日本共産党奈良県議団
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議会報告・要約版
委員会2002年6月議会学研都市推進国際文化観光対策特別委員会
田中美智子県議
2002年6月17日

1.オオヤマト古墳群の保存と道路建設計画について

田中美智子質問オオヤマト古墳群の問題では、先ごろ県道天理環状線の建設計画がありヒエツカ古墳やノムギ塚古墳、マバカ古墳などが道路建設による影響があるのではないかということで、いろいろな団体から県道天理環状線の建設を中止してほしい、古墳にたいする史跡指定を前提として保存措置を講じてほしい、さらにオオヤマト古墳群とその周辺の歴史的環境の保全をおこなってほしいとの要望がでていることはご存知いただいていると思います。先日天理大学でオオヤマト古墳群と地域を考えるというシンポジウムがあり、私も参加をさせていただきましたが、300人もの参加者がり、関心が高いのに驚きました。
 まず、文化財保存の観点から、このオオヤマト古墳群の学術的価値はどういう位置づけがされているのかご説明をいただきたい。また史跡指定を前提とした保存対策を講じてほしいとか、オオヤマト古墳群とその周辺地域について歴史的文化的環境の保全を図ることという要望がだされていることについてどのようにうけとめて、対策としてはどのようにされようとしていかれるのか伺います。
 道路建設計画については、これまでも建設計画について皆さんから変更の要望などがあって、1回変更されたと聞いていますが、変更された今回の建設計画でも、やはり遺跡が壊されるのではないかという声があり、中止の要望があるわけですが、どのように対応していかれるのかうかがいます。

石本孝男文化財保存課長答弁オオヤマト古墳群は天理市南部から桜井市北部にかけて、柳本、巻向古墳等にわたり、3世紀から4世紀にかけてのわが国の古墳群としては大きいものでございます。その中には大型の前方後円墳であるとか、前方後方墳など40基を数えて、200メートルを超える大規模なものは宮内庁の管理する陵墓として指定をされております。県においては、天理市教育委員会、桜井市教育委員会の協力のもと、中山大塚古墳、下池山古墳、黒塚古墳などの学術調査を実施し、その解明につとめてきたところでございます。これらオオヤマト古墳群につきましては、古事記であるとか日本書記とか古代王権の宮が営まれたという伝承が言われており、わが国の古代国家の成立を考えるうえで重要な遺構と考えられております。
 史跡指定の考え方については、オオヤマト古墳群のなかで黒塚古墳が平成13年1月に指定され、天理市の櫛山古墳も史跡指定されております。先程申しましたように大型4基につきましては宮内庁の陵墓、陵墓参考地となっています。
 オオヤマト古墳群のエリアを将来にわたり保存することは重要であろうと考えておりますが、その一つとして史跡指定という手法があると存じます。史跡指定においては、地権者の土地利用の規制強化など財産権の保障の見地からも群全域を史跡指定することは非常に難しいかと思いますが、すでに調査が終わっております下池山古墳、中山大塚古墳などをはじめ古墳単体について、さらに調査をおこなうとともに保存方法について関係者との協議をしていきたいと考えております。これらの地域は、天理橿原桜井歴史的風土保存地区、山の辺地域風致保全地区として風致景観の維持がはかられているところでございますので、今後も、施策にのっとって保存景観が図られるものと考えます。

有田幸司道路建設課長答弁買収済みの道路建設予定地のなかでは順次発掘調査をおこなっていくということを予定しております。今後、この発掘調査結果をふまえ、文化財保存課長と調整協議をおこないながら、初期の目的を達成できるように県としてはすすめてまいりたい。

田中美智子質問道路建設で当初の目的を達成するためにということは、発掘調査をしていき、遺跡が発見されて、そこを通ってゆくということになった場合、どうなさるのでしょうか。その場合は、計画が変更されるのでしょうか。

有田幸司道路建設課長答弁遺跡がどのようなものか分からないために、遺跡調査をおこなうということであり、現時点でどのようなものかをだれも判断できる状況にないと考えております。ですから、遺跡調査の結果を踏まえて対応を考えていきたいと、そのように答えたつもりでございます。

2.弥生時代中期の大規模環濠集落がみつかった五條市中遺跡の保存のために県としての役割をはたせと求める

田中美智子質問五条市中町の中遺跡で、小学校の建て替え工事にともない発掘調査がおこなわれてきました。その結果、環濠と集落が同じ地域から見つかっているんです。珍しいことと聞いています。地域のみなさんも、学校の建設も大事だし、同時にこんな大きな環濠集落の遺跡が発掘されたわけだから、それも保存してほしい、子どもたちに教育的に活用できるようにしてほしいと要望していると聞いています。この遺跡は広がりがあるわけですから、史跡指定を前提に範囲確認調査や保存の対策などをおこなっていかないといけないと思いますが、その点、この遺跡の価値についてどのようにとらえたらいいのか、どのように保存してゆくのか、五条市に対してどのように県として支援をしてゆくのでしょうか。

