日本共産党奈良県議団
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議会報告・要約版
委員会 2005年7月初度環境廃棄物対策特別委員会
山村さちほ県議
2005年8月19日

奈良県におけるアスベスト問題について

奈良県におけるアスベスト問題について
(松永久典生活環境部長の報告)

これまでの奈良県としての取り組み状況を簡単に報告します。

  1.   まず、県内アスベスト製品製造事業所の状況把握でございますが、クボタのアスベスト被害の公表に端を発し、7月5日、ニチアス工場からの報告及び本社の報道発表をうけまして、大気汚染防止法による届け出から県内におけるアスベスト使用事業所の存在確認をおこないました。アスベスト製品製造事業所は全部で7事業所でございます。
    ・ ニチアス株王寺工場(王寺町王寺)
    ・竜田工業株(斑鳩町竜田西)
    ・株大和工業所(三宅町屏風)
    ・株たつみや製作所(広陵町沢)
    ・三菱マテリアル建材株奈良作業所(奈良市西九条町)
    ・大和産業株奈良工場(奈良市帝塚山)
    ・株市川工作所(橿原市飯高町)
    上の4社は現存、下の3社が工場を撤去しております。
  2.  県が現在までに講じた当面のアスベスト対策でありますけれども、(1)現存する4事業所の立ち入り調査を実施。直ちに調査結果を公表いたしました。立ち入り調査の主な内容は大きく4点ございます。まず「アスベスト使用の時期状況及び製造製品」、これは3ページの上段の表のとおりでございます。「大気汚染防止法による敷地境界でのアスベスト濃度測定の状況」でありますけれども、大気汚染防止法施工規則による敷地境界基準地濃度が1リットルあたり10本となっているところ、ニチアス王寺工場、竜田工場、大和工業所のいずれも基準値濃度を下回っておりました。たつみや製作所は測定結果データが所在不明となっております。そのほか、「工場内におけるアスベスト飛散防止対策の状況」、「今後の周辺住民の健康被害に対する不安軽減のための対応策」について、現場、あるいは図面調査、聞き取り調査を実施したところでございます。
      それから、過去にアスベストを使用し、現在も開業をしている事業所調査も実施をいたしました。3事業所とも現在のところ、従業員及び退職者、周辺住民を含めて調査をしたところ、アスベスト飛散防止対策の状況、今後の周辺住民等のアスベストによる健康被害は確認されていない、そういう状況にあります。
      下の表は8月1日現在までの確認をされておりますアスベスト疾患死亡者及び療養者の状況でございます。周辺住民等も含めて現在までに91名の死亡が確認をされております。
      なお、大気汚染防止法による特定粉塵発生施設の届け出がありました、上記の7事業所以外にも事業所調査。つまり、平成元年12月の大気汚染防止法の一部改正以前におけるアスベスト製品製造の事業所についても調査をしております。現在調査中であります。
      県におけます連絡体制及び相談体制ですが、7月8日に関係課による連絡会を設置をいたしました。また、アスベスト問題相談窓口を7月11日に開設したところでございます。相談件数は8月17日現在で670件ありまして、そのうち住宅、建築物に関する相談が425件、63%を占めております。そして、8月1日には、県民の健康不安への対応など迅速で適切な対策を講じるため、すでに設置をいたしました連絡会を発展的に解消し、新たに奈良県アスベスト問題対策会議を設置をしたところであります。
      県民の健康不安に対応するため、アスベスト関連疾患の受診可能な医療機関を報道発表いたしまして、あわせてホームページで紹介しております。24医療機関の医療機関名を掲載しております。
      建築物のアスベスト問題の対応といたしましては、「民間既存建築物におけるアスベスト使用実態調査」を実施しております。取りまとめ中でございます。そして、「県立学校施設も含む県有施設及び公営住宅、改良住宅の状況調査」もそれぞれ実施をしております。また「建築物の解体工事における飛散防止対策」といたしまして、建設関係事業者等にたいしまして、建築物の解体等にともなうアスベストの飛散防止の万全の対策をとるよう文書で要請をしたところでございます。関係法令の遵守を奈良県解体工事事業共済に要請をしたところでございます。1万社あまりに郵送、通知をしております。
      アスベスト廃棄物の適正処理をおこなうべく、社団法人県産業廃棄物協会をつうじまして、処理業者及び排出事業者に対しまして、アスベスト廃棄物の適正処理を文書で要請したところでございます。このほか、住宅リフォーム等に関する消費者間の相談や注意喚起、さらに県民等へのアスベストに関する情報の提供にも、さまざまな媒体を活用して取り組んでいるところでございます。このほか、案件ごとに報道発表も随時おこなっているところでございます。
      さらに環境対策として、一般大気環境値におけるアスベスト濃度測定の継続実施などにも努めてまいるところでございます。
      一方、事業者によるアスベスト健康被害問題への対応でありますけれども、県といたしましても、企業責任を果たしていただくよう企業側に要請をいたしまして、7月8日に相談窓口をそれぞれ開設をいただいたところでございます。住民説明会は16と17日、企業負担による健康診断も実施をしてもらっているところでございます。
  3.  アスベスト問題への国の対応でございます。
  4.  全国知事会によるアスベスト健康被害に関する緊急要望の内容でございます。以上が、アスベスト問題にかかわっての県のこれまでのとりくみ状況でございます。引き続き、対策会議を中心に迅速な対応をはかってまいる所存でございます。

