日本共産党奈良県議団
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一般質問2002年9月議会一般質問-6/6P
 
山村さちほ県議
2002年9月30日

6.吉野林業の活性化のために、県独自の対策推進を

山村さちほ議員質問次に吉野林業をはじめとする県林業の活性化についておたずねします。
 奈良県の森林面積は県総面積の77%を占め、その95%が民有林であり、人口林率は62%、主体は杉や桧、蓄積量は1ヘクタールあたり228立方メートルと全国4位です。
 林業は山村地域の基幹産業です。しかし、今、輸入におされ、自給率はわずかに2割と、大変厳しい状況です。
 木を売っても、次の植林の費用もでない、業としてなりたたず、下刈りや間伐がされない、植林できないなど、森林の荒廃のおそれが強まっています。
 (この原因は、歴代政府がアメリカと大商社、大手住宅メーカーの利益を最優先して60年代に、いち早く木材、木製品の輸入を自由化し、その後もアメリカの要求を受け入れ、気候、風土を無視して、製品の規格や建築基準まで変更し、住宅の輸入まで推進してきたことにあります。)
 日本共産党は昨年2月に「吉野林業の活性化のための当面の政策」を発表し、6月には大淀町で県下の林業・木材関係者とシンポジウムを開催、今年の8月には、川上村の山林を視察、吉野林業の川上、川中、川下とよばれる山林所有者、林業経営者、素材業者、市場関係者、製材業者と行政関係者と懇談し、厳しい実情、切実な要望、意見を直接お聞きすることができました。
 このなかで、国の補助制度が全国一律であるために、「密植、多間伐」方式の吉野杉には、実態にあわない。人口林の間伐対象林齢を35年生〜60年生に引き上げてほしい、県産材の使用促進のために公共施設への使用義務づけ、県産材使用住宅への貸し付け制度の拡充、乗用モノレールの補助制度を見直し、所有者負担や村の補助を軽くするため国、県費補助を引き上げてほしい。また、出材コストを下げるため作業道は、自力でつくることが大切と、不在村地主みづからも努力している、が、林業の機械化、間伐の推進のためにも、全国一律の林道基準を見直し、地域にあった林道、作業道の整備を、より早くすすめてほしい。
 山林労働者の就労の確保への支援、などのたくさんの要望がだされました。
 また杉価格の暴落で、原木業者、市場も赤字経営、そのうえ、出材が義務ずけられている全国的な間伐対策の結果、杉、桧価格が暴落して、打撃をうけている。この制度の改善を求める意見がだされ、高い金利のときの資金をかりかえるにも、金融機関は山林の担保価値を認めず、貸渋りを強めている。
 台風7号の被害は、いまだに傷痕が大きく、資金面での負担が大きくのしかかって来ていると融資制度の改善を強く訴えられました。
 どれも、切実かつ緊急の要望です。そして、「現状を訴え、具体的な要望をしても、県はなかなか動いてくれない」という声も、出されています。
 また吉野杉は、秋田杉、木曽桧の森林とならんで日本3大美林の1つであり、すぐれた特質をもっている。地質や気候にもめぐまれ、約500年の歴史をもち、その特色ある伝統を今日まで守り、発展させてきたと、大きな誇りをもっておられます。この吉野林業を守り、今後も大切に後世に伝えて行くには、特性にあった対策が必要と強く訴えられました。今、平城京の大極殿院復元工事もはじまり、吉野材が使われるそうですが、樹齢350年以上の杉、280年以上の桧などが育つ吉野林業を守り、発展させていくことは、後世への責任だと思います。
 また、林業の再建が、国民の生存、国土の存亡にかかわる重要な課題であることは、誰もが認めているところです。そこで、林務長におたずねします。

  1. 奈良県の林業の現状と、吉野林業をはじめとする今後の林業活性化のための方策について、どのように考えておられるのか。
  2. 具体的な要望のなかでも、県産材の需要拡大にむけた実効ある取り組みの促進、地域の実情に即した間伐補助制度の創設、林道、作業道の延長促進について、今後、どのように取り組むのかおたずねします。

山下俊之林務長答弁本県の林業をめぐる情勢は、国外産材の、あるいは県外の産地との競合によります木材価格の低迷が、需要の減退をきたしている。その生産性が悪化しているという状況を、ご指摘のとおりですが、また森林所有車の高齢化、世代交替によります経営意欲の減退、林業従事者の減少と高齢化の進行という、厳しい状態にあることを認識しております。
 このようななか、林業を活性化するためには、まず、そういう他の産地に負けない安定した木材の供給ができる体制づくりが大切であると考えております。
 昨年、森林組合の広域合併ビジョンを作成いたしました。これに即して、森林組合がその役割を十分に担えるよう、経営基盤の強化、事業の効率化をめざした合併をすすめるということを指導、推進しているところでございます。また生育途上にあります森林の間伐を主体とした森林整備の推進、林道作業道の路網整備、さらには、林業機械化推進センターにおける担い手の育成確保に努めているところであります。今後も引き続き、これら施策の推進により、森林の適正な管理、森林資源の持続的利用を担う林業の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 県産材の利用拡大への実効ある取り組み、あるいは実情に即した間伐助成制度、林道作業道の延長についは、まず県産材の利用拡大については、かねてから、取り組んできたところですが、今年度、新たに、本県の森林資源の大半を占める杉を中心とした一般材、この需要拡大と安定供給を図るために、県、林業木材産業の関係団体とで構成する県産材安定供給推進検討会を設けており、具体的な生産流通についての検討をすすめているところです。
 間伐については、有良材の生産はもとより、地球温暖化の防止と森林のもつ多様な公益的機能を発揮する健全な森林を育成する観点からも重要であるということを認識しております。間伐の実施にあたりましては、国の助成制度を活用して、総合的に推進しているところであり、その制度をよりいっそう効率的に運用してまいりたいと思います。間伐材の運搬、経費削減を図るために、有効に利用する観点からも林道作業道の開設をすすめるなど、地域の実情に即した基盤整備をすすめているところであります。 今後も、引き続き、地域での取り組みを支援することにより、健全な森林の育成、地域の活力ある地域づくりとすすめてまいりたいと考えております。
(了)

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