日本共産党奈良県議団
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一般質問2005年2月定例議会山村さちほ議員の一般質問
  1. 義務づけられていない県国民保護対策協議会設置条例を今議会に提案するのは早計
  2. 財政面からだけではなく、県民の暮らしを守るという観点での行財政改革に取り組むべき
  3. 将来に渡り持続可能な制度にと利用者負担を増加させる県福祉医療制度の改悪はやめ、いっそうの拡充を求めます
  4. 世界遺産を守るには、地上であれ地下であれ、高速道路を平城京域に通過させる計画はやめるべき
  5. 生駒総合病院閉院で医療の空白をつくらないよう県が支援を(要望)
山村さちほ県議
2005年3月10日

山村さちほ議員質問今日3月10日は、東京大空襲から60年目にあたる日です。私は、戦争の悲惨は二度と繰り返さないと決意を込めた平和憲法を守り県民の命と暮らしを守る立場で一般質問をいたします。

義務づけられていない県国民保護対策協議会設置条例を今議会提案は早計

国民保護計画策定は県民参加、情報公開で慎重な審議を

山村さちほ議員質問国民保護法について、知事におたずねします。
  国民保護法を含む戦争準備のための有事関連法制が強行制定され、政府が日本への攻撃が予想されるとみなせば、自衛隊を戦闘地域まで出動させて、米軍を支援し、この作戦にあらゆる支援を提供するため、自治体や民間企業、国民を動員することができる仕組みがつくられたのです。これによって今、政府は国民、地方自治体、指定公共機関にたいして、平時から戦争に備える準備をせまっています。県民にとって、基本的人権に直接かかわる身近で重大な問題です。

  国民保護法は、あくまで有事があった場合の国民保護を定めるものであるはずですが、「有事に備えるため」といって自治体に「国民保護に関する計画策定」を義務づけ、平時から、啓発も義務づけています。各教育委員会を通じて幼稚園から小中学校、指定公共機関などで「訓練」が行われ、自治会や、自主防災組織、ボランティアが動員され、政府の指示に従うよう国民の意識を誘導して、いつでも戦争ができる国民や自治体をつくることがねらわれています。

  法では「協力は国民の自発的意志にゆだねられる」「思想及び良心の自由を脅かすものであってはならない」と定めていますが、第10章では罰則が設けられ、実際には、人権をことごとく否定しているのです。
  また国民保護法の眼目である住民の避難はきわめて非現実的であることが指摘されています。鳥取県等主催の「国民保護フォーラム」で、鳥取市民12万人を避難させることは検討の余地を超えるものだと発言されています。

  自衛隊幹部は、鳥取県での訓練国民保護担当職員教育)で、住民避難は「戦場においてはじゃまになる者を立ち去らせることが目的」とのべています。このように住民の避難は『国民の保護』とは掛け離れたものです。

  小泉内閣は、「武力行使をともなう多国籍軍への自衛隊参加は、憲法上許されない」という歴代政府の憲法見解もふみにじり、イラク多国籍軍に公然と参加を強行。その先には憲法9条にまで手をつけ、米軍の戦争に全面的に参戦する改憲への道が構想されています。これを許してはならないと、全国に憲法を守れの運動が広がっています。

  政府は、日本が直接進攻される「日本有事の可能性はきわめて低い」としていますが、現状ではアメリカの引き起こす戦争に日本が巻き込まれる危険が起こっています。

  住民の安全を守る責務がある自治体の役割は、何よりも、平和憲法を守り、このような戦争の危険が生じないように全力をあげることです。政府の危険なアメリカ追随の戦争協力をやめさせるために、行動することです。

  国民保護法により「国民保護に関する計画を策定」「国民保護協議会の設置」が義務づけられていますが、これを拒否した場合に自治体に対する罰則、制裁の規定はなく、条例制定の期限を限定していません。

  また、保護対策本部は、政府が特定の県を指定したときに設置される仕組みになっており、保護対策は対策本部の有無にかかわらず、実施することができるとしており、条例制定を急ぐ理由はありません。

  国民保護法対策本部等に関する条例が今議会に提出されていますが、県民には、有事法制について、ほとんどその内容は知らされず、合意も得られていない今、急いで条例制定をする必要はないと考えますが、いかがでしょうか。

  県の保護計画をつくるときには、内閣総理大臣との協議や助言をうけることとされ、日常的に国による統制がされるのに、議会には報告のみというのは問題です。協議会メンバーには自衛隊に所属するものを含むと規定され、防衛庁が自衛官を任命するなど、軍事色の強い計画とならざるをえません。

  あくまで、国の圧力により「国民保護計画」をつくるということであっても、作成過程について、住民参加の場をもうけ、情報を公開し、議会での慎重な審議を保障することを求めます。

