日本共産党奈良県議団
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議会報告・要約版
委員会 2004年6月文教委員会
田中美智子県議
2004年6月18日
目次

高校再編年次計画の見直しを求める請願について

田中美智子議員質問 ただいま請願第5号が紹介されましたが、この会の方から、請願の趣旨についてもうすこし詳しく説明させてほしいということを、伺っておりますが、お図りいただけますでしょうか。

委員長説明 ただいま田中議員から、請願第5号、県立高校再編計画の見直しを求める請願書について、請願者から当委員会にたいして趣旨説明の申し出があるとの発言をいただきましたが、委員の皆様方、いかがいたしましょう。

新谷紘一議員説明 申し出はわからないこともないんですが、当委員会としては、お断りしてください。

委員長説明 賛否の意見がございますので、お図りいたします。請願者の趣旨説明を許可することに賛成の方はご起立願います。起立少数であります。(田中議員、梶川議員が起立)よって、請願者の趣旨説明は許可しないことに決しました。

県立高校統廃合年次計画の見直しを求める請願の採択を
高校設置条例「改正」条例に反対

田中美智子議員質問 請願にかかわってでございますが、この県立高校統廃合計画の発表とその後の問題点というのは、委員会でも審議をしてくるなかで、いろいろと明らかになってきたのではないかと思います。

 つまり、昨年の6月の半ばに、統廃合計画と年次計画が同時に発表される、決定されるということがありまして、それで即、今年度から実施するというようなことになりました。各学校、保護者、子どもたち、先生たち、地域の方たちはとまどったり、不安な思いをもたれたわけです。

統合の初年度03年に、どのような影響があったのか

 それで、県立高校の今回の統廃合問題をどのように受け止めたらいいだろうかということで、考える会をもちました所、そこでは、このまま強行してしてもらってはこまる、ぜひ凍結をして、みんなの意見を聞いて、合意のもとで改善点をみつけて、県民の願いにあった方向で考えてほしいということでございました。けれども実際には、請願は採択されずに、今年から4校なくなるということがスタートしました。実際に今年度、スタートしてみて、どんな影響がでていると県教委は考えているのかということ、まず伺います。

子どもや父母の声を、どのように把握したのか

 子どもや父母、先生たちや地域、関係者のみなさんの意見を、どのような形で把握してきたのか。ここにも書いてありますけれども、今回、どこの高校にいったらいいのか分からない、統合された高校がどんな様子になるのか分からない、ということで、選択していく上で随分、不安だったということも伺っています。高田東高校などは1.8倍近くの競争率になるということがありました。全体としては結局、公立の全日制の高校にいけない、経済的な問題もあって私学を断念しなくてはならないような、つらい思いをしている子どもたちもいると聞いております。

 そういう問題について、さまざまな影響、問題点について、皆さんの意見や指摘も含めて、どのように県は把握しているのか。そういった問題を把握すれば、おのずと見直しや改善等という方向になるかと思いますが、その点、ちゃんとつかんだのかということを、伺います。

 条例で、統合校名をどのように選んでいったかということで、報告の資料をいただきました。新しく、この条例は10校を5校に統合するということで、名前が示されたわけですけれども、これを見ますと、例えば、志貴、桜井商業高校の統合校ですと、同窓会では当初、同窓会としての出身校への強い思いから従来の校名の存続の動きも見られた、しかし、その後も理解を求め、努力を続け、現在ではそれぞれの会の存続、運営などの課題はあるものの、関係者の理解は得られていると書かれております。理解できないという声も聞いております。

  片桐、斑鳩統合校のところを見ますと「しかしながら両校の関係者にもそれぞれの思いがあって、1つにまとめる方向性は見いだせず、校名については最終的に両校の校長にまかせることで了承を得た」、つまり納得をしていないわけですよね。