アスベスト問題で県の取り組みをただす

(1)被害者がたくさんでた事業者のある奈良県では、希望する住民の健康調査に助成などの支援が必要です。民間建物の飛散アスベスト調査、アスベスト使用実態調査に費用補助を

山村さちほ議員質問  アスベストの対策について要望と質問をしたいと思います。今、ご説明がございましたように、アスベストを取り扱った方々がガンや塵肺で全国でも350人以上の方がなくなっているということで、非常に不安が広がっております。
  特に、徹底した実態の調査、救済、そして被害の防止の対策が必要だというふうに思っております。奈良県でも取り組みをすすめていただいているということなんですが、もともと、日本では健康被害に対する取り組みが、世界に比べて大きく遅れてきているという、国の責任というのも大きくあると思っております。
  関連会社のありました王寺町や斑鳩町の方々と、私どもも懇談をさせていただきまして、お話しもお聞きをいたしました。

  健康への不安というのが非常に強いのですが、このなかで、言われておりましたのは、定期的な健診をずっと続けて受けられるようにということで、今は健診の受け入れ期間が非常に少ないので、企業が対応してくださっているけれども予約がいっぱいで、なかなか時間がかかるということですとか、費用が今後続けて行くとしたらX線の撮影、CTの検査までいきますと保険を使っても9000円くらいかかると聞いているんですが、負担が重すぎるということで、早く救済制度を作ってほしいと、これは県も国に要望されていると聞いていますが、早く実施できるように努力していただきたい。

  それから、制度ができるのは相当時間がかかると思いますが、それまでの間の費用の立て替えですとか、尼崎市では市民に無料で健診をおこなっている、それにたいして(市が)国と県の負担を求めているという、そういう行政もあるようです。その点、県がやはり、被害者が多い工場がありますので、特別の対策をしていただきたいということで、要望したいと思います。

  それと、徹底した周辺住民の健康実態調査。経年的に疫学的な調査というのも、奈良県では特に必要ではないかと思いますので、その体制もとっていただきたいと要望したいと思います。

  次に、具体的な相談が寄せられた問題のなかで、これは問題かなと思っておりますのは、ある方が旅館のボイラーのところで働いておられるんですが、ボイラー室、浴室などの天井から白い粉が落下していると、これが築30年たっていて大変心配だと。アスベストの飛散の調査をしてほしいと要望されているんです。これで、働いておられるんだから、「事業者に」と言いましたら、「お金が8万円もかかるし、できません」と。「いややったら、やめたらどうですか」と、こういうふうに言われているということで、これは問題ではないかと思いますが、民間のこういう、今、民間も調査をされておりますが、1000平米以上など要件がありますね。こういう要件にあわないところの実態はどのように把握されるのか。指導がどうなのか。それから、こういう飛散の検査についての費用の補助制度というのはないのかということについて、お聞きしたいと思います。

  私もある方から、相談されましたが、高齢の方ですが、「心配です」と。昔、アスベストを直接ふりまくような製鉄所で、かなり長い間やっていたと。仕事をやめて随分時間がたっているし、今頃、会社に言えば、迷惑がかかるのではないかと、だから、こんなことをどうしたらいいのかと。この方は高齢ですので、県がホームページなどでいろいろお知らせしていただいて、かなり内容も充実をしているんですが、とても見る環境にないんです。