  そのうえで、自治体として国民保護法の運用上の問題については、法令にもとづいて事務をおこなうとしても、国、自衛隊及び在日米軍の戦争のための軍事行動やそれにともなう県民の権利をそこねる業務については、知事は県民の安全、いのちを守る立場にあることから、県として自主的な判断をして、「必要に応じて国に対抗することもある」という立場で望むべきと思います。いかがでしょうか。

柿本善也知事答弁国民保護法の目的は武力攻撃や大規模テロの際に国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活や国民経済に及ぼす影響が最小となるように国民の保護のための措置を的確かつ迅速に資することにあると考えております。

  国民保護法は昨年9月17日に施行されておりまして、同法において国民保護対策本部、国民保護協議会の設置について規定されております。今議会に国民保護対策本部及び国民保護協議会の関係条例を提案しているところでござます。

  国民保護対策本部につきましては、武力攻撃や大規模テロの事態において、国から国民保護対策本部を設置すべき地方公共団体として指定の通知があった場合に、設置するものでございます。国民保護のための措置の総合的の推進に関する事務をつかさどることになります。また、国民保護協議会は国民の保護のための措置に関し、幅広く住民の意見を聞き、国民の保護のための措置に関し重要事項を審議するほか、国民保護計画の作成にあたって答申をおこなうなどの施策を総合的に推進するために設けられるものでございます。

  なお、本県では間もなく国から示される基本指針に基づいて、平成17年度にこの国民保護計画を作成することになっております。

  また、国民保護法におきましては、国民の保護の実施にあたっては、憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならない、また、仮に自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は必要最小減のものに限られ、公正かつ適正な手続きのもとにおこなわれるものとされているところであり、さらに国民保護のための措置の実施にともなう損失補償など国民の権利、利益の救済にかかることについてはできる限り迅速に処理するように努めなければならない等規定されているところでございます。

  いずれにいたしましても、県民の生命、財産を守るべき重要な役割をになっている立場にある県といたしましては、国民保護法に定められた責務を適切に果たすことにより、武力攻撃や大規模なテロが万一、発生した場合は、県民生活に及ぼす影響が最小となるよう万全を期してまいる必要があると考えている次第でございます。

山村さちほ議員知事の独自の判断はあるのかということをお聞きしたんですが、それについておこたえいただいたでしょうか。

柿本善也知事答弁国民保護法に関する事務に関しましては、この法律の趣旨からいたしまして、県民の生命、財産を守るべき重要な役割をになっている立場にある県、地方自治体として、法律に定められた責務を適切に果たすことにより、万一の場合に県民生活への影響が最小となるよう万全を期すると、こういう考え方を申しあげたわけであります。それ以上に、どういう事態か分からないのに独自の考えが先にあるという発想を持つわけにまいりませんので、その事態に応じて、趣旨にしたがって、行動することになろうかと、以上でございます。

山村さちほ議員質問どのようなことがおこるか想定できないということですが、そういうことなら、私は、今、この条例を急いでつくったり、起こることが予測されない今の状態で国民保護に関する条例を無理につくる必要はないと思います。

柿本善也知事答弁私への質問かどうかわかりませんでしたが、立ったついでに、お答えしておきます。確かに来るかこないか知れませんが。例えば、いろいろな犯罪が起こるかわからんけど鍵をかけておくとか、何かの備えをしておくというのは普通の判断ではないかと思います。私は条例等、制定していったことは、早いとは思っておりません。これは質問ではなかったので、付け加えさせていただきます。

財政面からだけではなく、県民の暮らしを守るという観点での行財政改革に取り組むべき

県民参加、県民本位の事業評価で無駄な事業を削り、自治体本来の役割をはたすべきとき

山村さちほ議員質問つぎに「行財政運営」について、おうかがいします。
  新年度の政府予算案は所得税住民税の定率減税半減を皮切りとする、本格的な増税路線に足を踏み出すもので、マスコミ各社も、「本格増税路線 明確に」「老いも若きも負担増」と、いっせいに報道しています。また、2006年度までの「三位一体の改革」の全体像が明らかになり、これを反映したものです。

  これらは、県民の暮らしと経済に重大な打撃を与えるものであり、県民の暮らしを守る県政の役割はますます重要です。同時に、地方財政を圧迫する、「分権」とは名ばかりの政府の「三位一体の改革」には、きっぱりと対決していくことが求められています。

  地方からは、国のひもつき補助金をへらして、税源を地方に移譲することによって、地方自治体の自主性が高まるのではないかとの期待がよせられていましたが、まっさきに改革されるべき、公共事業関係の補助金はほとんど手付かずです。

