日本共産党奈良県議団
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議会報告・要約版
委員会 2005年6月総務警察委員会
山村さちほ県議
2005年6月28日

子どもを犯罪の被害から守る条例

みんなで目をかけ手をかけ声をかけて子どもを守って行こうとする取り組みを条例で萎縮させては何にもならない。時間をかけた県民的議論を

 山村さちほ議員質問 幼い子どもが命を奪われる事件、これは二度と起こしたくない気持ちは私も同じですし、県民の皆さんの切実な願いであるということを十分に感じております。しかし、今回、提案されました条例は、一般質問でも取り上げさせていただきましたように、まだ疑問がございます。
  先日来、わたくしの所にも、非常に多くの県民の方から、もう少し考える時間がないのかということで、意見が多数寄せられております。
  特に、ある町の教育委員長さんなどは、条例を制定するまえにやるべきことがあるのではないか、あるいはPTAの役員の方々も、今は地域で子どもに声をかけるということを一生懸命やっているんだと。ところが、この声かけに規制を加えるということになると、やはり、それを躊躇してしまう、逆行してしまうのではないかという心配の声が強くあるようです。
  本会議でも答弁をいただきましたが、もう一度、たずねておきたいのは、「惑わかし」、「言い掛かりをつける」ということの中身です。これは、具体的にはどういうことをもって、そう言うのか。通報する方にとってもどのように判断したらいいのかは、非常に難しいと思います。実際に、本物の犯人であるとするなら、いかにも、恐ろしい声かけをするとはとても思えません。非常にたくみにやるのではないのかと思います。外から見ていて、あやしいかあやしくないか、客観的に判断するというのは、非常に難しさがあると思いますので、そういう点から皆さんが善意の声かけとの区別はとても難しいと言われているのではないかと思います。その点をうかがいます。
  もう1つは、児童ポルノですが、これは13歳未満のポルノとの説明がありました。これを所持しているだけで犯罪とするということですが、児童ポルノそのものが違法なものということは、私も、そう思っていますし、実際、そういうものが存在していること自体があってはならないことだと思いますから、撲滅をしなくてはならないと思います。そういうものを公に見ているとかは許せない気持ちでいっぱいです。そういうことやっている方がいるのであれば、当然、注意をするだろうと思いますが、だからといって、もっているだけで、現に犯罪と結び付いていない状態にあるのを犯罪とするということについては疑問があります。その点について、どのようにお考えになっているのかお伺いします。
  条例の7条2項では、子どもの安全を確保するために「11条、12条に規定する行為をおこなうもの、その他子どもに危害を加える恐れがあるものに関する情報を収集して活用するものとする」となっておりますけれども、そういう声かけをしているとか、条例で言う犯罪に認定される方以外にも、子どもに危害を加える恐れがあるという書き方ですが、これは、どういうものをさしているのか。犯罪者でない方が危険人物ということで人権を侵害されることにはならないのかどうかという心配も言われていますが、そのところについてもお聞きしたいと思います。

 中谷光生活安全部長説明声かけの規定につきましては、県民の日常的なあいさつや子どもへの見守り活動における通常の声かけまで制限することがないよう慎重に検討したもので、罰則をおかず、さらに規制の対象となる行為内容をより限定的になるよう、甘言を用いて惑わし、または虚言を用いて欺いてはならないと具体的に規定することとして、善意の声かけがいささかも規制対象とならないようにしてところであり、地域における安全の取り組みが後退することはないと考えているところでございます。
  13歳未満の者を使用して作成された子どもポルノは子どもにたいする性的好奇心を刺激し、ひいては子どもにたいする性的犯罪を引き起こさせるおそれがある有害、危険なものであります。子どもポルノは、同意が成立しない子どもにたいする強姦、または強制猥褻等の性的犯罪行為が記録されたものであり、これらを見たり、見る目的で所持することは、その性的行為を容認し、ささえる行為であります。このように、子どもポルノの所持は子どもに対する性的犯罪を助長する行為でありますことから、これ規制することとしたものであります。
  条例案7条第2項の規定は、子どもにたいする悪意のある声かけ事案と不審者に関する情報、関係機関が収集し、ホームページに記載するなど、相互に活用することにより、子どもの安全を確保しようとするものであります。例えば、昨年11月17日に発生した女子児童誘拐殺人事件を契機として、県警察本部が運用を開始した子ども安全サポート情報システムにもとづき収集している子どもにたいして不安を与える事案及び県教育委員会が市町村教育委員会から収集している不審者情報などが想定されます。なお、これらの情報の内容は事案の発生日時、場所、不審者の特徴、事案内容等であり、人物を特定したものではありません。したがって、人権侵害におよぶものではありません。

