日本共産党奈良県議団
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政策・主張奈良県立高校入学者選抜制度の「改定」についての提案
 
奈良県知事 柿本善也 殿

2005年6月9日
日本共産党奈良県委員会
日本共産党奈良県会議員団
県会議員 山村さちほ
県会議員 田中美智子
県会議員 今井光子

奈良県立高校入学者選抜制度の「改定」について
日本共産党奈良県会議員団の提案

1、奈良県では、戦後早い時期から、事実上の全県一学区制となり、県立高校の序列化がすすみ、学校間格差が大きく、中途退学者が多数にのぼっている。こうしたなかで、県教育委員会は「行ける高校」から「行きたい高校」への再編計画ということで県立高校を11校も減らす統廃合計画を強行した。
  この再編計画は、日本共産党奈良県委員会・同県会議員団が2003年7月に発表した「県立高校の再編年次計画を撤回し、生徒・教職員・県民の願いに応える県立高校制度に改革を―日本共産党の提案―」のなかで指摘しているように、県立高校の格差を「特色ある高校」づくりの名目で固定化し、すべての青少年に国民としての基礎的な知識や技術の完成をはかるという後期中等教育の基本的な目標の遂行を保障するのでなく、成長期にある子どもたちの能力を高校選択で一面的に固定化させ、全面的な成長を妨げるものである。

2、昨年1月に発表された入学選抜制度の改定に関する「報告」にもとづいて、県教育委員会は、2006年度の入学選抜試験から、すべての県立高校で「特別選抜」を実施する計画である。
  その計画をみれば、「特色選抜」では、普通科で学科試験がなく、作文・小論文、面接のみの高校が11校あり、学科試験のある高校の多くは、数学、英語もしくは国語、英語であり、社会は、西の京高校、法隆寺国際高校の歴史文化コースのみ、理科は理数科の高校を含めて、試験科目にはなっていない。
  この「特別選抜」の実施にあたって「中学教育等への影響を考慮する」と「報告」はのべているが、「特別選抜」を実施する高校や学科・コースの割合が大きくなり、試験が少数学科に限定され、「特別選抜」の受験生は国語、数学、英語といった学科、作文・小論文の書き方にのみに集中した受験準備をすることとなり、さらに「特別選抜」試験に不合格になった生徒は、一般選抜では5教科を受験しなくてはならない。これでは過度の受験競争をいっそう激化させることになる。
  私学への受験を含めると受験の時期・教科がバラバラで、生徒の希望や力量に見合った受験指導、私学や「特別選抜」で落ちた生徒への精神的ケアなど、教員がそれらの対応に振り回され、十分な指導が生徒一人一人にできず、私学受験や「特別選抜」受験で合格した生徒と、一般選抜にのぞむ生徒との一体感が失われるなど中学教育のゆがみと、さらには中学校の序列化をつくりだすことにつながる危険性がある。
  また、調査書(内意書)の点数が絶対評価に変わったことや面接と小論文だけで合否が安定されれば高校入試への透明性、客観性が損なわれ、生徒や父母、県民の不信を招くことが懸念される。

3、多くの県民は、過度の受験競争から子どもを開放し、高校へ進学を希望する子どもが希望する高校に入学ができ、その高校で、社会に出てから自立して生活ができるのに必要な能力を身につけることを願っている。

4、戦後日本においては憲法と教育基本法において保障され、戦後の民主的な教育の多様なとりくみ、教育学をはじめとする学問研究の蓄積などによってきずかれてきた民主主義的な国民教育の基本は次の通りである。
  すなわち、学校教育は、自然や社会についての基本的な知識、生活と労働に必要な技術の基本、文化諸分野の基礎的諸要素などを子どもたちの発達に即して理解できるやり方で習得させ、健全な身体を発達させ、互いの人格の尊重と真理や正義を愛する市民道徳を身につけ、真に自主的、科学的な判断力を育て、青少年を「平和的な国家及び社会の形成者」として育成することにある。
  民主的な国民教育は初等・中等教育において、子どもたちが共通の学習経験を通じて国民的な教養として共通の基礎を身につけることを重視し、すべての青少年を成長する世代として尊重し、その能力をできるだけ多面的に開花させながら、各人の個性と能力をそれぞれに発達させるものでなければならない。
  こんにち、準義務教育化している高校教育(後期中等教育)は、国民的教養の基礎の完成という課題を担い、主権者として社会人として社会的生産的諸活動にみずから参加していくのに必要な知識と技術、判断力を育成し、人間性豊かな人格形成をはかることが求められている。
  そのために現在のような学力のいちじるしい格差を是正するための30人以下学級の実施や教職員の増員などの教育条件の整備・充実、つめこみでなく基礎基本をくりかえし習得できる教育内容の改善、学校が子どもにとって、苦痛の場でなく、安全で、学ぶ喜びと友情をつちかうことのできる場にしていくための教職員、父母、地域住民、子どもたちのとりくみを励まし支援する、国と地方の教育行政の特別の努力が求められている。

5、高校教育の制度的改革では当面、過度の受験競争をなくし、すべての希望者に高校教育を保障し、中学教育と高校教育のつなぎを合理的にして、教育内容、生活指導などの一貫性を確実に保てるようにすることは、いっそう重要な課題となっている。
  そのためにも、中学校から高等学校への進学にあたっては、入学選抜試験でなく高等学校教育を受けるにふさわしい学力をもっていることを確かめる適正検査にきりかえる。不十分な学力しか身につけていない生徒には、高校において遅れを取り戻すさまざまなとりくみを強める。そのために必要な教職員の増員など条件整備をはかることが必要である。

6、日本共産党は、ここにあらためて、県教委に対して県立高校の「多様化」「序列化」を促進し、受験競争の激化をまねく、県立高校の統廃合の見なおしと「特別選抜」の中止を要求し、進学希望者の全員入学、適性検査の実施など県立高校の入試制度の抜本的な改革、すべての生徒に基礎学力と豊かな情操、健康な体力を保障する、教育基本法を生かした県立高校の改革をすすめるよう強く求める。

以上


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