  政府は、問題点の改革ではなく、制度そのものを廃止し、大幅に縮小していく方向です。補助負担金の多くは、憲法に根差す国民の権利を保障する国の財政的な仕組みです。問題があるからといって(国庫補助負担金を)なくしてよいのかが問われています。

  なかでも、義務教育費の国庫補助負担金制度は憲法26条が国民の教育権を保障し、そのため「義務教育はこれを無償とする」と定めていることが根拠です。義務教育費国庫負担法では、国は「公立の義務教育教職員給与、報酬などの実支出の1/2を負担する」と明記しています。

  生活保護費の4分の3、国民健康保険の療養費などの2分の1、介護保険給付費の4分の1など、社会保障、福祉関係の負担金は憲法25条にもとづいて法律で定められているものです。生活保護費の国庫負担4分の3を縮減することについては、全国から強い反対があり、奈良県も制度の維持を求めていると聞いています。

  義務教育費国庫補助負担金については、国民の権利と国の責任に属するものであり、税源移譲の対象とすべきでないと考えますが、いかがでしょうか。教育長におたずねします。

  政府のいうように補助負担金の廃止、縮減にみあう分を税源移譲されたとしても、将来にわたって、その保障はありません。

  文部科学省の試算では、2003年度の義務教育費国庫負担金総額を同額の個人住民税のフラット化で税源移譲する場合、7都府県は負担金より増収だが、40道府県は減少になるとされています。また、現在よりも必要経費が増加していった場合、収入となる個人住民税は必ずしも増える訳ではありません。

  こうした財源不足が生じた時に、それをカバーするのが地方交付税のはずです。ところが政府は当面の2年間は、地方交付税水準を維持するが、その後は、削減していこうとしています。このような国の意向は、けっして容認できません。

  引き続き、地方交付税の基本的な機能と必要な総額の堅持を求める取り組みをいっそう強められることを求めます。

  次に、行財政改革について伺います。県民の暮らしに不安が広がり、福祉拡充を求める願いは切実です。このようなときに、財政が厳しくても、県民の暮らしを応援するために限られた予算を、創意工夫して使うことこそ大切です。そのための行財政改革が求められています。

  県の財政危機は、(財政健全化指針のなかで述べているように、)長期の不況により、税収入がのびないもとで、1991年から国のすすめる総合経済対策に呼応して借金に依存して公共事業を積みましてきたことによるものです。

  1990年には一般会計の3183億円であった県債残高が17年度末には9721億円になり、3・1倍に増加。県税収入の9・4倍となっています。

  このうち、多くは国が返済の財政措置をする約束の借金ですが、それもあやうくなっています。
  また、万葉文化館や治水に役立たない岩井川ダム、農業に役立たない大規模な農道など巨額の費用を投じる大型公共事業と、見通しのない関西学研の開発などに投資を続けてきたことも一因です。
  行財政の改革というのなら、不要不急の大型公共事業のむだをなくすことが第1です。

  ところが、県行財政改革は、職員定数の削減や人件費の抑制で、スリムな行政運営、事業見直し、コスト縮減、「民間への委託」をすすめてきました。これらは国基準以上の自治体独自の仕事をしない方向、自治体の責任ですべき仕事をできるだけ民間に任せてしまう、残された自治体の仕事も、民間並の効率、民間ベースの採算基準で見直していくものです。

  今年の経費節減の取り組みのなかでは、高齢者紙おむつ支給事業の対象を減らす、福祉電話の基本料金や敬老祝い金の助成を削る、福祉医療制度の後退など県民福祉を削っています。(県民への痛みおしつけです。)

  しかも、今後、公の施設の管理委託に、民間営利企業が参入できる「指定管理者制度」の導入もすすめられます。住民にとって重要な公の施設を公共性をもたない営利を目的とする民間企業にまかせる、こんなことで自治体の責任を果たせるのでしょうか。これでは、自治体が自治体でなくなってしまいます。

  県民は「県立高校を減らさないで」、30人学級の実現や県独自の介護保険の利用料減免制度、3800人も待機をしている特別養護老人ホームを増やしてほしいなど福祉、教育の充実を切実に求めています。お金がないからといって、切実な願いを退けられていると、強い批判の声が寄せられています。

  県民のための、ほんとうの改革とするなら、その目的はなによりも、暮らしと福祉の向上をめざすことにおき、自治体らしい自治体をめざすべきです。国がやらないことを住民のニーズにあわせて、自治体が独自にやってこそ、また民間では採算のとれない部門をになってこそ、自治体の値打ちがあるのではないでしょうか。