 山村さちほ議員質問非常に県警としては言葉に配慮をして、明確な行為を規定しているから善意との区別はつくとおっしゃっていただいたんですが、しかし、実際の現場では、判断するのは通報する住民の方ですね。だから、どういうふうに判断したらいいのか困りますし、私のところに先日も電話がかかってきたんですけれども、子どもさんに道を聞こうとおもっても、声をかけましたら、今はこういうときですから、その子どもさんがキャーって驚いて逃げて行く状態になった、だから、その方は、それをまわりから見られたら、何かわるいことをしたのではないのと言われるということにも遭遇するし、やはり、条例で決めるというのは無理があるんではないですかとさかんに言われます。
  子どもを犯罪の被害から守るということで考えると、やはり、社会がみんな寄って目をかけ、手をかけ、言葉をかけるというような社会をつくっていくことが1番に優先されないといけないと思いますので、それを、いささかでも阻害するようなことを持ち込むこと自身が、今、改めて、考え直す必要があるとおもいます。 ですから、今のお答えでは、納得ができないということですが、その点、お答えがあるなら、お聞きしたいと思います。
  児童ポルノは持っていることを罰するということになります。児童ポルノ、児童買春などの処罰法ができて、それで対応する。犯罪として規制をすることになっておりますね。そのときの議論のなかでも、単純所持を犯罪とするのかどうかは、相当の議論があったわけです。内心の自由をおかすことになるのではないかという問題で、未だに疑義がのこっている問題だと思っています。
  刑法の大原則は、本部長のように専門家ではないですから、分かりませんけれども、刑法の大原則という点から見ましても、日本の刑法では何らかの被害が発生したときに限り、それをもたらした行為を処罰するのが原則だとなっており、未遂罪、すなわち被害発生の危険は生じたけれども被害発生にはいたらなかった場合には、刑法に特に規定がある場合に限り処罰されるとなっております。
 危険が生じるというのは非常にさしせまった危険だと解釈をされていると聞いておりますが、そういうことから見ても、未だ、確かにポルノをもっていることが何らかの被害をおこす可能性があるという段階で、犯罪をおこしているとか、何か重大な危害を加えたという段階ではないと思えますが、それを、条例であっても罰とするということに問題があると私は思っております。この点について本部長は専門家でもありますし、お聞きしておきます。
  もう1つは、子どもが犠牲になる事件が確かにあります。その数が非常に多いのかどうかということもあろうかと思います。しかし、たとえ1件であっても、起こるということは防止しないといけないということはよく分かっているんですが、なぜ、このような痛ましい事件が各地で起こっているのか、そのことについて、本部長としてはどのようにお考えになっているのか伺いたいと思います。

 菱川雄治警察本部長説明声かけの規制によって、善良な声かけといいますか、あいさつ行為でありますとか、社会全体で子どもをまもるための声かけ運動に制限が及んではいけない、これは私もまったくそのとおりだと考えております。
  先程、山村委員からお示しいただいた事例、たいへんよくわかる気がします。昨年来、子ども安全サポート情報システムを稼働いたしまして、住民の方々からの子どもに不安を与えるような声かけの情報を、われわれ収集してホームページで提供させていただいているんですけれども、どう考えても善良な方のあいさつでありますとか、道を聞いたりする行為に子どもが不安を感じたということで、お届けいただくようなケースもきわめて多いわけです。
  これは、条例は規制される、されないにかかわらず、現在の社会情勢から考えて、お子様が犯罪被害にあうのではないかという強い不安を住民の方がいだいているためではないかと思います。今回、この条例により、禁止される行為が明確にされることにより、健全育成のために声をかける方々のことが、甘言をもちいて惑わしたり、虚言を用いて欺くことはありえないわけでありますので、自分たちの行為は条例によって禁止されている行為ではないということは明確になるわけでありますので、むしろ自信をもって、そういった声かけをやっていただけるようになると思います。
  また、条例についての理解が深まれば、たいていのケースで、道でそういった行為をみての通報というよりも、帰って来たお子さんが声をかけられてこわかったと言うという場合がほとんどでありますので、そうした場合に、親が理解していただく、そうしたことで、健全な声かけ活動は禁止されていないということが十分に理解していただける、そして、無用の警戒心をといていただく契機にもなるのではないか。
  今回、このように禁止される行為を明確にすることによって、むしろ、社会全体で子どもを守る声かけ運動といったものがやりやすくなる、活性化されるのではないかと考えております。ぜひ、相談のありました方にも、条例はこういうことをやろうとしているとご説明をしていただければ、納得していただけるのではないかと考えるところでございます。
  今回の条例は、子どもポルノが、それ自体が性的な犯罪を誘発する恐れがある危険なものであって、かつ、中身が現実におこなわれている犯罪行為を記録するような物であって、そういったものをよろこんで買ったり、持ったりすること自体が性犯罪を助長する恐れがある。要は、覚醒剤やシンナーとまでは言いませんが、物自体が大変危険なものであるといった発送で、規制をしているわけでございます。規制をすることが直ちに刑法の原則に反するとか、そういうことにはならないわけであります。