それから、広陵、高田東高等学校統合校につきましても、高田東高校からは「県の方針である統合再編という趣旨から言うと、統合の名前、商陵高校でどうかという提案がされているけれども、受け入れられずに、両校の校長が繰り返し、話し合いをもって大和広陵という名前にしたのだ」ということであるとか、あるいは富雄、北大和高校の統合校、さきほど出された要望書に書かれてもいますが、同窓会関係者は、北大和高校以外は名前は考えられないと、それ以外は反対だということが出されていた、かたくなな姿勢であったと、すぐに理解を得る事は困難であるが、県教委の提出期限のこともあって、両校の校長が協議して、こういう名前にしたのだと、つまり奈良県立奈良北高等学校にしたのだと書いてあります。

十分な理解を得てすすんでいるのではない。やはり「先に統合ありき」の計画

 やはり、地域のみなさんの声、思いを十分に反映させて、これは決められていないではないですか。やはり、まずは統合していくということが先んじているのではないかと思います。その点でいいますと、私は3月には、大和高田市議会でも、計画について再検討してほしいと、もっと皆の意見をきいて周知徹底を図るとともに、合意をすすめていってほしいという意見書も採択されているわけです。

  当然のことです。つきましては、私はこの請願については、ここに書いてありますように、63.5%の枠をもっと増やして、学級の人数も30人学級に近づけて行くということをやれば、子どもたちの希望者は全員入学していける、そういう方向に改革ができるのに、それをしなないでいくということはやはり問題です。請願の言うことを十分にうけとめて、請願採択をぜひしていただきたいと、お願いするところです。

  条例については、報告がだされているように、皆さんが納得していないということで、無理無理、このような方向に引っ張っていかれたということが、読み取れますので、こんなことはすべきではないということで、条例に反対です。

矢和多忠一教育長説明 校名につきましては、育友会とか同窓会とか、関係者の皆さんに、名前、誇りや愛着も含めまして、さまざまな思いがあると十分承知をしております。そうした思いから、統合校の校名を検討する段階から、両校の関係者の意見も平行線をたどったのは、確かに事実でございまして、私のところにも、たくさんの方々からこれにかかわりまして、お話しをしていただきました。そういう思いも十分承知をしております。

  ただ、両校の校長は、それぞれの学校関係者の思いを十分に受け止めながら、最終的には新しい学校作りにふさわしい名前にすることによって、そういうことが一番大事であろうということで、もっとも大切にしながら、関係者に説明もしながら、検討をしてきたところでございます。

  最終的には両校の校長が判断をして、教育委員会に検討結果を報告していただきまして、教育委員会といたしましても、そうした学校の取り組みを尊重して判断をし、この度、条例改正をお願いしているところであります。校長先生が判断をし、報告する段階で、一部には関係者に納得をいただけないケースがあったことは事実でございますが、そのようなケースのみならず、現在の校名によせます様々な思いは率直にうけとめながら、これまでの両校の実績とか、特色とかを生かしながら、再編計画の趣旨にそった、新しい学校づくりを、きちっとすすめることで答えていきたい。そういうふうに私自身は思っております。

  16年度から再編はやらせていただきましたので、この5年間の間、かなり子どもたちにとりまして進路選択等について、いろいろと判断をするのに難しい状況がでてこようかと思いまして、できるだけ早く、再編の状況等をリーフレットとかガイドブックとかにしまして、子どもたちに配布をし、説明をしているところであります。今年も、昨年と同様につづけていきたいと思っております。

 応募状況にかかりまして質問がございましたが、入試の競争倍率は1.1倍ということで、ここ数年、1.11倍、1.09倍、など続けております。本年度と昨年度の入試方法が異なるために分割入試で、専門学科については、一般選抜のために30%の募集人員を残していたんですけれども、今年の入試からすべて100%で分割で募集した状況がございまして、そういうことが、一部の学校で競争倍率が高くなった可能性があるのではないかなと見ております。一部の学校で競争倍率が高くなったことにつきましては、分割選抜の30から100という、そのあたりのところが原因しているのではないかなと分析をしております。再編によります影響といえるものではないと、私自身は思っております。

