日本共産党奈良県議団
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議会報告・要約版
委員会 2004年7月初度国際文化観光・学研推進対策特別委員会
田中美智子県議
2004年8月06日
目次
  1. 京奈和自動車道大和北道路の有識者委員会の2ルート推奨案を「前提」にした環境影響評価は先走りではないのか
  2. 京奈和自動車道大和北道路にたいするユネスコ決議をどう受け止め、どう向き合うのか
  3. 高山地域の開発確認されたオオタカ営巣への対処はどうしているのか

1.京奈和自動車道大和北道路の有識者委員会の2ルート推奨案を「前提」にした環境影響評価は先走りではないのか

田中美智子議員質問 京奈和自動車道大和北道路の建設の問題で、世界遺産『古都奈良の文化財』が壊されるのではないかということで懸念が広がっている問題について質問します。
 7月31日付の奈良新聞によりますと、京奈和自動車道大和北道路の問題で環境影響評価検討専門部会第3回目が開かれて、この3回目では県が委員に調査方法案を提示したと、「方法案は遺跡への影響などを検討してきた有識者委員会が昨年まとめた提言で推奨した中央エリアのうち西九条佐保線(地下及び高架線)と、国道24号線(地下及び高架案)の2ルートのどちらか一方になる」ことが前提と書かれています。
 しかし、国土交通省はこのルートを確定したとは聞いていませんし、2月1日に、国連ユネスコの世界遺産委員会に提出した日本政府の報告書でも、当該道路を整備しない案も含めて幅広くルート、構造などを比較検討しているところであるというふうに報告しております。
 昨日、文化庁の関係者にも問い合わせをいたしましたが、国土交通省も含めて、この高速道路・大和北道路を建設するということが決まったわけではないと。先程申し上げました、建設整備しない案も含めて検討している段階だとうかがっております。
 そうなりますと、検討した結果、まだルートも決まっていない、つまり前提ということですけれども、国がこの道路をつくるということが前提になって、決まってからのことだと考えるのですが、前提が崩れるということだってありうるわけで、やはり、今の段階でこのように具体化のための準備を始めて行くということは、先走りではないかと思います。
 前提ということでは、国は、この2つのルートのうちいずれかにすると決めて言ってきているのでしょうか。これを伺います。

畠中秀人道路建設課長説明 現在、環境影響評価の専門部会を開催してございまして、先週、第3回を開催したところでございます。こちらを始めました経緯は本年2月3日の都市計画審議会において国、国土交通省の方から環境影響評価の手続きに入っていただきたいという依頼があり、それを始めたものでございます。
 さらに、4月30日の部会において、国土交通省のほうから都市計画対象道路の事業の実施区域は、おおむねこのエリアのなかで道路の事業をおこなうというものを国から提出をされました。それが先程、言われていた大和北道路有識者委員会の提言にかかる2つのルートを包含するようなものとなると思います。国も、そのエリアのなかで事業をすすめるということを前提にすすめておられるという認識をしてございます。

田中美智子議員質問 国からは2ルートの範囲内で評価をしてくれと。どちらかを建設するということを正式に提示されたという。文書であるのでしょうね。ありましたら、それをいただきたいのですが、委員長、よろしくお願いします。
 そうしますと、ユネスコにたいして日本政府が言っていることと、実際にやっていることと矛盾するということになるわけです。日本政府は先程、文化財保存の立場から国は当然、文化財保全、世界遺産保全のために努力をするとものだと考えているということですけれども、私はそのようには考えておりません。
 というのは、それこそ、国が世界遺産に登録をされた平城宮跡の下にトンネルを掘って道路を通すと当初は考えたほどであり、今回、国連・ユネスコにたいして報告をしている文書をみましても、正確ではない歪めた報告があります。
 例えば、事故が多く発生していると、地域の事故発生率を比べたら9倍もあるということですけれども、実際に事故がどれほど発生して対策が必要かなどということを考える場合には事故率というものを見ていくわけですけれども、事故率ということでは、とてもそのような9倍というようなことにはならないわけです。過大に事故が多いというようなことを報告しながら、また渋滞を慢性的な渋滞だというけれども、実際には朝夕、通勤ラッシュの時、土日の観光客が来られたとき。日常的に慢性的に渋滞しているということではないといううことも、あります。
 先程言いました、造らないという案も含めて検討しているということを言っておきながら、実際には2ルートのなかでいくというようなことは、極めて不誠実だと言わなければなりません。