  今、こういう対応がありますよということを知らない方が、結構いらっしゃるという実態があると思いますので、広報について、もう少しキメ細かくできるようにしてほしいと思いますが、その点、いかがかお聞きしたいと思います。

池田勝環境政策課長説明  アスベスト濃度の検出にあたっての費用負担ですが、まず、奈良県下にそうした分析機関が3社ございます。現にホームページを通じまして県民の方々には通知をしているところでございます。そこで、アスベストが入っているかどうかという検査も分析もする。あるいは含有率が何%かということも(調べることが)できるということなんですが、当然、費用がいるわけです。数万程度が必要と聞いております。
  特に、一般建築物について、(県への相談の)全体の63%までは建築に対する不安、わが家にアスベストを使っているかどうかなどの問い合わせもあるわけで、われわれ、そういう問い合わせのなかで分析機関をご紹介させていただいているということです。具体的には、全国的な問題で、国にも費用の負担、費用を国がみるということには現在、なってはおりません。
  民間建築物の1000平米以上はいろいろやっているけれども、それ未満はどうかという点ですが、これは、私がお答えする立場にはないかも分かりませんが、たまたま8月1日に奈良県アスベスト問題対策会議を設けさせていただいて、その事務局長をおおせつかっている立場から、若干申し上げますと、7月中旬に国交省から昭和31年から55年の間、これはアスベストが頻繁に使われた時期でございますが、その期間について1000平米以上の建築物について調査を、行政が全国的になされております。これは具体的には建築確認で把握をすると、たぶん、5〜600の建物があると思います。実態把握をしまして、消費者の方々にアスベストを含んでいるのかどうかをお調べいただく、含んでいた場合にどういう対策を講じていただくのかと、こういうことになろうかと思います。

  続いて8月中旬に、国交省の方から、さらに期間延長をして、昭和56年から平成元年までの間についても1000平米以上の建物についての調査をしてほしいと要請がございました。
  1000平米以上の建物については、全国的に調査をしているわけですが、ただ1000平米未満の建物も結構あるわけです。当然、アスベストを使っている建物があるわけです。それについて、対策会議のなかでいろいろ議論をしていただきたいと、思っております。

  県民への普及啓発でございますが、特にインターネットを使わない方々、高齢者の情報に対して、きめ細かな情報提供、そういうことも我々として当然、考えないといけないわけですが、たとえば新聞報道をキメ細かくさせていただいております。
  7月5日に分かりまして、翌日からずっと立ち入り調査に入っており、その結果も全部、事業所名も結果も報告させていただいておりますし、あるいは窓口設置をしました、その都度その都度、報告をしております。
  最近では、御杖小学校の解体、これも発表していただいて県も立ち会わせていただくということで、報道機関の方々にも県民に知らせるという意味で、報道に資料提供をさせていただいております。
  ホームページ以外に、県政情報コーナーは県内に20カ所ございます。そこにも、当然、チラシをつくり、そこで配布させていただいています。月刊「県政奈良」にも、10月号に一定の紙面をいただいて県民の方々にお知らせすると、こういう計画をしております。広報のこれからについても、県民の方々の不安解消に努めてまいりたいと思っております。

(2)アスベスト廃棄物の排出見通しの把握、解体事業者などへの指示をただす

山村さちほ議員質問  平成2年2月の県議会で今中せつ子議員(当時)が質問させていただいておりまして、62年のアスベスト廃棄物の処理方針、これに基づいて指導をされていると、お聞きしていますが、その内容、通知の中身では、処分場に立ち入りをしたり、報告を求めたり、さらに今後のアスベスト廃棄物の排出見通しの把握などもするようにという指示がされていますけれども、その後、県はどのように取り組んできておられるのか、実態はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。今後、どのようにされるのかお聞きします。