  全職員が創意工夫して民主的に無駄をなくす努力をすることも重要です。
  同時に、県民が合意と納得のできる改革の基準を公表して、大型公共事業、開発計画はじめ、公共事業、事務事業の見直しは、県民参加ですすめることが必要です。そのためにも、事業評価は効率のみを評価基準とせず、住民の生活、健康、福祉など権利保障がどれだけ達成されたのかを評価すること。そして評価結果の公表だけでなく、評価の各段階で方法や具体的データについて住民への公開をするとともに、県民参加の機会を保障すべきです。

  今年度予算では、公共事業の重点化を図るとして、単独公共事業を大きく減らしていますが、高速道路建設の負担金は大きく増やしています。どのような基準で見直したのか、公表されていません。
  公共事業の見直しは、1公共事業予算がほかの予算と整合性がとれているものにする、2生活改善に役立つ事業を優先する、3公共事業を通じて、住民の主体的なまちづくりを発展させる、4地域経済の再生につながるように位置づける、の点からすすめていくべきです。

  県は、第2次新行財政改革実施計画を策定し、さらに推進していくとされていますが、財政面だけではなく、県民の暮らしを守るという観点での行財政改革をすすめるべきと考えますがいかがでしょうか。総務部長におたずねします。

滝川伸輔総務部長答弁行財政改革にあたりましては、財政面ばかりではなく、県民の視点や長期的な展望にたち、限られた資源を最大限、有効に活用するというのが県の基本的な考え方でございます。

  すなわち、非常に厳しい財政状況のもと、持続可能な財政基盤の確立が最も重要であり、本県も財政特別点検などに取り組んでまいりましたが、これも単に、財政論だけで申し上げているわけではなく、県民の皆様にとって真に必要なサービスを安定的に供給し続けるために必要であるからこそ、取り組んでいるものでございます。また、本県の将来展望につながります福祉、健康、教育、安全安心、産業、観光振興をはじめ、各分野で新規施策にも積極的に取り組むこととしているところであります。

  ただ、そのためには従来からの事業について、社会経済情勢の変化に応じた見直しをおこなうのは当然のことであります。その際には、県民参加型の県政運営も重要な視点と考えており、ここの事業の見直しに当たりまして、関係方面にできるだけていねいに説明していく必要があるものの、これまで申し上げあげた視点にたった行財政改革については、全体として県民の皆様のご理解とご協力をいただけるものと信じてすすめているところでございます。

  三位一体の改革に名を借りた国から地方への負担転嫁といったことがおこなわれることがないよう、国に対して主張や働きかけをおこなっていくことは当然でございますけれども、一方で、県として精一杯の自己努力をすべきことも、これもこの時代にあって、当然のことと認識しております。

  こうした考え方を踏まえ、引き続き行財政改革を強力にすすめていき、新たな政策課題にも積極的に取り組んでまいる考えでございます。

矢和多忠一教育長答弁三位一体の改革につきましては地方の自主性を高めるため、地方財源を裁量性の高いものに変えていくことを目的としているものであり、国庫補助負担金の縮減に見合った税源移譲と地方交付税による財源調整、その他の地方交付税の総額確保が大前提であると理解をいたしております。

  ご質問の義務教育費国庫負担金の制度に関しましては、義務教育の保障と教育水準の維持向上を図ることは国の責務であり、そのための経費にかかる財源措置につきましては、国が責任をもっておこなうべきものであると考えております。

  この考えのもと、義務教育費の財源確保につきましては、政府予算編成の関する提言、要望の最重要項目の1つとして特に、義務教育に関する教職員の給与等にかかわる財源の確保をかかげ、国が負担すべき経費を地方に転嫁することなく、地域間の財源の偏在を解消する仕組みとともに、財源を確保するよう平成14年11月から国に対しまして強く要望してきたところでございます。

  平成17年度の政府予算案におきましては、昨年8月の地方6団体案をうけて、11月26日に合意された政府与党協議の内容を踏まえ、中央教育審議会の結論を得るまでの暫定措置として義務教育費国庫負担金を4250億円減額をし、同じ額を税源移譲予定特例交付金で措置されたところでございます。現在、中央教育審議会におきましては、新たに義務教育特別部会をおき義務教育の在り方全般について、本年10月末の答申にむけ、審議がはじまったところであり、その進捗、動向を注視していきたいと考えております。

  いずれにいたしましても、引き続き、教職員の給与等にかかる財源が確保されるようあらゆる機会をとらえまして、関係省庁に要望してまいります。

将来に渡り持続可能な制度にと利用者負担を増加させる県福祉医療制度の改悪はやめ、いっそうの拡充を求めます

山村さちほ議員質問県は福祉医療検討会の提言をうけて、現行の福祉医療制度を県民負担を増大させる後退をさせようとしています。この中で、乳幼児医療費の助成にようやく、入院のみではありますが就学前までの対象を拡大されることは、県民の強い願いに答えるもので、大変喜ばしいことです。