石本孝男文化財保存課長答弁中遺跡は、五條市の阪合部小学校の改築にあたりまして昨年11月から本年6月まで、市の教育委員会によって事前発掘調査が実施されたところです。吉野川南岸の水面から約20メートル上部に位置しており、約2200平方メートル発掘調査をしているのですが、弥生時代中期におきます環濠集落の遺構、遺物などが発見されております。環濠は200メートルにも及ぶかと推定されるものでございます。調査が十分ではなく、規模等については確認されておりません。径が5メートルから8メートルにわたる竪穴式住居跡15基等も検出され、住居が密集するもの。吉野川流域の外の遺跡には比べられない稲作により生活を支えてきたという石庖丁等の遺物も発見されており、吉野川流域におきます集落としては特異ではないかなと考えております。
 十分な調査をされておりませんので、今後、エリア、詳細なる環濠集落等の調査等を五條市教育委員会におきまして実施されると思いますので、その都度、引き続き五條市教育委員会と協議しながら、遺跡についての保存方策等について考えていきたいと思います。

3.平城遷都1300年記念事業のマスタープランはいったん撤回して、本来の計画に作り直すことを提案します。

地下トンネル高速道路通過計画、復元された大極殿院で歴史野外劇の上演
非科学的な歴史感にたった時代認識など問題噴出

田中美智子質問平城遷都1300年記念事業マスタープラン、ただいま説明があったものですが、私たち日本共産党の県委員会としては、これを撤回して見直しをしてほしいと申し入れを、先ごろしたところでございます。
 何で、せっかくつくったものをそんなことを言うのかと取られるかもしれないんですが、実は、このプランについては、いろいろと吟味、検討をしていかなければならない問題があると考えております。例えば、記念事業の意義について、私たちが忘れかけている日本の心を再発見し、自らのありようを世界に示すまたとない好機としていたり、基本目的のなかで奈良を平城遷都1300年記念事業を日本の国の形、日本文化の基層を形成した奈良平城京の力を考えて行こうと位置づけていたり、シンボルとして平城宮第1次大極殿院を事業全体の練り上げや情報発信の象徴となるように、事業全体の求心力をもたすシンボルとして位置づけ、2010年までに復元完成をめざすとしていたり、その平城宮跡を活用して大極殿歴史野外劇などを上演するというようなことも想定されていたり、また大交流時代ということで、京奈和自動車道の整備促進などが明記されている、これら一つひとつに問題があると考えております。
 日本の国のかたちや、日本の文化の基層を、奈良平城京の時代になしたという点では、やはり、立場が非科学的であって特定の価値判断、歴史感を県政にもちこみ、県民におしつけるものだと問題を指摘してきました。シンボルとして大極殿院を2010年までに復元していくというようなことについても、この大極殿院についてはまだ、国民的な合意という点では、経済情勢という問題もあり、またこの大極殿院そのものが実際にはいろいろな資料に基づいて復元されるのかどうかについて疑問があるところでございますし、院については文化庁もまだ、どのように復元するのかについて計画を示していないところです。それを2010年ということで、とにかく急がせるということには問題があります。
 復元された大極殿院での歴史野外劇というような点でも、文化庁の歴史博物館構想のなかでは、現代的建物は建てずに、静かなたたずまいでというようにうたっているのと矛盾するのではないかということを指摘してきました。
 自動車道につきましては、その必要性について質問してきましたが、根拠がしめされません。とにかく、経済発展にとって必要だということでしたが、台数予測やなぜ大和北道路が必要なのかということについてなど根拠のご説明がありませんでした。また、とても2010年までに大和北道路ができるということにはならないというように思います。これを急がせて、何がなんでもやると引っ張っていこうとするのではないのか、財政的にも地元負担が3割ということになるわけですから、必要性との関係で問題がでてくると、埋蔵文化財、大気、古都と景観をこわしてゆくということもござます。
 さきごろ、国の地下水検討委員会の検討結果が明らかにされましたが、検討結論そのものにも問題があるのではないのかと、専門の方にご意見をうかがっています。京奈和自動車道については、いろいろな方々が、中止をすべきだという声をあげてきている、なのに、強硬にすすめてゆこうというのはやはり問題です。
 埋蔵文化財に関係する一部の人たちが言っていると言われる方もおられますが、例えば、東大寺の別当は「たかだか50年あまりの利便性や経済効率のみを追及して地下遺跡をこわす愚はさけたほうがよい。1300年、文化遺産を後世に引き継ぐ役目があります。後世に憂いを残さないほうがよいと思います」(奈良新聞報道当時)と言っておられますし、今、埋蔵文化財関係でけでなくて、いろいろな方たちから大和北道路の平城京(宮)内の通過問題について中止を求めたり、懸念の声がよせられているところです。
 私たちは奈良の文化財、奈良の1300年を振り返って今に生かしていくということについては反対するものではありません。県民の幸せにつながってゆく、奈良の自然や文化財を豊かに発展させてゆくという立場で、もう一度、プログラムは撤回していただいて、本意の計画に作り直して行くということが大事だと思うのですが、いかがでしょうか。