2.京奈和自動車道大和北道路にたいするユネスコ決議をどう受け止め、どう向き合うのか

田中美智子議員質問 紀伊産地の霊場と参詣道が世界遺産委員会で世界遺産に登録するとうことが、決まりましたが、その同じ世界遺産委員会は日本政府にたいして、4項目の決議をあげて要請をしてきています。その内容について確認をします。そして、その決議にたいしてどう向き合っていくのかということを伺いたいと思います。
 このことにつきましては道路建設の立場と文化財保護の立場、両方でどのようにうけとめているのか、確認も含めて、お伺いしたいと思います。
 世界遺産委員会にオブザーバーとして参加した平城京を守る会の皆さんの報告を聞かせていただきました。世界遺産委員会は、 〇日本政府が京奈和自動車道建設によって世界遺産価値に与えられる潜在的な否定的及び取り返しのつかいない影響を検討する新たな努力をおこなったことに注目し、かつ日本政府が遺産の真実性と完全性を保全する努力を続けるよう奨励する、 〇日本政府が自動車道を建設の期間を通じて地下水位に与える影響が世界遺産価値の保全のために最小限に保たれることを確保する技術的解決策を堅持する努力を続けるように提案する。つまり、確保する技術的解決策について意見を(世界遺産委員会に)述べてきなさいということですね。 〇関係当局が地域社会、住民に政策決定のプロセスを知らせる努力を続けるように要請する。不十分だと見ているのだと思います。これら4つの点を決議されたわけです。
 そういうことで言いますと、まだ地下水位に与える影響が世界遺産の価値の保全のために最小限に保たれることを確保するということが担保されているということではあえいませんので、決まったこととして、前提として建設にむかっていくということはやはり、先走りだと思いますので、委員会の決議の確認と、それへの態度、対応についてお聞きしたいと思います。

畠中秀人道路建設課長説明 決議については世界遺産委員会の最終日に委員会に図られ、特段の意見はなかったとうかがっております。内容については、当然、日本も世界遺産条約の締結国でございますので、本事業の事業者は国、国土交通省でございますが、当然、世界遺産の保存の努力を払うということをしていただけるというふうに、認識をしてございます。

宮谷太文化財保存課長説明 国は世界遺産条約の締約国として当然、世界遺産の保全に努力を払うものと考えております。県、奈良市とも見守っていきたい、注視していきたいと考えております。

田中美智子議員質問 この間、環境影響評価の部会に出された、文化遺産の状況ということで、世界遺産委員会における古都奈良の文化財の保全状況に関する審議状況、このなかで第28回審議結果のなかで、「2」に、「日本政府が当該遺産の価値の真性かつ一体的な保全を確実におこなうよう引き続き努めることを奨励し」と訳してありますが、これは仮訳ということですが、わたしたち、英語の先生に聞きますと、あるいは、世界遺産を守るということで指針がだされておりますが、その指針では「真実性と完全性」、これが保たれるということが、世界遺産の条件なわけです。それが壊される、危険性があるというようなことは、絶対にすべきではない、これは世界にたいする約束だと思います。
 世界遺産委員会のなかでは特段の意見がなかったと言われましたが、実は、世界遺産委員会がはじめに決議を提案しましたのを、日本政府が動議をだして修正をしております。そのこと紹介しておきたいと思います。「日本政府が自動車道建設のプロセスを通じて地下水位に影響をあたえないことを確保する。技術的解決策を建議する努力を続けるよう提案する。」というものについて日本政府が動議をだして、先程申し上げたように、影響を最小限に保たれることを確保するというものに修正をしてもらったというのが、経緯でございます。ですから日本政府は、世界遺産の立場にたっているということではないと私は、思いますので、世界遺産を守るということ、世界にたいする約束でもあるわけですから、文化財保護行政のなかで、奈良県でも守っていく、そういう立場で仕事をしていただきたいと思います。国から2ルートでほぼいくんだということが言われたということですが、それを具体的に説明していただきたいと思います。

畠中秀人道路建設課長説明 先日、おこなわれました環境影響評価部会のなかで事業者のほうからこの範囲内でというのがでてきており、先日の委員会でも提出されて、その資料は公表されております。これは、提出をさせていただきます。

3.高山地域の開発確認されたオオタカ営巣への対処はどうしているのか

田中美智子議員質問 高山地域の開発につきましては、これまで、いろいろ私の意見は述べてきました。結果として、高山第2工区の開発は中止すべきだと述べてきたわけです。今、奈良県も国も全体の当初の計画を半分、とりあえず半分開発することから手をつけていこうと伺ってまいりましたが、オオタカの営巣が見つかったということのなかで、今、この開発問題はどのように進展していますか。そのことを確認をしておきたいと思います。

浅井眞人学研協力課長説明 昨年10月にオオタカの営巣が確認されましたことから、オオタカ調査検討会を設置いたしまして、再生機構が調査を願っているという状況でございます。それで、昨年、オオタカの営巣が確認されましたことから事業計画については、公団からの協議はうけておりません。
 これまで、オオタカ調査検討会は3回、なされているわけですが、直近は6月18日でございます。この検討会におきまして、3月から6月までの調査結果の報告がございました。オオタカの営巣が確認されてという報告がございました。現在、専門家の意見を聞いて、引きつづき調査がなされているところでございます。再生機構といたしましては、今後、検討会から保護策の提言がなされれば、それを踏まえて事業計画案を策定すると聞いております。(了)

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