  提言は、「制度を将来にわたり持続可能で安定的な制度とする必要がある」といいますが、このような考え方は、財政面のみに主眼をおいたもので、制度が県民の暮らしになくてはならないものとなっている、この実態は全く考慮されず、低所得の方々にとって、「お金の心配をしなくても医療がうけられる」命を守る県民のための制度であるという本来の意義を忘れたものであるといわねばなりません。

  今、政府の医療改悪によって、健保本人3割負担や高齢者の医療負担増など、医療がうけにくくされているなかで、県独自の現行制度はより改善していくことこそ求められています。

  また、県下の市町村では県の施策より以上に、独自の上乗せをおこなっております。乳幼児医療費助成は8市町村で助成の対象年齢を引き上げ、所得制限をなくすところが31市町村、緩和するところが4町村、一部負担金の助成は22自治体となっています。母子医療費助成でも拡大助成27市町村、所得制限なし26自治体、心身障害者医療費助成でも拡大助成32、所得制限なしは28自治体。住民の願いにそって努力されています。県は、こうした市町村を励まし援助することこそ必要であり、後退は許されません。

  老人医療費助成制度を段階的に廃止するとしていますが、この制度はとりわけ重要な独自施策です。(70年代に全国に先駆けて取り組まれた歴史ある制度です。)

  現行制度はもともと所得制限があり、経済的弱者を対象としてきました。現在も受給者は18800人(H15年)の実績があり、年々利用が増え、命と健康を守るよりどころになっています。

  高齢者対策は70歳以上と、県はいいますが、65歳から高齢者への負担が、今ますます増大しております。老齢者控除廃止、公的年金等控除縮小、高齢者の非課税措置の廃止などで、増税になれば、介護保険料や国保税の増額につながり、雪だるま式にお年寄り世帯を増税がおそってくるのです。住民税非課税世帯はさらに低所得の水準となり、その暮らしは深刻です。

  このようなとき、制度の廃止は命を脅かすものになります。県内の開業医の方々からも、「老人医療の窓口負担が増えてからは、受診の回数を減らす人が増え、薬も1カ月の処方をすると2カ月以上受診しない、血液検査が定期的に必要な人でも、検査はもう少しまってほしいと言われ、医師として患者の健康を守る上で、とてもつらい状態になっている」「今の制度で、これから65歳になり、受診できるはずの人たちが、たちまち、医者にかかれなくなるのではないか?」。なんとか続けてほしいと、切実な声が出されています。

  福祉医療制度の改悪中止を求める県民の運動は短期間に広がり、県内各地の100を超える老人会、老人クラブからも、あっと言う間に5000筆もの署名が寄せられるなど、知事あての要望署名は、1カ月間に12000筆を超えています。障害者10団体からは要望書や点字ハガキも含めて要望ハガキが届けられています。

  老人医療費助成制度は、現行の継続を求めますが、いかがでしょうか。
  また一部負担金をすべての制度に導入するとしています。「低額だから全員に負担を求める、福祉は無料でない」といいますが、生まれながらに障害があり、医療が継続的に必要な人たちにとって、毎月毎月500円の負担は大きな負担です。経済的に困難な人ほど医療をうけにくくなります。

  働きたくても働けない、「収入が少ない」弱者を守ることこそ、福祉の役割です。「本当に実態をみて、議論されているのか?」と、強い怒りの声が寄せられています。
  すべての制度に一部負担金を導入するべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

  次に、すべての制度を自動償還方式に統一するとしていますが、確かに、自動償還方式は現行の償還払いと比べ、事務手続きの簡素化など、すぐれた点はありますが、いったん、窓口で2〜3割の自己負担分全額の支払いをしなくてはならない、住民にとっては使いづらい制度です。
  「手持ちのお金がなかったら、受診を控えてしまう」。障害のある人は「窓口無料なら行きやすいが、家族にも遠慮して、なかなか『病院へ連れて行って』とはいいにくい」と訴えています。
  受診抑制から、重症化の危険が指摘されています。窓口無料にという願いは切実で、全国では、現物給付方式を広げようと努力している県、市町村が増えています。
  貸付制度をつくるといいますが、この貸付を利用する手続きは、利用者への負担を強いるものとなります。すべての制度を自動償還方式とせず、現行の現物給付は守ることを求めますが、いかがお考えでしょうか。

上森健廣福祉部長答弁福祉医療制度の見直しは、制度全体を将来にわたり持続可能な安定的な制度とすることを基本理念としてとりまとめられました福祉医療検討委員会の提言の趣旨を十分に尊重して、平成16年11月に県議会にもご報告の上、県としての改正内容を決定したものでございます。ご理解のほどをたまわりたいと思います。