 もちろん、刑法の原則といたしまして、罪をおかしていないものは罰さないという原則があります。客観的に、13歳未満の子どもポルノをもっているということのほかに、自分がもっているものが、子どもポルノであるという事実の認識も必要なわけであります。今回の条例の規定が刑法の規定に反するようなものではなかろうと考えております。
 児童ポルノ法で単純所持を規制するかどうか議論のあったことは承知しているところではありましが、児童ポルノの規制という考えとは別に子どもにたいする性的犯罪を防止するという観点、そういった趣旨から所持について、こういった県の条例で特別の規定をすることを法で禁止していることではないと思いますし、関係部局とも協議させていただいたなかで、問題はなかろうと結論を得ているところでございます。
  こういった痛ましい事件の起こる原因、背景は、ほんとうにいろいろでございます。弱者にたいする生命の貴さを理解できないような人達が、生じて来てしまっている状況があるのかなと思いますが、犯罪というのは根絶したいんですけれど、根絶は難しいものでありますから、今後とも、原因、理由については研究をすすめ、防止対策をおこなわないといけないなと感じておるところでございます。

 山村さちほ議員質問私が電話のあった方に説明をしたら分かってもらえるということでしたが、実際には非常に難しいんです。こういう条例がなかったら通報がないのかといえば、そんなことはないと思いますね。
  ほんとうに危ない目に会う子どもがおれば、必ず県民の方は、これは大変だとやめさせようと思うし、通報をされると思います。
  こんな条例をつくらなくても、危険なときの対応は当然やっていただけると思います。条例をつくると、悪質な方が、かえって悪質になるかもしれませんね。上手にやることが可能になるかもしれませんし。本当に条例がないとだめなのかと考えたときに、条例は必要ではないのではないか。もうちょっと慎重に検討すればいいのではないかと思います。
  ポルノの所持は、確かに犯罪行為であるものが写ったものをもっているということは、間違っているということは、指導し学習していただくということは必要だと思います。
 もっているから罪ですということだけで解決はできないと思います。やはり、そういうことが子どもや女性の人権を傷つけているということをしっかりと教育していくということがまずないと、解決できていかないと思いますので、対処療法的にこういう事件がおこったからこういうことは規制していこうという、次々と規制をつくっていくということは、本当は住民どうしが住みにくい社会をつくっていくということになります。
  不審者情報については、人物を特定していないし、人権侵害にはあたらないと言われましたが、人物を特定していないということは、あやしい人がいる、あの人か、この人かと、不必要な犯人さがしのようなことになってかえって不審間を募らせることになり、また疑いの目で見られて、それが人権侵害につながっていくということでも、非常におそろしい社会になっていくと私は思います。
  弱者にたいする生命の貴さが非常に大事だと、本部長も言われましたが、私も、今、日本では子どもを大事にしようという気持ちがうすれているという社会全体の問題があると思っています。立て直していくためには県民こぞって取り組まないといけないと思いますから、そういうときに、阻害して行くようなやり方であたたかい社会がつくってゆけるのかということを考えたら、これは逆行していると思います。るる説明はいただきましたけれども、条例をつくるということにつきましては、もうすこし検討がいるということを申し上げて終わります。(了)

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