日本共産党奈良県議団
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議会報告・要約版
議会報告・要約版9月県議会を終了して

 9月定例県議会は9月15日に開会、10月6日閉会した。また、閉会後に開催された決算審査特別委員会は10月13日から17日の間におこなわれた。

(1)

 提出された議案は、一般会計補正予算8億5700万円(総選挙費用に2億4000万円、アスベスト除去費用、マンモグラフィの推進などにかかるもの)。そのほか育児休業条例の改正(県職員の部分休業の拡大)、法人県民税条例の一部改正(超過課税の適用期間を延長するもの)、国民健康保険調整交付金条例の新設(国から県へ財源振替、特別調整交付金を県が交付する仕組み)などの条例、契約案件など10議案と報告2件、諮問1件(行政財産を使用する権利に関する処分への異議申し立てを却下するもの)であった。

 予算委員会が設置され、上記の議案が審査された。わが党は、国保調整交付金条例については、特別調整交付金は市町村の国保会計を真に支援するものとして、医療費抑制策や保険料徴収率の向上や資格証発行などの推進状況によって交付額を決めるようなペナルティとして活用すべきではないことを指摘し、労働会館の使用について奈良県労働組合連合会がおこなった不服申し立てを却下するという諮問には公平を欠くものとして反対した。ほかの議案については賛成した。

(2)

 予算委員会は9月29日から10月3日の日程でおこなわれ、今井光子議員が委員となった。取り上げた質問項目は30項目、総括質問では柿本知事に大滝ダム建設にともなって地滑りが発生し、移転を余儀なくされた白屋地区住民への県独自の生活補償支援を求めた。

<歳入、総務部、企画部>

  • すべての有権者に投票所入場券を届ける手立てを要求
  • 低率減税の廃止・控除の削減で県民への影響額をただす
  • 私学助成の対象者を狭める計画の撤回を求める
  • 中和広域消防組合職員の不正採用問題で、県としての教訓、再発防止策をただす
  • 奈良県としての川上村白屋地区住民への移転補償を求める
  • 平城遷都1300年記念事業で、今、おこなっている文化庁との調整内容をただす
  • オオタカ調査委の報告がまとまった学研生駒高山第2工区の今後の進捗をただす

<教育委、警察>

  • 小学校での暴力行為の増加には小人数学級の実現での対応を求める
  • 高校再編とクラブ活動のついてただす
  • 非常勤の教員を正規職員に引き上げる仕組みづくりを要求
  • 犯罪多発の真美ケ丘に交番設置を求める、・孤独死の実態をただす

<商工労働部、農林部>

  • エルトピア使用を求める奈労連の請求を認めなかったことに異議申し立てされたことを却下する奈良県の理由に公平性がかけていることを厳しく指摘
  • 大型店の出退店にルールの確立を求める
  • 業者婦人の生活・権利実態調査の実施を求める
  • 県産材使用に県の支援を要求
  • 山野草など特用林産物の流通促進を支援し山間部の振興を

<福祉部、健康安全局、生活環境部>

  • 国保の特別調整交付金が市町村へのペナルティとならない運用となることを求める
  • 県福祉医療制度8月改定による市町村、県民への影響、実態をただす
  • 高齢者紙おむつ支給事業の後退を許さず、拡充を求める、・高額医療費払い戻しの実態をただす
  • 奈良県の看護婦確保対策をただす、・学童保育所の場所確保に県の支援を求める

<土木部、水道局>

  • 大滝ダム地滑り対策工の安全確認業務が民間団体に委託されている問題で、県独自におこなうよう求める
  • 白屋地区上部で奈良県がおこなう傾斜計調査の分析を県独自にもおこなうよう求める
  • 京奈和自動車道大和北道路建設計画の進捗をただす
  • 馬見丘陵公園への公共交通アクセスで要望
  • 県営住宅申し込みで要望
  • 奈良県長期水需要計画の見直しを求める

(3)

 一般質問は9月27日に今井議員がおこなった。知事に、郵政民営化について、郵便局しか金融機関がない地域、山村をかかえる奈良県として、政府に民営化反対の意見をのべるべきではないかと質問。知事は、郵便局は大切だが、政府の決めることだと質問への答弁は避けた。介護保険の改悪で10月から施設入所やデイサービス等の食費、居住費が自己負担になる問題で、負担増のためのサービス利用が制限されることのないよう、県独自施策の実施を求めた。

 アスベスト被害が深刻になるなかで、とりわけ王寺町など地域住民の健康不安が大きい。県の健診や治療の体制について質問。原油の高騰が続く中で、原材料や燃料代の高騰などによる地場産業などへの影響、及び倒産においこまれる例もでている問題で、緊急に支援策を実施するよう求めた。