  65歳以上70歳未満の方を対象とする県単の老人医療費は国の医療制度において、老人保健制度の対象年齢が70歳から75歳に引き上げられたことにより、老健制度と県単の老人医療制度とで対象年齢に透き間が生じていること、また、介護保険制度創設など高齢者をとりまく状況が大きく変化をしております。本制度を地方が単独で実施する意義がすでに希薄化していること、また全国的な制度廃止の動向も踏まえながら、経過措置をもうけて廃止をするとしたところでございます。

  (一部負担金導入について)  今回のお見直しにおきまして、導入をいたします一部負担金は福祉医療制度を将来にわたり持続させるため、広く薄く支え合う観点からの最低限の一部負担金であると認識をいたしております。そして他府県の状況や医療の質、量にかかわらず発生する基礎的な費用である、例えば初診料等の自己負担相当額をも考慮をいたしまして、通院については月500円、入院についてが原則月1000円とするが、入院につきましては2週間以内は500円としたところであります。なお、障害者医療等につきましては、医療費は増加をしておりますが、受給者の現状を考慮し現行制度の対象を維持継続するとしたところでございます。

  (現物給付の維持について)  現行は現物給付と償還払いの併存となっており、医療機関及び、市町村においても違う事務をおこなわざるを得ず、事務処理が繁雑となっております。また、償還払いでは支給をうけるために自己負担額の証明書等を取り揃え、役場などに出向いて申請をおこなう必要があり、受給者や市町村においても事務負担となっているところであります。このため、これらの課題を総合的に解決する方策として、自動償還方式に統一することとしているものであり、全体的に総合的に見た場合、受給者等の事務の軽減につながると考えております。なお、市町村におきまして、窓口での支払いが困難な受給者も想定した手続きも、簡便な貸し付け制度を設置をいただくようにお願いをしており、セイフティネットとしての措置もする考えであります。

山村さちほ議員質問老人福祉医療制度の廃止をいたしますと、どのような影響がでるのか。これからうける方については、今うけているわけではないから影響がでないなどということは、実際には、実態調査、どんな人たちがどれだけうけておられるのか、どういう影響がでるのかといった、実態調査をさられたのかどうかをお聞きしたいと思います。

  窓口での負担が増えますと、受診抑制が起こって、健康が悪化するのではないかと思いますが、その点についてはいかが、お考えですか。医療費がこれから増えて行く、介護も増えて行くということは、改悪の理由にもなっているわけですが、これを押さえて行くためにも、早期発見早期治療が必要だと思うんですが、その辺についてはいかがお考えでしょうか。

  この、70歳以上に医療の制度を後退させましたのは、国の責任です。そういう国がやらないことを自治体毒刃にやってこそ、値打ちがあると思いますが、福祉はもともと、だれでも全員に負担をさせる、「平等」に負担させる利用に応じて負担という考え方ではなくて、負担能力に応じて、負担するという考え方だと思いますが、その辺は部長としてはどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。

上森健廣福祉部長答弁老人福祉の切り捨てという形で再質問をいただいております。現在、高齢者を取り巻く状況は基本的に大きく変わってきたといういうのが、大きな理由でございます。少なくとも、現在、受診中の方々につきましては、経過措置をもうけておりますので、そのまま、引き続き70歳までお使いをいただけるということにいたしております。その間に老健保険、介護保険等もできてきているという、そういう意味では、取り巻く状況が大きく変わってきているというのが大きな点でございます。

  窓口での受診抑制になるのではないかということですが、基本的に現在の現物と償還の両方、入り交じった状況を新たな自動償還払いに統一しようということでございますので、いずれにしても、1回限りの手続きで、それなりのことができると思っておりますので、もう1つは、貸し付け制度についても非常に簡便な制度を考えておりますから。受診抑制にはならないと考えております。

山村さちほ議員質問受診抑制はおこらないし、健康悪化には通じないという。そういう根拠、調査をされてだされたんですか。そのことをお聞きしましたが、お答えがなかったと思います。
  今、県民の方々は、結果だけを知らされて、どうしてこういうふうになったのか、そういうことについて意見も聞かれないと。大きく制度が変わるのに、当事者もの意見も聞いていただいていない。一方的に結果だけを押し付けるやり方ではないかと言われております。その点について説明がされているとは言えないと思います。総務部長も行財政改革のなかで、県民には理解と協力が得られているとおっしゃっていますけれども、決して、理解や協力が得られるような手続き、いっさいされていないんじゃないでしょうか。

上森健廣福祉部長答弁少なくとも、この提言は福祉医療検討委員会、福祉医療の提言を十分に尊重しながら、今回の改正をしたということでございます。検討委員会のなかでは、それぞれ専門家、保険者も入れた中で、それぞれの方が、シュミレーションをしながら、それなりの検討をしたということでございます。