  意見書については私自身も拝見をしております。高等学校の再編計画につきましては奈良県の次の世代の子どもたちを育てるという重要な課題であります。今までから申しておりますとおり、生徒の多様な学習ニーズや社会の要請に応えるとともに、1つひとつの現象にも対応いたしまして、特色と、魅力と活力のある県立学校づくりをめざしていきたい、年次計画にそって着実にすすんでいきたいと思っております。

田中美智子議員質問 結局、合意が得られずにいることであっても、また、子どもたちが、いっぱい学校があって、自分が、特にクラブが魅力的であったと思って、希望していたのになくなっていくとか、同じ税金を払いながら、結局県立の全日制にいけないというような子どもたちがでたということについては、パーセンテージが全体として1.1だったというようなことですますというようなものですか。子どもの教育というのは、一人ひとりの子どもたちの健やかな成長のために教育があるものだと思います。そういう点では実態をつかまないで、そのまますすめるというのではなくて、県教委の姿勢は実態はつかんでいるけれども、それはわかっていてもすすめるんだというそういう姿勢ですか。その点、もう一度、伺っておきます。

矢和多忠一教育長説明 競争倍率1.1倍の件ですが、一部の学校で高いところがでてまいりました。その点につきましては、分割選抜100%にいたしました。そういう関係もございまして、その影響がでたのであろうと思っております。

田中美智子議員質問 その影響を善しとしておられますか。それとも次に改善して、生かして行くということになっているんでしょうか。

松井秀史教育次長説明 高田東高校の競争倍率のことが話題にでておりますけれども、高田東高校の競争倍率が本年度、高かったのは事実でございますけれども、前年度は募集人員を割っております。その1年前、平成14年度にはかなり高い、120人にたいして198人という応募者がございました。必ずしも毎年、固定したかたちになっていないという状況もございます。これをもって、再編による影響だというふうには言い切れないと考えています。募集人員につきましては、平年より1カ月以上前の9月22日に発表させていただき、生徒たちが計画をたてるうえで役にたつよう、今年度も早く示したいと思っております。

田中美智子議員質問 私の、実態に基づく認識とは随分違うなというところが、率直な思いです。もっと実際につらい思いをした子どもたちの身になって、実態をつかんで反映をしていただきたいと申し上げておきます。

新たな奨学金制度を求める請願の採択に賛成

田中美智子議員質問 私も請願採択に賛成です。ただ、趣旨のなかに、奈良県においては同対審答申以前に全国に先駆けて同和対策の奨学金を創設して以来、云々ということで、数多くの子どもたちが進学、進級の保障がされてきたということがありますが、やはり、同和対策ということで、そうでない対策との関係では不公平があったというふうに思っております。その点は、是正していきながら、請願の中身については賛成していくという立場ですので、趣旨の一部に考え方、認識が違うということだけ申し上げておきたいと思います。※高校奨学金制度の改善、充実を求める請願について、賛成多数で継続審査に決定。

高校の入試改革では、関係者の合意をどのように図ろうとしているのか

田中美智子議員質問 県立高校入学者選抜検討委員会の報告が1月にでまして、この4月に入試改革の方針が決定されました。今後、この方針にそって入学者選抜制度の改革を図ると書かれております。概要について、簡単でいいですので、どのように変わるのかということをご説明いただきたいと思います。
先程も議論のなかでお話しがございました。まだ、高校生の段階、中学生の就職というような段階でも、職業間や勤労感が育っていない、12年かけて育てていくような教育もしようとしているのだというお話しがございました。そういう事であるならば、そうした実態をつかんでいるのに、例えば、今度の高校の入試の改革では、これから生徒が自分で自分の能力とか、個性とか、希望とか、将来どういう仕事をしたいのかということを考えて、自らの興味、関心、将来の進路希望などを大切にしながら選んでくださいということで、特色ある学校ということを示しながら、受験のあり方も大きく変えて行くとのことです。

 私が聞きますと、中学3年生で、将来どんな仕事につきたいかということは、まず分からない、決められないと言っている子どもの方が多いと思います。その点では、そういうみなさんの声をどのように反映していくのかと思います。

