日本共産党奈良県議団
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政策・主張
政策・主張県に「県産材の需要拡大を支援する県独自施策」など10項目要望

 日本共産党奈良県会議員団は9月13日、奈良県に対しては、吉野を中心とした奈良県の林業を支援し、活性化させるために「県産材の需要拡大を支援する県独自施策を拡充すること」「木くずや除間伐材を利用した木質バイオマス発電所の建設をすすめること」など10項目の要望をまとめ、要望しました。
 山下俊之林務長は「奈良県として独自施策がほとんどないようにいわれるが、退職金制度のように奈良県ではじめた制度が国の方でも制度化するという例が多くある」「県産材の活用については、今年度新たに本県の森林資源の大半を占める杉を中心とした一般材、この需要拡大と安定供給を図るために、県、林業木材産業の関係団体とで構成する『県産材安定供給推進検討会』を設置。具体的な生産流通についての検討をすすめている」など回答しました。

柿本善也 奈良県知事殿

2002年9月13日
日本共産党奈良県委員会
党県国政対策委員長 佐藤まさみち
日本共産党奈良県会議員団
県会議員 山村さちほ
県会議員 田中美智子
県会議員 今井 光子

吉野林業をはじめとする奈良県林業の危機打開と
活性化をめざす当面する要望

 日本共産党奈良県委員会は、昨年6月24日「奈良県林業の活性化を考えるシンポジウム」を開催し、多くの吉野林業地帯の林業・木材産業関係者が参加して、吉野林業の深刻な状況と切実な要望が出された。
 その後、今年8月7、8日の二日間、中林よし子衆議院議員を団長とした日本共産党吉野林業調査団が吉野郡川上村にある清光林業所有林での「林道づくり」「山づくり」の現場を視察、川上村林業推進協議会参加団体の代表者、吉野木材協同組合連合会の材木市場の視察、中吉野木材工業協同組合参加団体・企業の代表者との懇談会をおこない、危機的な現況と切実な要求を聞き、意見交換をおこなった。また、9月2日、農林水産大臣に別紙の要望を提出し、対応した林野庁職員から歓迎された。
 そのうえにたって、われわれは、昨年2月に発表した「奈良県林業の活性化について」の当面の提言で提起した県への要求をふまえて、重点的な要望を提出するので、来年度県予算編成に反映されたい。