世界遺産を守るには、地上であれ地下であれ、高速道路を平城京域に通過させる計画はやめるべき

山村さちほ議員質問京奈和自動車道の大和北ルートの建設については、第27回、28回世界遺産委員会でも審査がなされ、世界遺産を道路建設による破壊から守ろうと運動を広げている市民団体も、日本のNGOの代表としてオブザーバー参加しています。

  世界遺産委員会は「世界遺産を開発によって、破壊してはならない」としていますが、この道路建設の目的は、京都と和歌山を結ぶ、高規格幹線道路で、近畿大都市圏での時間短縮を図るとともに、京都から奈良、和歌山の拠点都市の連携強化を図る役割をもっている、開発を目的とするものであります。

  ところが、政府はこの目的を報告せず、2004年2月のユネスコへの報告では、慢性的な交通渋滞の解消、他地域の生活道路と比べて約9倍もの交通事故が発生していると、実際には事故は1・7倍であるのに、実態をいつわるデータを使って、報告をしているのです。この点は、国会質問で追求され、明らかになっています。

  現在、都市計画決定にむけて、奈良県都市計画審議会の(「京奈和自動車道(大和北道路)環境影響評価検討専門部会」で審議がはじまり、「方法書」決定のための「影響評価審査部会」も開かれています。)環境アセスメントが始まりました。
  この環境アセスもふくめて、日本政府は世界遺産委員会に、道路を整備しない案も含めて幅広く構造案を比較検討していると報告をしていますが、日本でおこなわれている環境アセスによって今日まで高速道路計画が(中止)された実績はないのです。

  本来なら、方法書には中止も含めて、比較検討する複数の代替案が示され、方法書段階で地元住民やNGO、専門家が比較検討できるようにすべきです。
  住民から形だけの意見を聞き、答えを返すだけという1回のやりとりだけではなく、相互の意見交換を繰り返すことができる、本当の住民参加とする運営が必要ですが、これも日本では例がありません。
  審査委員は公募制によるものではなく、委員の中立と公平性を欠くことになるなど、問題が多いやり方がすすめられています。
  環境アセスには、県民的に関心が高く、方法書に対する意見は55名から80項目、多岐多様なものがだされています。
  世界遺産を守ることができるのかと強く、心配しておられるものが多くあります。
  実際、世界遺産、東大寺の大仏にもすでに大気汚染の影響が及んでいると専門家から指摘をされていますが、長年にわたって蓄積する影響を受ける文化財を大気汚染から守る基準はまだありません。
  また、2月25日には、国土交通省など「大和北道路シンポジウム実行委員会」主催のシンポジウムが開かれ、パネラーの2氏が、世界遺産のバッファーゾーン内を通る地下トンネル案推奨を強力に述べていますが、その根拠とする国土交通省の「地下水検討委員会」の結論は、シュミレーションによる予測の計算であり、トンネル建設によって地下水の変動がほとんどないという「確定」や「保障」ではありません。
  国土問題研究会は地下水検討委員会の結論について「ボーリングの数は少なく、コンピュータ神話におちいった、信頼できないもの」と批判しています。

  またトンネル案となれば、トンネルの出口、入口でそれぞれ約1キロメートルずつ、面積にして約100ヘクタールの開削工法での工事となるために、大規模な地下遺構を破壊し、地下水脈も断ち切ることになります。南側出入り口周辺には、平城京東市、濠河、大安寺境内などの重要な遺構が存在しており、平城京の八条や九条のあたりでも木簡が発掘されています。

  平城京につながる松林苑地は奈良市の焼却場あたりにまで広がっていると、研究調査されています。これらの破壊の恐れがある無謀な計画です。
  また、平成15年5月30日の大和北道路有識者委員会でのヒヤリングで、社団法人日本トンネル技術協会の三浦氏は「コンピュータ管理の世界最高の技術をもつ日本のシールド工法だから、事故も皆無」とのべていますが、その2年前の平成13年5月17日に京都国道工事事務所がシールド工法で淀川の堤防が40センチも沈下した事実を記者会見であきらかにしています。このように、シールド工法は安全、正確なものではないということも明らかになっています。
  この点について、土木部長はいかがお考えでしょうか。

  世界遺産委員会は、世界遺産の「完全性」と「真正性」をもとめています。世界遺産を守る県の責任が問われています。道路なら代替する方法を考えることができますが、1300年間も水と土によって保存されてきた世界遺産である木簡などは、一瞬にして消えてなくなるおそれがあるのです。
  わずか100年足らずの道路のために、「とりかえしのつかない」危険が万に一でもあることは、すべきではありません。
世界遺産を守るため、平城京域を通過する高速道路は地上であれ地下であれ、建設すべきでないと考えます。政府に撤回をもとめるべきと考えますが、いかがでしょうか。