 入試のあり方を大きく変えて行くということについては、それぞれの都道府県の歴史、地域性があるだろうと思いますから、十分に検討して、合意にもとづいてすすめていかないと大変なことになる、不安を広げるということになるなと思いますので、どういう合意を図ろうとしているのかということを聞きます。

 子どもたちの入試についてのアンケートを、高校再編にあたってのアンケートのなかでとっていますけれども、そのなかで、中学生はとりわけ、あまり違わないような同じような内容にしてほしいという意見が結構多いと思います。行きたい高校も、趣味や関心事項が徹底して学習できるようにとか、能力適性に応じた選択学習というよりか、人間関係が楽しくなごやかな学校に行きたいと言っております。そして、このアンケートは県民や高校生や中学生の意見は聞いておりますけれども、現場の先生たちの意見が聞かれていないということがあります。その点は、どのように反映していくのか。ご説明をいただきたいと思います。

矢和多忠一教育長答弁 離職率の高さでありますとか、フリーター思考、それからモラトリアルの傾向、非常に増加しております。そういうことから、職業感、勤労感のありようは危惧すべき状況ではないのかと、私自身は思っておりまして、それらにつきまして、キャリア教育をすすめていくと同時に、入試改善、再編があるという認識をもっております。

谷垣康教育企画課長答弁 高校の入試選抜改革方針につきましては、奈良県立高校入学選抜検討委員会が1月にまとめられました報告内容をふまえて作成したものでございます。検討委員会の委員には、中学校、高等学校の校長、および教諭の方々も参加をしていただきまして、学校現場からの意見、あるいは生徒の意見等もふまえてまとめていただいた報告になっていると考えております。

 概要といたしましては、従来、実施しておりました分割選抜に変えて、特色選抜を導入すること、また選抜方法の多様化を図ることなどが主旨となっております。県教育委員会では、その後、すべての中学校、公立高校にその報告を配布いたしまして、あるいはホームページ等にも掲載をいたしまして、各方面の意見を募り、一部、手直しを加えた上で、基本的枠組みは検討委員会の報告を尊重して作成をしたところでございます。なお、アンケート結果についても、検討委員会では資料として検討していただきまして、そのうえで、生徒のニーズの多様化に応じて、生徒の選択幅を拡大するという観点から特色選抜の導入ということが提案されまして、それにもとづき今般の方針を策定したところでございます。

佐世保市の学校内での事件について
今こそ憲法、教育基本法、子どもの権利条約の精神を生かした対策こそ求められている

田中美智子議員質問 長崎県佐世保市の事件について、みんな今こそ憲法、教育基本法、子どもの権利条約の精神を生かした対策こそ求められているこのことは心配だ、なんとかしなければという思いは共通していると思うんです。この際、私はやはり、憲法や教育基本法の理念や目的、これをしっかり生かすこと、そして、子どもの権利条約、この精神と、今、日本政府が2回目の国連子どもの人権委員会から勧告をうけておりますが、その勧告の内容はわたしたちが参考にして、うけとめて、対策をとっていくということが、大事ではないかなと思っております。

 わたしたち日本共産党も、1月に党大会をおこないましたが、子どもたちの問題は、それぞれ立場を超えてみんなで、大人社会が、まず子どもたちの意見をよく聞こう、それから子どもと大人との関係、これは子どもの意見に真剣に耳を傾けて、受け止めて行こうと。子どもは意見表明権といっても、口でいえないこともたくさんあります。行動で示すということもありますので、真剣に耳を傾けようではないかということが1つ。そして、大人社会の自己規律というのでしょうか、映像の問題もそうだと思いますし、退廃的文化の問題もあろうかと思います。そういった問題では、大人社会が子どもたちに野放しで、危険な情報などにかかわって行くという問題もありますので、そういったことも、自己規律ということで、お互いに検討していこうということがあると思います。

 この勧告のなかには、思春期の子どもたちの問題も言われております。思春期の子どもの精神障害、情緒障害、性的感染、薬物関与などに対応する政策を策定するために思春期の子どもの健康に関する研究をおこなうこととか、子どもが権利の主体であるということを子ども自身に知らせるし、またそのことにかかわっている大人もよく学び、子どもに接していこうということが、子どもの権利条約、勧告も含めて、その精神、勧告をどう生かして行くのか、今こそ、生かして行くことがあるのではないのかと考えていますが、そのことはどのように受け止めておられますでしょうか。