 大滝ダムの地滑り対策工事の安全性について、県としても第3者専門機関による検証が必要であること、震災対策として住宅の耐震診断の推進を図るため、県の助成をおこなうこと、災害時に障害者や高齢者、病人などの安全確保のマニュアルをつくるよう求めた。質問への答弁は介護保険の独自助成は実施しない(福祉部長)、震災対策の独自施策は実施しない(土木部長)、大滝ダムの地滑り対策工事の安全性は国の専門家による検証がおこなわれており安全と認識している(土木部長)と答弁、またアスベスト被害の健康対策は検討する(生活環境部長)、原油高騰については中小企業対策として相談窓口を設置し、金融支援をおこなう(商工労働部長)と回答した。
  本会議に先立って開催された事前委員会は、総選挙投票日の翌日9月12日から14日までの間におこなわれた。ここで取り上げた質問は以下のとおり。

<総務警察委員会>

  奈良県市町村合併推進審議会の取り組みが報告された。山村議員は職員の育児休暇等に関する条例の一部改正について質問、また奈良県国民保護協議会での県計画を策定する議論をオープンにして議員や県民が意見を述べることができるようにするよう要求した。警察から学校への連絡制度の執行状況をただした。

<厚生委員会>

  アスベスト問題への県の取り組みが報告された。今井議員は、県立病院での放射線ガン治療体制の拡充を求めた。県立医大での電子カルテの導入についてただし、王寺町駅前の進入橋が福祉のまちづくり条例で定める歩道傾斜を大きく超えるものであることを指摘した。

<文教委員会>

  教育施設等でのアスベスト実態調査の中間報告について報告された。田中議員は県内教育施設におけるアスベスト使用の実態調査をふまえ、早急かつ全体的な対応を要求。次の定数改善計画では30人学級が実現するよう国に働きかけることを求めた。高校再編によって昨年、今年と多数の不合格者をだす学校がでたことに、県教委の認識と対策をただした。高校入試制度改革について質問した。

<国際文化観光・学研推進特別委員会>

  オオタカ調査検討会の検討結果が報告された。田中議員は、オオタカ調査結果によって学研高山地区の工事計画策定作業との関係を質問。高の原駅前へのイオン出店計画では、住民合意こそ最優先であり、合意のないまま届け出されことは許されないと指摘した。

<環境廃棄物対策特別委員会>

  アスベスト問題で県の取り組みが報告された。山村議員はアスベスト問題で解体作業への対策、除去後のアスベストをどう処理するのかなどについて質問。森林を保全するために間伐をしっかりおこない、山腹崩壊危険個所などへの対処を促進する予算確保を求めた。

<過疎・水資源対策特別委員会>

  今井議員が、合併する大塔村などで住民からでている意見について、合併をすすめた県としてどう答えるのかをただした。大滝ダムの地滑り問題では、対策工事の設計施工がプロポザール方式で民間企業にまかせられ、安全性など技術解析まで民間企業に委託されている実態から、いったいどこが責任をもつのかとただし、県がおこなう白屋地区傾斜計調査の分析を含め、県独自の調査や地元支援をおこなうよう求めた。見守り運動や山間部での唯一の金融機関としての変わりがない役割をはたしてきた郵便局について、県としてもライフラインを守る立場で発言をと求めた。

(4)

 意見書は、わが党は「地方交付税の総額確保と制度堅持についての意見書」「アスベスト対策を求める意見書」「障害者自立支援法案の廃案を求める意見書」を提案。調整の結果、わが党が主張したアスベスト使用禁止など対策をおこたってきた政府の責任を明らかにして対策の推進を求める内容で「アスベスト対策を求める意見書が、さらに「あんま、マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律ならびに関係法令の遵守と違法者取り締まりの徹底に関する意見書」(自民案)、「耐震化促進のための施策の拡充を求める意見書」(公明案)が採択された。

(5)

 公共工事の受任機会の拡大等に関する請願書」が全会一致で可決された。

(6)

 議会運営委員会で、議長から代表質問を3人会派から認めるよう、規則の見直しの提案があった。今後、各党持ち帰り、協議をおこない、次回の議会運営委員会で検討する。また、議会運営委員会では県議定数検討委員会が開催された。

(7)平成16年度一般会計決算について 

 9月議会に16年度決算が上程され、10月13日から17日に開かれた決算委員会で審査された。その特徴は概略次のとおりである。

 歳入は4987億8500万円で、前年度比5.9%減、歳出も4936億9500万円で前年度比5.7%減となった。収支は、形式収支(歳入歳出差し引き額は)41億9000万円の黒字となったが、実質収支8億200万円の黒字(前年比1300万円のマイナス)、単年度収支マイナス1300万円(14年連続のマイナス)。

<歳入の状況>

  三位一体の改革と称して、地方への財源を大幅に削減する政府の攻撃で、16年度は地方交付税とその振替である臨時財政対策債が大幅に削減され、296億円の減となった。
  また県税収入は法人関係税で増となったが、個人住民税、自動車税が引き続き減収となり、トータルで前年比23億6400万円増(+2.3%)だが、1036億4600万円(構成比20.8%)で厳しい状況が続いている。県税収入は最高時(平成3年−1281億4200万円、構成比25.9%)である。
  このため県債は通常債の発行をおさえても、地域再生事業債の新規発行や財源対策債を増発して、結果、前年度以上の通常債発行となった。発行総額は895億円(構成比18.0%)、臨時財政対策債の増により前年比61億700万円の減となった。県債残高は9532億円。県税収入の9.8倍である。

