日本共産党奈良県議団
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政策・主張
政策・主張奈良県男女共同参画社会基本条例制定1年を経過しての申し入れ

奈良県男女共同参画社会推進本部長
奈良県知事  柿本善也 殿

奈良県男女共同参画社会基本条例制定1年を経過しての申し入れ

2002年12月25日
日本共産党奈良県委員会
日本共産党奈良県会議員団
県会議員 山村さちほ
県会議員 田中美智子
県会議員 今井光子
大和郡山市県政対策委員長 吉兼和子
日本共産党奈良県女性地方議員
奈良市会議員 小林てるよ  奈良市会議員 原田栄子
奈良市会議員 中村あつ子  郡山市会議員 杉村淑子
生駒市会議員 上原しのぶ  生駒市会議員 小針康子
生駒市暮らし福祉対策委員長 西ふみ子
香芝市会議員 藤本みや子  御所市会議員 頃橋秀子
大和高田市暮らし福祉対策委員 沢田洋子
平群町会議員 植田いずみ  三郷町会議員 神崎静代
斑鳩町会議員 里川宜志子  都祁村会議員 中里奈都子
当麻町会議員 高井悦子  上牧町会議員 石丸典子
広陵町会議員 松野悦子  広陵町会議員 片岡福美
河合町会議員 中馬浩子  河合町会議員 南口好英
王寺町会議員 幡野美智子 高取町会議員 新沢明美
明日香村会議員 厨子友子

1、基本的考え方について
2、あらゆる分野における意志決定の場への女性の参画
3、「労働における男女平等の推進」にかかわって
4、「母性保護と健康の保持増進」にかかわって
5、「女性の自立と参画を支える福祉の充実、社会環境の整備」にかかわって
6、性の商品化をやめ、女性の人権を尊重すること
7、「平和」に関して
8、条例及び県計画の実効ある推進をするために

 

 2001年7月に奈良県男女共同参画社会基本条例(以下「条例」)ができ、その後1年が経過しました。
 日本共産党は奈良県での条例制定にあたっては、2001年2月に8項目にわたって、具体的な内容を提案しました。
 県として、条例制定から1年の進捗状況をまとめ、条例が実効あるものとして、県の施策等で具体化されるよう、次のように申し入れるものです。

1.基本的考え方について

 条例制定にあたっての基本的な考え方では、

  • 日本国憲法の理念にたち、女子差別撤廃条約や第5回世界女性会議の到達をふまえること。
  • 条例を実効あるものにするために、数値目標を明確にした年次計画をもつこと。
  • 国際的にも、日本は国の経済力の発展に比べて、女性の地位が低く、これを法や条例で抜本的に引き上げ、男女平等を推進するものとなるよう提案して、県条例にも、理念の表明や数値目標の設定などがおこなわれました。

 条例制定後1年余を経過した今日、それらが女性の願いに沿うものであるかどうかについては、改めて、広く県民の声を聞いて検証する必要があります。
 内閣府男女共同参画局によると、2002年11月6日現在、男女共同参画・女性に関する条例の制定は38都道府県74市区町村となっています。
 奈良県条例の条文そのものを全国のすすんだ自治体と比べると、問題点が浮き彫りになります。

  1. 県の責務として毎年、財政的裏付けをおこない、これを実行する責任があるにもかかわらず、条例には財政措置が条文として明記されていない、
  2. 知事の諮問機関である奈良県男女共同参画審議会については、知事の任命しか選出方法がないため、県内の様々な女性団体が平等に扱われていない。公募性、男女同数、女性団体の代表者をいれるなどを明記すべきです。
  3. この条例と年次計画に基づく進捗状況のチェック機関、「苦情処理機関」「救済機関」など条例に独自の機能を明記すべきです。