 教育基本法はとりわけ、政治の仕事は条件整備をおこなうということが政治の仕事だと言っております。先程の議論のなかでも、教育に、今奈良県の財政が大変で、高校の再編という問題も、そういう中でいくということを理解する必要があるのではないかというお話がありましたけれども、子どもに対する教育費は、日本は欧米に比べて、7割でしかありません。欧米では、もっと高いわけで、学級なども20人くらいの学級で日本は40人学級。一人ひとりの子どもに目を行き届かせるという点でも、なかなか厳しいものがあります。そういう30人学級にするであるとか、先生たちがもっとゆとりをもって子どもたちに接することができるであるとか、あるいはインターネットを先生たちが自由に使えるというのは半分くらいだというふうに伺っております。私なども子どもに教えられた通りにしかつかえないものですからね、やはり、子どもたちのほうが進んでいて、全国PTA協議会がアンケートをとったら、親よりも子どものほうがインターネットを使える、子どもがどんな使い方をしているのか、ネットの状態などについて親は、あまり知らないというようなことがありました。一方ではインターネット教育、コンピュータ教育というのがすすんでいるということもありますので、そういった実態などもつぶさに、子どもの現状にかみあって、条件整備というものをきちっとしていく必要があるのではないのかなと思います。

 先生たちの6割が教員をやめたくなるほど忙しいと、そういうつらい思いを抱えながら、自らも、どうして教育していったらいいだろうかと、悩みながら、頑張っておられるわけです。そういう点では、条件整備を政治の仕事としてしていくということも含めて、今、教育基本法の改定という動きが強まっております。その中身は憲法でうたわれた精神を生かして、理念を生かして、そして人格の完成をめざしてすすめていくという、その人格の完成ということであるとか、教育は不当な介入に服従しないということについても、どうやら、変えようとするような動きがあります。

 国を愛する心を大切にする、そういったことで大きく変えられようとしていく流れがありますけれども、今こそ、平和で、だれもが安心して、人間らしく成長して行くことができるそういう教育こそ必要だと思うので、そのへんについて、県教委としては、どのように基本法や子どもの権利条約を位置づけ、すすめていくかということを、お聞きしておきたいと思います。

矢和多忠一教育長答弁 平成6年に批准をいたしました児童の権利条約というのは、国際条約でございます。その条約と教育基本法の理念を前提として、わが国の教育というのはすすめておられると思っております。本県におきましても、これらの理念を前提に、教育の指導方針を定めまして、そに実現にとりくんでおるところでございます。

 児童の権利条約等をふまえて、学校におきましては、学校のありようが民主主義社会のモデルになるよう、そういう取り組みをすすめていきたいと、私自身はおもっております。

土谷尚敬人権教育課長答弁 平成16年1月30日、国連が児童の権利委員会の会合におきまして、日本の第2回定期報告を審査し、最終見解を採択したと私どもも聞いております。その概要といたしましては、児童買春でありますが、あるいは児童ポルノ禁止法、児童虐待防止法など、いちおう日本として取り組んで来たことの評価をする一方で、(田中)委員お述べの、多くの部分で勧告がなされております。約50ちかくの勧告がだされているように聞いております。その概要といたしましては、社会的差別解消への取り組み、あるいは学校制度の過度に競争的な性格や、いじめを含みます学校での暴力については十分な対策がとられていないとして一層の努力を求めておるところでございますが、先程、教育長が申しましたように、豊かな人権感覚をもった人間の育成やすべての人々の自立と自己実現を図る教育の必要性を認識し、あらゆる教育活動を通じて、人権を尊重する民主的な社会の形成者の育成に努めてきたところでございます。今後に関しましても、児童の権利に関します条約を批准したのをうけまして、市町村教育長会、あるいは各校長会、生徒指導の研究会等に通知文、啓発用のリーフレット等、さまざまな機会や手段を通じまして趣旨の周知を図ってきているところであります。

