日本共産党奈良県議団
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一般質問2005年2月定例議会田中美智子議員の反対討論
田中美智子県議
2005年3月25日

「小中学校の教科書採択制度の改善を求める請願」採択にたいする反対討論

 「新しい歴史教科書をつくる会奈良県支部」より提出されている請願第9号「小、中学校教科書採択制度の改善を求める請願書」について、反対討論をおこないます。教科書問題が社会問題になっていることは周知の通りです。

  教科書問題は、日本の過去の戦争を正当化し、憲法や教育基本法をないがしろにしようとする人たちによって、常に引き起こされてきました。それは、南京事件、強制連行、従軍慰安婦など侵略や植民地支配の実態を自虐的だとして、教科書から抹殺しようとしたことなどです。

  「新しい教科書をつくる会」は2001年、『新しい教科書』を出版しました。しかし、本当の歴史を学びたい、教えたいという声が「つくる会」教科書の採択率を限りなくゼロに近づけました。また、教科書問題では中国や韓国などアジア諸国から、厳しい批判を浴びてきました。過去の戦争について、これらの国々と共通した歴史認識を持とうとしない日本の姿勢が批判されたのです。

  教科書問題は内政問題ではありません。第2次世界大戦にいたる過程と大戦そのものをどのように認識するかという、重大な問題です。

  「つくる会」教科書は、4年前の採択で0・039%という結果でした。今回は10%を確保すると号令をかけ、文部科学省に採択制度の改善を迫りました。それが、採択区の大幅増と、見本本の検定前公表の規制でした。しかし、新聞報道によれば、「つくる会」自身が見本本を教育委員会関係者に渡していることが判明しました。これが事実とすれば、自らの教科書を採択させるために行わせた制度改善さえ守らない「つくる会」の態度は、許すことはできません。

  請願書は教科書の採択権は教育委員会にあるとしていますが、法的根拠はありません。あるとすれば、決済の権限があるにすぎません。毎日、教科書を使って教える現場の教員の意見を、なぜ軽視したり、排除したりするのでしょうか。ILOとユネスコの「教師の地位に関する勧告」では、「教師は・・教科書の選定ならびに教育方法の適用について、不可欠の役割を与えられるべき・・」とあるように、教科書採択のさいに現場の教員の意見が重視されるのは国際的な常識です。

  なお、大量の教科書を教育委員が読み、適切な判断を下すことが本当にできるのでしょうか。
  請願書は、学習指導要領の社会科、歴史的分野の「目標」第1項をあげ、歴史教科書の採択基準にせよといっています。そのねらいは「わが国の文化と伝統」、「わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」にあると言えます。言い換えれば、前者は神話と天皇制であり、後者は「愛国心」にほかなりません。このような採択基準で選ばれた教科書は、21世紀を担う子どもたちにふさわしくありません。

  請願書は、「外国からの圧力などに断じて屈しないこと」と一方的に断じています。ご承知のように1982年の教科書問題のとき、当時の文部省は検定基準に「近・現代におけるアジア諸国との関係の記述に配慮する」という近隣諸国条項を付け加えました。これは、採択の際も十分考慮しなければなりません。

  国際化の時代にあって、他国との対話と相互理解をすすめることは、ますます重要です。独善的な歴史認識で戦争を美化し、歴史を欺瞞しようとしたり、アジアにおける平和のための努力に、背を向けることは許されません。

  近隣諸国条項は自虐的との下村文部科学省政務官の発言、3・1独立運動記念式典での廬武鉉韓国大統領の演説、島根県議会「竹島の日」条例可決などは、すぐれて歴史認識と近隣諸国条項にかかわる重大な問題です。

  最後に、この請願書を県議会が採択することは、教育委員会の独立性を損なう恐れがあることを指摘して、反対討論を終わります。

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