 1年たった今、新たに補充、改善が必要です。

2.あらゆる分野における意志決定の場への女性の参画

 あらゆる分野における意志決定の場への女性の参画では、全体として、女性の任用や昇格に意識的な努力がなされているとは言い難く、逆行減少さえみられます。

  1. 政治への参画
      奈良県と市町村議員は754人中、女性議員は65人で1割にもみたず、まだまだ共同参画とは程遠い状態です。本来、議会への進出も平等に保障されるべきです。平等性を担保するうえでも、議員定数は地方自治法にもとづく法定数として、一票の格差を是正し、女性の進出を含めて、民意が反映できるようにすること。
  2. 審議会における女性の参画状況
      女性を含む審議会は152のうち116。残る37審議会を含め、すべての審議会に女性を登用すること。
     県の目標は2005年に3割をめざすものですが、女性委員を大幅にすやし、少なくとも県が掲げた2005年までには3割を達成、さらには目標そのものを5割に改めるべきです。全国の多くの例では、女性委員は公募され、各分野で活躍している女性の参加で活発な議論がされています。広く公募性を取り入れ、女性の声が反映されるよう運営を民主化すること。
  3. 県職員の任用
      全体の職員数が3680名中662名(17.9%)だったものが、3310名中625名(18.9%)と、わずかな前進が見られます。この1年で370名もの職員が減り、女性も37人減少しています。結果としてのわずかな前進であり、県が男女共同参画の点から意識して女性の任用をすすめているとは言い難いものです。
     日々雇用は136名中、全員が女性であったが、122名中119名が女性となっています。17名の女性が減って3名の男性が増えたことになります。職員の昇格は、役職員のなかの女性の比重は逆に減っており、男女共同参画の理念からはずれているといえます。職員の任用にあたっては、男女平等を貫き、格差を解消すべきです。
     教育公務員では、小学校4688名中女性が0000名63.7%であったものが、3878名中0000名(67.45%)と比率の前進は、210名もの先生が減ったための結果にすぎないものです。中学校では、2744名中38.5%が2308名中898名、38.8%。高校では2088名中26.7%が1861名中495名、26.59%と逆に減っています。
     児童減少のときこそ、小人数学級にすべきですが、それができていないために、小学校210名、中学校436名、高校227名、合計873名も教員が減少しています。管理職では小学校長、教頭とも女性の比重がさがっています。
     部長級を含めた政策決定のポストに女性を登用し、抜本的に女性管理職の比重を高めること。小中学校、高校とも30人学級を県として実施、高校再編も中止し、教員の任用を大幅に増員すること。

3.「労働における男女平等の推進」にかかわって

 バブル崩壊後の深刻な不況のもと、県内でも長崎屋、そごうの倒産にみられるように、失業や雇用不安の増大、長時間、過密労働や男女の賃金格差の拡がり、介護医療などの社会保障の後退・負担増、農業、自営業の経営困難など、女性の貧困化が進行しています。この1年、新たな調査はなく、実態は不明です。女性の深夜労働や警備など今まで男性しかしていない分野に、平等の名前のもと、進出しており、それが母体の健康破壊になっています。県の雇用労政課が国の事務所だけになり、県では、もっとも大切な分野がつかめない重大な問題をかかえています。

  1. 女子学生の就職内定率
      全国で59.7%(前年同期比2.0%アップ)、男子学生の66%に比べて女子は6.3%も低いものになっています。奈良県の女子学生の就職内定率は52.9%で、男子学生の60.3%に比べて7.4%低いうえに、全国水準からも8%も低く、男女の格差も1%も広がっています。企業に女子学生の就職差別をさせないよう指導を強めること。
  2. パートタイマー
      正規職員に比べて、著しく労働条件の悪いパートタイマーについては、1997年度県商工労働部の調査では女子労働者の割合が89.2%もしめています。パートタイマーの実態を把握し、労基法の遵守やフルタイマーへの登用などの促進を、企業責任を明確にして指導を強化すること。雇用機会均等法で、努力義務になっている募集、採用、配置、昇格差別をなくすための禁止規定について、罰則を科すなど、国に働きかけること。パート労働者や派遣労働者の雇用条件と労働条件改善のために、ILOパート労働条約の批准を国にもとめるとともに、労使双方に周知徹底をはかること。
  3. 育児休業制度、介護休業制度
      1999年度県商工労働部の調査では県内630事業所中、育児休業が規定されているところは59.5%にとどまっています。1000人以上のところは97.5%ですが、10〜29人規模では34.9%です。介護休業制度は、実施が22.1%、予定を含めて43.8%です。企業への啓発・指導を徹底させるとともに、有給保障や代替要員の確保など、実効ある制度になるよう国に働きかけるとともに、2005年に80%という数値目標達成にためにも県独自の支援対策を図ること。中断している調査が本年度実施されますので、断絶せず行うこと。
  4. 中小企業や農林業に働く女性の労働実態の調査と公表
      奈良県の経済発展に貢献している中小商工業や農林業にたずさわる女性の実態は県としてほとんど把握されていません。実態の調査、公表とともに、県として実効ある支援策を講じること。自営で働く業者婦人の適正な評価、所得税法56条を廃止して働き分(自家労賃)を税制上必要経費として認めるなど、国に働きかけること。