<歳出の状況>

 義務的経費のうち人件費は自主的な給与カット及び職員定数削減をして、前年比0.9%減となり、構成比34.6%である。
  公債費は812億1600万円(構成比16.5%)
  投資的経費は1116億2300万円(構成比22.6%)、前年より18.7%減少している。うち、普通建設事業費が1692億700万円で、公共事業関連の国庫補助負担金の廃止、縮小により、公共事業が減少。前年比17.1%の減少となっている。そのなかでも道路建設が重点的におこなわれている。

 款別にみると、構成比は教育費26.8%、土木費18.2%、公債費16.5%、福祉費8.4%の順となっている。前年比で大きく増加したのは災害復旧費。減少したのは農林水産費35.7%(国庫補助による公共事業の減少と国営総合農地開発事業の終了減)の減。土木費で11.7%(国庫補助減による公共事業の減)の減となっている。

決算委員会での論戦

  決算委員会には山村議員が入り、討論した。質問項目はおおむね次のとおり。

  • 高校入試改革についてただす
  • 連続するマイナスシーリングと職員削減では県民サービス切り捨てになるだけ。無駄な不要不急の公共事業をやめ、先送りするような抜本的見直しをすすめるべきと主張
  • 新法のもとで市町村合併にどう臨むのか
  • 職員の健康管理、労務管理をただし、メンタルヘルス、適切な休暇などで提起
  • 平城遷都1300年記念事業で平城京跡にパビリオン建設を構想している県の姿勢を追求
  • オオタカの生息する自然を守るよう求める
  • JR奈良駅連続立体化事業によって周辺住宅地への車の進入など影響をすくなくする態勢を要求
  • 介護保険施設居住費、食費の自己負担は国に中止を求めるよう要望
  • 地域包括支援センターは機能を十分にもったうえで全市町村ごとにスタートを
  • 児童相談所体制の拡充を求める
  • 学童保育所の運営設置基準づくりを提起
  • 県立病院の放射線ガン治療の体制拡充を求める
  • 生駒総合病院の後医療に県の支援を求める
  • アスベスト対策で民間事業所の除去作業などに融資や助成の支援を求める
  • 商店街振興策予算の拡充を要求
  • 大型店の出店退店へのルールづくりを提起
  • 間伐財の利活用の促進を求める
  • 京奈和自動車道問題
  • 県営住宅のバリアフリー促進を求める
  • 生活道路の維持管理予算を増やし、県民に喜ばれ、地域に仕事をまわすことを提案

一般会計決算について

  三位一体の改革の大きな影響をうけ、厳しい状況となった。政府の責任は重大である。同時に、県民の暮らしは社会保障連続改悪の影響をうけて、さらに不況のもとで、リストラや賃金カットなど、さらに厳しい苦しみのなかにあり、県の県民の暮らしと福祉を守るための取り組みが切実に求められている。しかしながら、県民の要求である介護保険制度の利用料保険料の減免、福祉医療制度の拡充、30人学級の実現などには応えず、県立高校授業料の引き上げ、職員定数の相次ぐ削減で県民サービス低下をまねく。また、195億円の無駄な岩井川ダムの建設をつづけ、見通しのない関西学研第2工区開発計画、東部山間農道建設をつづけている。大型の無駄をなくし、雇用と仕事を増やす公共事業の生活密着型への転換や農林商工業への予算をもっと増やすべきであると主張して、反対した。

 (8)

 今議会は衆議院選挙後、最初の議会で、小泉暴走政治の危険が強まるもと、県民生活を守る県の役割がいっそう問われるなかで行われた。わが党は、予算委員会、一般質問、決算委員会、各常任委員会、特別委員会で切実な県民要求実現にむけ努力した。
  委員会質疑のなかで、これまで道路建設などを求めてばかりであった自民党なども、こうした意見を控え、政府の公共事業補助金などが減らされるもとで、地元業者へ仕事をまわすことや、野放しの大型店出店に異議を述べたり、障害者自立支援法の成立後、障害者の生活を守る県独自の施策を求めるなど、県民のお暮らしの状況や県民の運動を反映せざるをえない発言が目立った。しかし、県職員を減らし、民間委託をすすめることなど県民の願いと逆行する小泉改革と同じ行革(ちいさな政府)推進を求めている。
  いよいよ奈良県は30年後の総合計画づくりを推進し、県活性化をかけた国際イベント2010年遷都祭にむけた取り組みを強化しているなかで、真に県民の暮らしと福祉を守り、県経済活性化をめざす方向こそ求められている。
 県民運動と連帯し、小泉構造改革、憲法改悪を許さないたたかいに全力をあげるものである。(了)

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