杉之原元廃棄物対策課長説明  アスベスト廃棄物の処理につきましては昭和62年に旧厚生省の方から適正処理の処理指針というものが出されております。
  県におきましては、廃棄物処理法あるいは処理指針に従いまして、排出事業者なり、処理業者なりが適正に順守した形での適正処理をするよう、これまで指導してまいったところでございます。
  また、平成3年に廃棄物処理法が一部改正されまして、アスベストのうちで建築物に吹き付けられた、いわゆる飛散性のもの、(飛散の)恐れのあるこういった廃棄物につきましては、特別管理産業廃棄物という位置づけをされまして、「特管物」と言いますが、「特管物」の処理基準に従った厳格な処理が要求をされてまいります。
  そういうことにともない、県では、排出業者、処理業者、関係業者にたいしまして、法の順守なり、適正な処理にたいする指導を実施してまいっているところでございます。
  さらに、飛び散る恐れのない非飛散性のアスベストですけれども、建築資材などに使われていることが多いアスベストですが、アスベストの成型板等につきましても、これは解体する時にやはり飛び散る恐れがまったくないかといえば飛散の恐れがあるということで、平成17年3月に環境省から非飛散性のアスベストの取り扱いについても一定の技術指針、方向性が示されたところでございます。県といたしましても、この処理についても指針に従った適正処理をしていただくよう、関係団体に周知をしてまいっているところでございます。
  当面、解体にともないましては、建設リサイクル法により、一定規模以上の解体については届け出を要求されております。土木部局に届け出がされるわけですが、廃棄物部局としては、土木部局とよりいっそう、情報交換などの連携を密にいたしまして、解体をおこなうという現場に、今後、当面の間は、保健所なり監視センターなり、連携をしながら具体的に現場で立ち入り指導していくことを考えております。

(3)奈良県としてキメ細かな対策がとれるよう県アスベスト条例などが必要ではありませんか

山村さちほ議員質問 解体について、先程、お話しがありました。政府からも細かい通知がきていますし、1万社に通知をされたということですが、飛散防止の対策が今後、重要ですけれども、他府県では「アスベスト被害防止条例」というものを制定され、今の大気汚染防止法のなかでは、のべの床面積が100平米以上で、吹き付けアスベストの面積が50平米以上でないと届け出の義務がないということになっているので、県としてはすべてに届け出を義務づける、あるいは実際に解体の要件を決めて、作業基準、そういうものを立ち入り調査して、従っているかどうかということについてもきちんと指導できるようにしていきたいということを考えているところもあると思います。
  今後、こういう解体のピークは2020年から先、非常に多くなると聞いています。実際、国内では、輸入は70年以降非常に増えて、毎年30万トンという量が使われてきたという実態がありますから、それが解体される時期というのは深刻な事態になると思いますので、対策が必要ではないかと思いますが、どのようにお考えになっているのか、お聞きしておきたいと思います。

松永久典生活環境部長説明  アスベスト対策に関しまして既存の公害防止条例のなかでアスベスト対策の条項を定めているところ、都道府県レベルで数団体と聞いています。ご指摘のように、単独の条例といたしまして福井県と鳥取県が、この9月議会に提案を予定していると聞いているところでございます。
  内容は、大気汚染防止法が定めている建築物の解体作業の届け出要件、延べ面積500平米以上、吹き付け面積50平米以上という面積要件を撤廃をいたしまして、すべての建物を対象に解体作業の事前届け出、作業基準の順守義務を定めたり、立ち入り調査権など規制強化を図る動きでございます。
  ただ、大気汚染防止法につきましては環境省の方で、今回の問題をふまえ、規制を強化すべく、先ほどの面積要件を撤廃するような、来年2月までに関係規定を改正する、このようにしているところでございます。また、建築基準法についても、建築物で健康被害が発生することのないように、現行の建築基準法令の見直しをするということが言われており、県としても、こういう動きを見極めたうえで、県としての条例の必要性があるか、判断をしてまいりたい。そのように考えているところでございます。

山村さちほ議員質問  この対策については、国からも次々と通達もたくさん来ておりますし、先ほど部長も言われましたように法の改正も考えているということでありますので、ぜひ、実態を反映していただいて、より、方向がよくなるように見定めていただきたいと思います。
  今後の解体をしていただく対策指針とか、マニュアルとかたくさん出ているけれども、御杖小学校の場合も、相当、大掛かりですね。あれだけの、宇宙服のようなものを着て、作業にあたられて、全部、密閉しているとお金もかかる。すべての事業者がそういうことができるのだろうかということを考えますと、本当に、条例をつくりながら、実際に国では費用の負担ということも考えながら、もう少し、きっちりとできるということがなければ、これから先の私たちの心配は、非常に大きいのではないかと思います。
  今でも、31年から55年の1000平米以上のところの調査をされているのでも1600カ所ほどあるということですから、それ以下も含め、また平成元年までと増やされますと、相当の量になると思います。廃棄物も多くなりますし、どのくらいの予測がつくのかということもよく検討していただいて、必要な対策をたてていただくように要望しておきます。(了)

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