4.「母性保護と健康の保持増進」にかかわって

 奈良県の「合計特殊出生率」は1999年に1.23だったものが、2001年には1.3とやや増えていますが、全国の1.36に比べると少子化は顕著です。しかも、低体重児(2500g以下)は1975年883人(5.0%)が、1998年1061人(7.7%)、2000年には8.4%と急増しています。

  1. 母子保健事業
      母子保健事業が市町村に移行されていますが、人的にも技術的にも高い水準できめ細かな母子保健対策が望まれます。県は、小児専門医の派遣や、保健婦や専門職員の確保など必要な支援をおこなうこと。
  2. 障害児の早期発見早期治療の体制整備
      子どもの出生率が減少しているのに、障害のある子どもが増えています。障害の原因は周産期におけるものが最も多くなっています。周産期医療体制の拡充、発達相談員の導入など、乳幼児検診の充実をはかること。障害児の早期発見早期治療の体制や子育てを支援する子ども専門病院を建設すること。医療費無料化は就学前まで拡充すること。アトピー・アレルギー対策の充実を図ること。
  3. 人口妊娠中絶
      人口妊娠中絶は、20歳未満が急増し1990年に140件(6.0%)だったものが、2000年では214件、11.8%となっています。また20歳代が41.4%、30歳代766件、42.3%となっています。人権尊重の立場に立脚した性教育を充実させること。性と生殖に関する健康、権利の確立の学習機会を保障し積極的に啓蒙すること。
  4. 健診
      乳癌、子宮癌による死亡者が増えています。健診の受診率は1998年度県保健統計によると、それぞれ10数%と、大変低い現状です。啓発を強め、受診料を無料にするなど受けやすい体制をつくり、早期発見早期治療ができるようにすること。希望者全員が健診を受けられるよう健診の充実を図ること。市町村と協力して婦人科健診と成人病健診がいっしょにできるように進め、さらに内容の充実を図ること。骨粗鬆症対策の充実を図ること。
  5. 不妊治療の保険適用をはかること
  6. 食品の安全
      輸入食品、ダイオキシンや遺伝子組み換え食品などが心配されています。食の安全を確保するためにも、食品安全衛生員を増やし、奈良県衛生研究所の体制と機能を強化すること。学校給食、福祉、医療、教育等の集団給食については県産の食材をつかうこと。
  7. 労働基準法の女子保護条項を復活するよう、国に求めること

5.「女性の自立と参画を支える福祉の充実、社会環境の整備」にかかわって

 収入のない主婦や家族従業者、平均賃金が男性の半分もない女性労働者など、女性は経済的にも自立することが困難な状況におかれており、社会保障の充実は切実な課題です。
 あいつぐ医療、年金、福祉の切り下げは、女性、とりわけ母子家庭、高齢女性に生活不安を増大させています。「基本計画」では、「個人がどのような生き方を選択しても、それに対して中立的に働くよう税制や年金、社会保険、配偶者手当等社会制度・慣行について、必要に応じて見直しをおこなう」としていますが、実態を無視して、経済的に困難な女性に負担を負わせ、生活基盤を脅かすものであってはなりません。憲法二十五条に基づき、年金、医療、福祉などの社会保障は、世帯単位から個人単位へ切り替え、女性の自立を保障する方向で充実を図ることが求められています。

  1. 子どもの権利条約
      子どもの権利条約の完全実施のため、県に企画機能をもつ担当部門を設け、県のあらゆる施策に権利条約の精神を生かすこと。
  2. 保育・学童保育対策の充実
      働くことと子育てが両立できるよう公的責任による保育対策を拡充すること。産休明け保育、障害児保育、病児保育、延長保育、夜間保育など県民の生活実態にあうものにすること。無認可の駅前保育所など実態をよくつかみ、児童福祉施設基準にあうよう指導、援助すること。学童保育では、国基準に満たない小規模学童保育所には県独自の助成をすること。
  3. 障害児教育、障害児の学童保育充実
      障害児をかかえる家庭の生活支援をつよめ、障害児の学童保育充実など、安心して子育てと仕事が両立できるようにすること。つめこみ状態で教育環境が著しく低下している養護学校を新設すること。
  4. 家庭での子育て支援
      家庭での子育て支援のため、それにかかわる地域ネットワークを広げ、連帯を図ることができるようにすること。自主的な子育てサークルへの援助など地域ぐるみの共同の子育てを励まし、促進すること。子どもといっしょに社会参加ができるよう、公民館や体育館などすべての公共施設に保育所や学習室、保育士の配置をおこなうこと。
  5. 児童虐待
      児童虐待は深刻です。県児童相談所への相談は、2001年320件、この10年間で20倍になっています。うち、身体的虐待134例、保護拒否123例が全体の8割をしめています。児童相談所の専門職員を増やし、中南和にも一時保護所を設置すること。
  6. 介護保険
      仕事と介護の両立が図られるよう、必要な社会資源の整備をおこなうこと。介護保険の保険料、利用料の減免制度を設け、お金がなくても必要な最低限のサービスを保障できるようにすること。
  7. 児童扶養手当
      児童扶養手当の所得制限を見直し、改正前に戻すよう国に要望すること。
  8. 私学入学金等
      私学入学金の予納金制度を廃止すること。私学助成金の県外の格差をなくし、県内に統一すること。
  9. 女性の職業訓練
      女性が社会参加をするために職業訓練の機会を増やすこと。ホームヘルパーやITなどニーズに見合うよう職業訓練機関の定員を増やすこと。
  10. 配偶者の控除、配偶者特別控除の廃止を中止させるよう国に要望すること