 平成8年7月には、児童生徒向けの啓発冊子、教員向けの指導資料を作成し、小中高、すべての児童生徒、教員に配布をしたところでございます。平成11年度以降は、この冊子を、小中学校の1年生全員に配布を徹底につとめておるところでございます。条約の趣旨や理念を周知し、具現化するため県民集会やフォーラムなどを開催して、県民への啓発にも努めてまいりたいと考えております。

世界遺産、古都奈良の文化財をまもる世界への責任から高速道路建設などの「破壊」にたいしては責任ある態度を貫くべきです

田中美智子議員質問 世界遺産の問題で古都奈良の文化財が登録されました。平城宮跡もその1つです。今、平城宮跡の直下はさけるけれども、すぐその横に、京奈和自動車道大和北道路が5キロのトンネルを含めまして、12キロ4000億円かけてつくるというような話が、一方では、進もうという状況です。

世界遺産が高速道路建設で破壊の危機にあるとの認識はあるのか

  このことについて、今、文化財や考古学、歴史学者などがかかわっていらっしゃる団体の皆さんなどが、奈良の世界遺産は大変意義深いもので、平城宮跡もほんとうに大切なもので、それを高速道路の建設で破壊するというようなことがないようにということで、今2つのルートの推奨案が有識者委員会からだされていますけれども、これはやはり、撤回してほしいという要望が強く出されております。
平城宮跡もふくめて(京跡も含めて)世界遺産が危機にあると心配しておられる。その危機について、どのような認識をしておられますでしょうか。文化財保護の立場から、どのような認識をおもちでしょうか。

日本政府がユネスコにおこなった報告の内容を正しく認識しているか

 世界遺産に影響を及ぼすような工事などをしようと思ったときには、世界遺産の保護委員会に連絡をして、双方でやり取りをしながら、事にあたらなければならないということになっております。2月1日に日本政府が国連に報告をしておりますことは、今、2つのルート案があるけれども、それを含めて、この高速道路を建設しないということを含めて提唱しているというように報告しているんですが、一方では、もうそうではなくて、2つの案のどちらかを選ぶようなかたちで、すすんでいくというように言われる方もあります。文化庁と、こういうことでお話しもされていると思いますけれども、どのように認識しておられるかということを伺っておきます。

生きた歴史資料・木簡の確認数、木簡保全と地下水の関係

  古都奈良の文化財、登録された根拠、そして、そこで多く、生きた歴史資料といわれる木簡がねむっているわけですが、その木簡の数が平城京跡内、宮跡内、日本でどれほどでているのかということを、簡単な数字だけでいいです(示してください)。木簡が守られていくうえで、地下水がどのように影響をあたえているのかということを、伺いたいと思います。

宮谷太文化財保存課長答弁 古都奈良の文化財が世界遺産に登録された根拠、評価は、世界遺産に登録をされるには、登録基準がありまして、そのうちの1つ以上をみたすことが必要になっております。基準の説明はしませんが、どういうことが評価されたかといいますと、日本の建築や芸術がその後の発展に深い影響を及ぼすこととなる中国や朝鮮半島との文化的関連の結果として発展したこと、奈良が首都であった時代における日本文化の開花が建築的遺産によって証明されていること、平城宮跡の平面構成や奈良に残されている記念建築物のデザインは古代アジアの都城における建築や都市計画の顕著な事例であること、国内における保護の法措置が図られていること、などが評価されて登録がされたものです。

 木簡についての最新のデータでは、日本全国で出土した木簡の数は31万点であり、うち、平城宮跡からは約13万2000点、そのなかでは長屋王の邸宅跡では11万点がでております。平城宮跡からは4万8000点が出土しております。木簡が保護されてきたことへの地下水の役割は、木簡が地下水に浸ることにより、空気中の酸素にふれなくなり、腐食をしていく細菌がほとんどつかないと、水分が木の細胞壁内に入っていると、木簡を現状に留めておくことができる、地下水が木簡にとって良好な状態の維持に大きな役割を果たしてきたと聞いております。

