放棄を定めた憲法9条、国連憲章を共通する目標を明記して、平和と共存を保障しあいながら、交流をすすめることにあります。こうした、世界の流れに合致する取り組みこそ求められています。
 特定の歴史観、天皇制の国の始まりをお祝いするというようなあり方では、近隣諸外国の真の理解をえられないと思います。
 以上の問題からみて、この際、多額の税金を投入するやり方は改め、計画そのものを見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。

荒井正吾知事答弁
 平城遷都1300年祭については、現在、記念祝典などそれぞれの取り組みについてできるだけ、具体的な事業計画の策定をすすめてきております。1300年祭は従来、平城宮跡に一極、一過性のように言われておりましたが、全県で連携して継続型に見直しし、平城宮跡の国営公園化とあわせて、今後、2010年の祭りを期に奈良県全体を大枠に、関西の国際的な歴史文化観光拠点として発展させたいと考えております。また、継続的な観光周遊システムの構築をこの際に図りたいと思います。
 今後、奈良の観光の発展に大きな意義のあるお祭りだと思っております。
 事業費は平城宮跡事業を有料の囲い込み型の博覧会方式から、無料開放型を基本とする方式に見直し、できるかぎりの経費縮減、リスク軽減を図りました。今後とも事業の進捗にあわせて、収支を精査し、効果的効率的な事業の実施に努めたいと思います。
 このようなお祭りの経済的効果があるわけでございますが、現在、算定中でございます。事業計画の公表とあわせて算定の結果を発表させて頂きたいと思います。
 平城宮跡会場への円滑な誘導をすることは大丈夫かということですが、非常に重要なことでございます。公共交通機関をご利用して頂くことを基本としたいと思いますが、最寄りの駅から平城宮跡へのシャトルバスの導入やアクセス道路の強化、パークアンドライドの充実など総合的な対策を検討し、地域交通に与える影響を極力おさえ、スムーズなアクセスを実現してまいりたいと考えております。
 みんな間に合わないという指摘がございましたが、そういうことはございません。
1300年祭の趣旨について特定の歴史観をおしつけたり、奈良時代の政治体制をお祝いするようには考えておりません。古代から今日までわが国の歴史文化が連綿と続いてきた歴史の継続性を素直に祝い、感謝したいと思っております。
 また、これからの我が国及び東アジアの安寧を願い、未来を考えることもあわせておこなえたらと思います。特に1300年祭を機会に、この奈良の地は東アジアと非常に緊張した関係もあわせて友好な深い交流があった地域でございますので、今後の友好な関係をどのように継続していくかについて、有識者の知恵を結集してもらい、東アジアの安定と発展への貢献の1つのきっかけになればと思っております。
 遷都1300年祭、このように素直にわが国の歴史の発展を祝い、今後の東アジアの友好な将来を願う気持ちを基本として広く国の内外から祝いの気持ちをよせていただく、立派なものにしたいと考えております。

山村さちほ議員再質問
 この事業を一過性、一時的なものではなく、継続的なものとして奈良県全体の観光を発展させるものにしたいということでありますが、私は、今のやり方、記念式典を中心としたやり方であるなら、何も1300年にこだわらなくても、奈良県全体の観光を発展させていく全県的な取り組みを強化していくやり方はいくらでもあると思います。なぜ、100億円もかかるのかということについて、どうも県民に納得できる説明ではないように思います。
 もともと、1300年事業は今から10年前、平成10年に平城遷都1300年を考える奈良の会が発足して、考えられてきたわけですけれども、その当時から、社会情勢は大きく変化をしてきております。県民の意識という点でも、県民の生活の困難という点でみても、耐えきれない痛みがこの間、押しつけられてきております。給料もこの9年間、ずっと減り続けているという状態ですから、やはり、そういう中でもこれだけのお金をかけてやるということに、いったい理屈が通るのかということが問われていると思いますが、どうでしょうか。
 当初の2010年委員会が発足した当時は、いろいろな構想がありました。4全総、5全総の国土計画の一環として京奈和自動車道の完成までうたわれておりました。奈良県の開発計画という大きな意味があったわけですが、こういうやり方はすでに破綻をしているわけです。
 その破綻したやり方にしがみつくのはやめられた方がいいのではないかと思います。