6.性の商品化をやめ、女性の人権を尊重すること

 女性への暴力は犯罪であり、人権侵害で人間の尊厳を踏みにじる女性差別であるとの社会的認識を明確にし、命の大切さ、基本的人権の尊重を、家庭、学校、社会のあらゆる場で教育、啓蒙し、マスメディアをつかって普及し、社会の意識を高めていくことが必要です。インターネットなど新しい情報機器をつかったポルノを含めて業者の性的搾取を禁止する法制度の整備が求められます。

  1. ドメスティックバイオレンス(夫や恋人からの暴力)
      ドメスティックバイオレンスが増えています。こども家庭相談窓口におけるドメスティックバイオレンスの相談は1996年57件だったものが2001年は354件と6倍になっています。また、一時保護は1996年8件から、2001年57件と激増しています。救済機関など実効ある手立てを講じること。
  2. セクシャルハラスメン ト
      セクシャルハラスメントをなくすために相談救済システムを確立すること。改正男女雇用機会均等法によって、1999年4月1日より事業主の配慮義務が定められました。事業主の職場方針の明確化や労働者への周知徹底、相談苦情の対策などが内容です。県としても広く徹底を図るとともに、実態をよく調査し、指導すること。県には、職員のためのセクシャルハラスメントの相談窓口が人事課に設けられていますが、今日まで一件の相談だけであり、より相談しやすいものになるよう改善につとめること。
  3. 性の商品化をやめる
      携帯電話・インターネットなどを媒体とする有害情報やテレホンクラブは、青少年の健やかな成長を阻害する事態と結びついて大きな問題になっています。青少年の健やかな環境の整備促進のために、通学路におけるポルノ雑誌やビデオの自動販売機の設置禁止などの具体的で抜本的な施策を図ること。

7.「平和」に関して

 「平和」なくして「平等」はありません。最大の暴力は戦争です。答申では平和についての項目がなくなりました。県条例をつくるうえでは、平和憲法を守る立場で、必ず平和の項目を条文にすることを求めます。

  1. 非核平和県宣言の実行
      「非核平和宣言」をした奈良県として平和資料館や平和フィルムライブラリーなどをつくり、平和に貢献する奈良県づくりをすすめること。
  2. イラク攻撃に反対すること
  3. 戦争につながるガイドライン法には協力しないこと
  4. 元従軍慰安婦への謝罪と賠償
      従軍慰安婦は国の責任で謝罪、賠償をおこなうよう国に働きかけるとともに、県にも相談窓口を設けること。県内の外国人女性の就労状態の実態調査をおこない、必要な救済措置を取ること。
  5. 核兵器も基地もない平和な日本になるよう国に働きかけること

8.条例及び県計画の実効ある推進をするために

  1. 奈良県男女共同参画社会推進本部
      奈良県男女共同参画社会推進本部と幹事会の機構は、部課長の当て職で、男性中心になっています。「男女共同参画」との名称にふさわしく、女性職員の積極的で大幅な登用をはかること。
  2. 知事の責任を明確に
      推進本部における知事の責任を明確にし必要な予算措置をとること。
  3. 男女共同参画課の権限と機能
      男女共同参画課の権限と機能を高め、計画推進に実効あるとりくみができるようにすること。
  4. 市町村条例と市町村計画
      市町村での条例制定と「計画」の充実を促進するよう県として必要な援助をおこなうこと。

以上

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