谷川正嗣企画部長答弁田中委員から縷々、お考えを・・。それぞれについておこたえすることについては差し控えたいと思っておりますが、我々といたしましては、悠久の日本の歴史、そのなかでの魅力を見つめ直しまして、やはり日本文化の再生と新たな創世をめざすということで非常に国民的意義があるものと考えております。本県は非常にたくさんの歴史文化遺産があります。こういう歴史文化遺産をはじめ本県のもつ潜在的な資源の魅力を高めるとともに、その創造的活用をはかることにより、未来にむけて継承発展させることが非常に大事なことではないのかと思っているところでございます。そうした意味で、マスタープラン策定にあたりましては、県民をはじめ幅広くご意見をちょうだいし、すでに、こういうすばらしい方々で2010年委員会も組織をしていただきまして、その中で決められたもので、見直し撤回というお話しでございましたが、われわれとしましては、そういう考えはございません。

4.住宅開発中心の高山第2工区開発は見通しもなく、ただちに中止すべきです

田中美智子質問新聞報道によりますと、高山第2工区の開発で、県と市が幹線道路の計画を当初案から大幅に縮小させて、これから具体化にむけてすすめてゆくということが書いてありました。県と市は夏の計画決定をめざして本格的に動き出すというようなことです。高山第2工区につきましては、これまでも委員会で度々取り上げてきましたので、繰り返しませんけれども、住宅ということでは民間の住宅をもっておられる方は今は3割は空いている、家賃を下げて、下げてやっと10%空きまでもってきたのかなと言っておられたり、公団住宅の住民が組織をしている自治会では住宅の空き具合を調査されましたが、これによりますと、例えば高の原第2住宅では空きが25%であるとか、駅東では16%、左京団地31%など、とにかく住宅は空いているということですから、宅地開発を含む高山第2工区の目的で、ずるずるとすすめてゆくということは、見通しもなく、きっぱりと中止すべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。

大野仁世学研協力課長答弁都市基盤整備公団等が実施しております都市開発事業が各地区とも厳しい状況におかれていることは十分に認識しているところでございます。ただ、その中においても、学研都市は関西文化学術研究都市建設促進法にもとづく国家的プロジェクトとして建設が現在推進されているものでございます。高山第2工区の整備は学研都市と大阪都心部を直結します京阪奈中枢部分を形成して、関西の都市再生に寄与する重要なプロジェクトとして従来から地元、関係機関から大きな期待がよせられているものでもございます。今後、京阪奈新線や連絡道などの周辺整備により、高山地区のポテンシャルが一層あがるものと考えております。中止というご意見もございましたが、県におきましては、事業予定者でございます都市基盤整備公団、また関係機関と緊密な連携協力を図りつつ、この事業の推進にむけた努力を図って参りたいと考えております。

田中美智子質問これから高山地区への期待がたかまってゆくというようなお話しでした。その根拠はどういうことでしょうか。

大野仁世学研協力課長答弁ただいま申し述べましたように周辺において、例えば京阪奈新線の駅が近辺にできる、あるいは周辺の道路事業がすすむということがございます。なお高山第2工区につきましては、中長期的な開発でございます。その中にあって、事業環境、経済情勢の推移などをみていき、事業の推進を図りたいと考えております。

田中美智子質問経済状況を踏まえたら、こういった開発に税金を注ぎ込んでいくべきではないと、例えて言えば、住宅は随分空き家があるわけですから、若い人たちが結婚して入りやすくするために家賃補助をするとか、いろいろもっと税金の使い方があるかと思いますので、わたしたちは、これはやはりむだになるのではないかと思っておりますので、中止を再度求めて、質問を終わります。(了)

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