  1.  吉野林業をはじめ、林業・木材産業の比重の高い県として、林業・木材業の活性化のために予算配分の比重を抜本的に強化し、独自施策を拡充するなど林業・木材業の活性化に本格的にとりくむ基本姿勢を確立すること。
     また、林業基盤整備などへの国の補助基準が吉野林業の実態に合わないために使いにくく、県の上乗せを求める要望がつよい。こうした林業経営者・木材業者の要望に応える施策を積極的にすすめること。
     奈良県の森林面積は、県総面積の77%を占め、人工林率全国4位であるにもかかわらず、林業・木材産業に係る県としての独自施策は皆無に等しい。この現状を抜本的に改め、県林業・木材産業の活性化を図ることは、山村の振興、森林資源の保全、県土の保全、水源の涵養、自然環境の保全などにとって重要な役割をはたすこととなる。
  2.  県産材の需要拡大を支援する県独自施策を拡充すること。 
     間伐材を含む地域産材の需要を拡大するために、熊本県では今年1月に新築落成した県運転免許センターの2、3階ロビーの床や4人掛けラウンジチェア、くまもと県民交流館の内装に県産材を使用する、また岐阜県では県発注公共工事に県産材を義務づける「県産材認定制度」を導入、静岡県では土木工事に間伐材2万立方メートル、公共施設に県産材1万立方メートルと木材利用の数値目標を設定、群馬県では、県産材を使用した住宅に一棟当たり10万円の奨励金を大工・工務店に支給するなど各県で地域産材・国産材の需要拡大のための独自施策が実施されてきている。
     奈良県においても黒滝村で吉野材を100%使った村営住宅5戸が建設されるなどの努力がされている。
     県においても県産材の需要拡大の施策を数値目標を決めて実行すること。
     学校・公民館・体育館・住宅など公共施設や土木工事に県産材を使用するよう数値目標を設定して推進する。そのために県・市町村の公共事業請負契約の中に県産材の使用を義務づける「県産材認定制度」を実施する。
     学校・幼稚園の施設や事務所の机・椅子を地場生産の木製品に入れ替える。
     全国の林業地帯では、地元産材を使った学校や公共施設が増えてきている。県内でも十津川村立折立中学校の体育館が木造である。大塔村では統合される学校、川上村では統合される保育所を吉野材・地域産材を使って新設する計画がある。
     県産材使用の住宅に対する補助を増額し、融資や税制上の優遇措置を広げる。
     奈良県木造住宅建設推進協議会は「大和の家 香久山」を開発しました。健康で、高品質の住宅が国民に提供されるよう、木材関係団体のとりくみを支援する。
     商店街のアーケード、歩道のタイルなどにも木材の使用をすすめる。
  3.  人工林(スギ、ヒノキ)の「経常間伐」の対象林齢の引き上げ、「特定間伐」の諸条件について実態にみあったものに見直し、期間を延長することなどを国に要望するとともに、県独自に対象林齢の引き上げ、実態に見合った出荷本数など、間伐補助制度の補完制度を創設する。
    吉野の人工林は、1ヘクタール当たり1万本から1万2000本の極端な密稙、弱度の多間伐、高伐期を特徴としている。現行の経常間伐の補助基準は、15年から35年生までとなっており、補助金が付かなくなった立木(特に35年生から60年生)は、経営の苦しい林家では手入れがされず、放置されたままになっている。
     このまま放置される森林が増えれば、林地崩壊などを引き起こし、環境、防災面で悪影響を与えるので、地域の実情に応じて間伐の補助制度を拡充する県独自の補完制度を創設すること。
  4.  木材のコストの引き下げを援助すること。
     原木のコストを引き下げ、九州、四国材などとの産地競争に対応するための林業経営者の努力が始まっている。これを支援するために以下の施策を実施されたい。
     吉野材(スギ、ヒノキ)の良質材を県内市場に出荷する林業経営者に対して、大分県で実施されている山元での主伐時の諸経費を直接補助する「良質材供給補助事業」を創設する。
     林道・作業道を計画的に延長する。本県の林道・作業道の密度はまだまだ低い。林業機械を導入するためにも林道・作業道の整備が急務である。
     ヘリコプター出材に対して補助制度をつくる。間伐材の出材や急峻な山林ではヘリコプターが便利なために有力な搬出手段となっているが、林業経営者の負担が大きい。原木のコストを軽減するためにも、土場の整備やヘリコプター利用に対する財政支援が必要である。
     モノレール設置事業を支援するために、県費補助率を引き上げ、市町村・林家の負担を軽減すること。
     奈良県林業機械化推進センターを強化して、林業機械の貸し出しをはかる。その際大型の高性能な機械だけでなく、急峻で狭隘な山林においても使用のできる中型、小型の機械を貸し出す。2000年5月、奈良県林業機械化推進センターが開所した。いまは技術者の養成が主業務であるが、これからさき機械の貸し出しが求められる。
  5.  森林組合を活性し、林業事業体を支援する。
     植林・保育・伐採を援助できるよう経営基盤を強化する。
     常勤の作業員と経営指導員を配置する。森林組合の運営には中小林家の代表も加えて、林家の経営を守り得る組織となることが求めらる。
     公共事業等の事業量を安定的に確保する。
  6.  情報化時代に対応して産地情報システムの確立を支援する。
     市町村役場や森林組合における産地情報システム体制をつくる。
     要員の教育を支援する。
  7.  若い林業就業者を確保し養成する。
     Uターン・Jターン・Iターンなど、青年に対する働きかけをおこなう。
     研修制度を充実する。
     給与・社会保険・退職金制度を充実する。
     就労日数の確保・安全対策を講じる。山を知らない青年の研修や気象条件によって山林労働ができない時の代替労働の保障など、若い労働力を確保するには行政の支援が必要である。林家の後継者を支援するため、一定期間月額15万円を支給する。
  8.  台風7号被害の復旧、木材価格の低落等による多額の債務を軽減し、倒産を防止するために、利子補給や利率の低い資金に借り換えなどができるよう林業金融制度を改善すること。
  9.  木くずや除間伐材を利用した木質バイオマス発電所の建設をすすめること。
     バイオマスの主役は木材である。木を燃やせば二酸化炭素が出るが、その分だけ植林すると吸収するから、まさに循環型エネルギーである。岡山県勝山町の集成材工場は木くずを燃料とした発電を行ない機械を動かしている。十数億円の建設費を公的資金でまかなうと、間伐材使用にある程度の支払いが可能となり、除間伐材や広葉樹が利用できる。また、三重県美杉村の製材所では、おがくずを蒸し焼きにしてガスを作り、それを燃料として発電をおこない、機械を運転しています。さらに排熱を木材の乾燥に利用している。奈良県においても木質発電所の建設をすすめる方向で研究を始められたい。
  10.  材木市場、製材所の焼却炉のダイオキシン対策のための焼却炉の改良への助成、検査態勢の強化に対する支援策を講ずること。
     「昔から木は燃やしてきた」「微量のダイオキシン発生があるといって多額の費用のいる大型炉に換えろというのは画一的だ」との批判の声がつよい。材木市場や製材業者にとって大型炉の新設には1000万円をこえる多額の経費が必要といわれ、木材不況の深刻化のなかで、業者には重い負担となる。焼却炉の改良のための助成策、検査態勢強化のために県の検査技師の巡回検査などの支援策を実施されたい。
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