南哲行土木部長答弁(シールド工法の安全性、正確性)  シールド工は質問のなかの、木津川横断部のトンネル工事以後も、さらにコンピュータの発達により、格段に進歩しているところであります。例えば、24時間の管理体制が確立されたこと、ジャイロスコープと歪みセンサーによるチェックで、初期の修正により歪みをほとんど生じなくなったこと、これらのことにより、より安全な施工管理体制が可能となっているところでございます。

  (大和北道路の建設をしないよう国に求めること)  京奈和自動車道は大和平野を南北に縦断しております京都と和歌山を結ぶ高規格道路でございます。近畿大都市圏での時間短縮を図るとともに、京都から和歌山の拠点都市の連携強化を図る役割をもつ自動車専用道路であります。加えまして、本県におきましてはなら半日交通圏構想の機軸となり県内道路網の骨格となる重要な道路でござます。このようなことから、この道路につきましては、多くの県民、関係団体、及び県外のお方が他からも建設促進の要請をいただいているところであります。また県議会におかれましても、平成14年3月に京奈和自動車道の建設促進を求める意見書が採択をされまして、内閣総理大臣をはじめ、関係各省庁、国会議員の方々に提出がなされているところでございます。さらに平成14年12月には、京奈和自動車道建設促進議員連盟が結成されまして、大和北道路も含め、京奈和自動車道の早期完成について要望活動もなされてございます。

  これらのことから、県民の悲願ともいえる大和北道路の建設を国に撤回を求めることは不適切であると考えております。引き続き、早期建設、完成を強く国に要望して行くとしております。

  ここで、議員のご質問のなかに、技術的なことで特に気づいた点がございますので、1点、意見をのべさせていただきたい。トンネルの出口、入口で約100ヘクタールの掘削工事という表現がござました。100へクタールといいますのは、仮に議員お述べのように出口と入口で延長2キロメートルの開削工事をしたとしまうと、掘削の平均幅が500メートルとなります。このようなことは、大和北道路は4車線の道路であることからありえることではございません。

山村さちほ議員質問シールド工法でひずみはほとんど生じないとおっしゃいました。生じる可能性というのは、まったくないと否定されるわけではないんですね。そこを聞いておきます。
  出入口で2キロ。私は専門家ではありませんから、間違った数字を申しました。ということでありますなら、正確にはどのようになるのか、それもお答えいただきたいと思います。

南哲行土木部長答弁シールド工法につきましては、現時点でもほとんど歪みがないということでございます。国におきましては、今後、さらに研究が重ねられるということで、今後とも技術革新をしまして、さらに、確立された新技術を、着手時には導入されるだろうと考えておるところでございます。
  出入口の数値といわれました。これにつきましては、県の土木部といたしましては事業者でもございませんので、把握をしておりません。

山村さちほ議員質問歪みがほとんど生じないということで、生じる可能性も否定できるものではないということははっきりいたしました。それから出入口の問題ですけれども、私に間違いを指摘するんでしたら、正しい答えはどうかということをはっきりさせてしてください。大変、失礼だと思います。

南哲行土木部長答弁歪みは、なかにはカーブがあるわけで、それを三角定規で歪みはないのかと問われたのと一緒だと、私は理解をしています。
  先程の正確な数字は把握していない、これは事業者が調査検討ておりまして、数字は私の方では聞いていないということでございます。私が申し上げましたのは、4車線の自動車道といいますと、議会棟の前の大宮道路、4車線歩道付で約25、6メートルだと思っています。それをつくるのに、500メートルを掘削するということは土木技術としてありえないと申し上げたのでございます。

県は生駒総合病院閉院は医療の空白をつくらないよう最善の支援を(要望)

山村さちほ議員質問生駒総合病院は一般救急、小児救急、在宅老人の終末医療等不採算の医療を提供し、外来には1日平均500人の患者さんが通院、年間のべ18万人が利用している、なくてはならない病院です。ところが突然、今年3月末での廃院が決定されました。
  運営主体である国保連合会が設置し、県からも福祉部長が参加した、「生駒総合病院の運営に関する検討委員会」は、引き続き公的機関での医療の継続が必要だと答申しています。未だ移譲先が決まらないのに、廃院だけを決めた国保連の責任は重大です。

  地域住民、関係者、患者さんたちが存続を求める運動に立ち上がり、すでに27000筆をこえる署名があつめられ、生駒市に空白をつくらないよう医療の継続を求めています。県は国保連への指導監督する立場にあり、医療の継続が必要との答申を出した責任もあります。県民の医療を守る立場から、医療の空白をつくらないように最善の支援をされるよう要望します。

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