 国土交通省が計画の具体化にあたり、地下水検討委員会や文化財検討委員会、有識者委員会の提言から、埋蔵文化への配慮を重要な課題と位置づけされ、木簡等の埋蔵文化財に与える影響について細心の注意を払われていると認識しております。県都市計画審議会のなかに環境影響評価検討部会が設置され、これからも検討がすすめられるものと考えられております。文化財保護の局としてはこれからも、文化財の保護に万善を期す点で文化庁、奈良市とともに注視してまいりたいと考えております。

 ユネスコへの報告についてですが、今、世界遺産委員会に大和北道路の状況が日本政府から報告されておりますが、これは、実は異例なことでございまして、登録された世界遺産については毎年、世界遺産物件の保全状態を文化庁に提出しております。今、この日本政府がユネスコに報告しているのは、去年の6月に市民団体、高速道路から世界遺産・平城京を守る会などがユネスコ世界遺産センターにたいし、京奈和自動車道が世界遺産、古都奈良の文化財の保存に影響があることを陳情されました。その結果、ユネスコの第27回世界遺産委員会、去年の7月、パリでございましたが、委員会で日本にたいして道路のルート、構造の意志決定にいたる過程、および最終的な決定にかかる報告をおこなうよう要請する決議が決定されました。その結果、日本政府が、この大和北道路に関して特別に報告しているということでございまして、こん2月にユネスコにたいし、古都奈良の文化財と京奈和自動車道の検討状況を報告されました。そのなかでは、地下水検討委員会とか文化財検討委員会の報告をもとに、有識者委員会で推奨されている2案が報告されております。ユネスコは日本政府の報告を評価するとともに、敬意を表するという表現をしております。今後とも保全に努めるむねを要請、さらに委員会においては、日本の検討状況を述べるとともに、今後ともユネスコにたいし、適宜、報告をおこなうむねの発言をおこなわれたということでございまして、これは特別な日本政府からの報告でございます。

田中美智子議員質問 ユネスコの世界遺産委員会では、バンダリンさんというユネスコ世界遺産センター長から、世界遺産を守っていこうという団体に手紙があり、この問題については、大いにやり取りをしながら、文化財が保護されるように努力していきましょうと言うこと、日本政府にたいしても今日のことは今日、動くのであれば動くように報告をしてくることをお願いしますということになっておりますので、その点では、国会で吉川春子議員が3つの委員会、つまり地下水検討委員会、文化財検討委員会、有識者委員会の報告をうけて「これから建設の是非を検討して行くという段階にあると聞いていますが、そうですか」と伺いましたところ、国は「ただいま委員から、お話しがあったとおりでございます」と言っております。そして、国連には、当該道路を整備しない案も含めて幅広く検討しているということですので、その辺については、文化財をしっかり守っていくのか世界が注視をしていることであり、異例の報告をしたということですから、世界に顔向けできないようなことが絶対におこることがないように、文化財保護の立場でしっかり頑張っていただかなかればならないと思いますので、動きを注視して、保護をするという立場で対応していただきたいと思います。

 国連に報告をしているのも、随分、一方的なものになっておりまして、文化財検討委員会では、まだ地下水位の変動が木簡などの埋蔵文化財にどのような影響を及ぼすか、どの程度の乾燥状態がどの程度続けば、木簡に致命的な影響が及ぶのか、その科学的な調査はまだおこなわれておらず、保存のメカニズムも明確になっていないと言っております。

 地下水検討委員会の委員長もシンポジウムで、私も参加いたしましたけれども、ボーリング調査をしたけれども、調査は十分でないと、なぜなら、世界遺産の平城宮跡だからあちこちにボーリングの穴をあけるわけにはいかない天皇陛下にさわるようなものだと、だからさわっちゃいけない。そんなふうにしてやったので十分とは言えない、というようなことです。そのへんをよく考えていただきながら、世界遺産奈良が保全され、次の世代に継承されるように引き続き見て行きたいと思います。強く努力を求めておきたいと思います。(了)

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