日本共産党 奈良県会議員団
このページは旧ホームページです。 最新の情報は新しい日本共産党奈良県議会議員団ホームページをご覧ください。
今井光子の一般質問
2008/10/01

県内の公共交通を支援し県民の「足」を守ることを求める

今井光子議員
 交通問題で知事に質問します。
 バス路線についてです。今、県民の暮らしを脅かし、将来不安をつのらせている問題に、バス路線が廃止され、自由に移動できないという問題がおきています。十津川から、人工透析をうけるために五條病院に通院をしていた人は、バスの便が減って、日帰りでは治療が受けられなくなりました。
 路線バスは住民にとって、毎日の食料の調達、生活物資の購入、病院や学校への通学、通院など日常生活をささえる命の綱です。
 奈良交通の路線バスは2001年に171路線から2007年には155路線に減少しております。現在、国、県の補助金をうけて運行しております路線は26路線です。
 しかし、多くのところでは補助金だけではまかないきれず、収支の悪化で路線廃止の危険性があります。京阪奈線の開通でドル箱だったバス事業の収益が減少し、赤字路線をささえきれなくなり、かつて人口急増の北葛城郡でも、高田−法隆寺線が休廃止され、バス路線が廃止された沿線の地域では、住むことができなくなった高齢者が子どものところに移るなど空き家がふえてきています。
 広陵町では役場の前のバス停すら路線が休廃止されてしまいました。先日、地元のバス路線、高田−平畑線廃止問題で奈良交通にいってまいりましたが、存続は厳しい現状でした。奈良交通によりますと平成10年から平成18年までの間、奈良県人口は144万7000人から141万6000人へと2.1%減少。路線バスの運行人員は8032万4000人から5918万7000人と26.3%の減少、運送収入は28.4%のマイナスです。
 一方、軽油の高騰は53.5%の増です。さらに平成19年は1リットル99円のものが、7月現在135円、年間1000万リットル使用のため、1円あがれば1000万円の負担増になり、3億5000万円の負担増です。
 このままでは、路線の廃止どころか、企業の存亡の危機に直面するのではないかと思いました。
 知事は企業誘致に熱心ですが、地元をささえてきた企業をもっと応援するべきだと思います。地域住民の命の足や綱がなくなっている背景には、規制緩和があります。バス事業は免許制から許可制になり、容易に事業者になることができるようになりました。全国的にも国の補助金は1994年の110億円をピークに07年には77億円へと減らされています。これを道路の建設費と比べますと、全国平均で高速道路の建設費1キロメートル69億円ですので、高速道路のたった1.1キロメートル分の補助しかありません。
 また、地方バス維持費補助の対象となるのは全国の乗り合いバス4万路線に対して、わずか4.4%です。奈良県ではバス生活交通対策事業費は1億8000万円で、道路建設費410億円のわずか0.004%しかありません。
 県民のなかで運転免許証をもたないのは50万人います。人間の身体は体内に血液が巡回され、生命が保たれております。地域にとって公共交通はまさに血液です。それが止まってしまえば地域は死んでしまいます。京奈和自動車道大和北道路の建設には1キロメートルあたり250億円も使われます。無駄な高速道路よりも路線バスやデマンドバスなど身近な公共交通の充実にもっと予算をまわし、誰もが安心して移動できる奈良県にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
公共交通の利用転換も重要です。公共交通の利用促進では、利用者を増やすことが必要です。利用者にすれば極めて高い運賃と利用しにくい低いサービス水準が利用を遠ざけていることを見逃してはなりません。その実例として、体験をお話ししたいと思います。
 8月29、30日に十津川村でおこなわれました「星降る夕べに医療を語る集い」に参加をするために、高田市駅から新宮行きの路線バスに乗りました。高齢の女性が眼科の帰り、御所方面に帰るのに、どれに乗っていいのかわからず、私に何度も尋ねてきました。こまかい案内表を見てもよくわからず、窓口で確認してやっと同じバスであることがわかり、ごいっしょいたしました。2時間半も乗るバスで、リクライニングなどがあるゆったりしたシートを想像しておりましたが、とても古い形のバスで、押しブザーが前の座席の高いところについていて、小柄な女性は手が届かず、「おしてんか」と頼まれました。別の人は、バスの金額が細かくて見えないために、「いくら書いてあるのか」と訪ねてきました。
 バスに乗ることも大変です。聞こえるアナウンス、大きな文字の表示など工夫する点がたくさんあると感じました。
 また、帰りのバスでは十津川村から五條まで、歯医者に行くのに片道1770円も運賃を払っている人もいました。この路線は日本一長い路線バスとしてマスコミにも取り上げられ注目をされておりますが、大淀道の駅などにも止まらず、工夫が必要だと感じました。
 公共交通の利用を増やすには、高齢者が利用しやすい対策も重要です。公共交通の不便な奈良県では高齢になって運転に不安があっても運転しなければ買い物にも通院もできない現実があり、運転免許証が手放せません。

荒井正吾知事答弁
 交通は大変、重要な課題でございます。バスは県民の大切な移動手段であることは十分、認識しております。県内の広域的幹線的なバス路線・奈良交通の26路線にたいしまして、国と協調して約3億円の補助をおこなっております。さらに国の補助要件を満たさないバス路線の運行や地域におけるデマンド交通の立ち上げにたいしても県単独で2500万円の補助をおこなっております。
これらの補助金は実は、県民の大切な移動手段を守るということが主たる目的で、バス会社の経営を守るということは直接的な目的にはなっていない補助制度でございますが、大切な県民の移動手段を守るという観点では、いろいろな課題がございます。人口密度の低い、南和地域や高齢者の多くなった住宅地域で生活や通院のための足の確保が必要となってきていると認められております。
これらの地域の交通弱者をどのような方法で守っていくのかは、今までに無い移送方法の採用も含めて対策をねる必要があると考えます。
なお、道路事業の整備費をバス運行費に使えというご指導が含まれておりましたが、道路整備は特に遅れている奈良県におきましては、道路を使用するユーザーは道路整備に使われることを期待しており、納税者の理解を得ていくことは難しいのではないかという感じをもっております。
地域の移動手段の足の確保のために地域公共交通の活性化及び再生に関する法律にもとづく事業がございます。この事業を活用することは、わが県にとりましても有意義なことだと考えております。同事業の主体は市町村とされておりますが、現在、県内の7地域11市町村で事業採択がされ、3地域で事業計画の策定、4地域で事業実施をおこなっているところでございます。県も、この法律に基づくそれぞれの協議会に参加をしておりますが、今後も県内の望ましい交通体系を確立する観点がありますので、県も積極的に貢献をする努力をしていきたいと思います。
また、このような事業が採用されていない、協議会のない他の市町村でも活用されるよう積極的な働きかけをしていきたいと存じます。


今井光子議員
 バス路線の問題ですが、本当にバスの本数が減ったり、廃止されますと、地域が見捨てられたような印象を地域の方がうけとめられるということがあると思います。わたしは、確かに奈良県は道路が必要だということもよく分かりますが、高速道路など不要不急の分を、こうした生活道路や地域住民の足確保にまわしていけば、もっとたくさんの方々が、本当に移動の手段を得ることが出き、自分たちのことを分かってもらえた、見捨てられていないというような前向きな、県政に対する信頼につながっていくと思っています。そういう意味で、このバス路線の問題を取り上げました。